第五話 Lazuli Secret
――次の日。昼食を終えたルキとリノは大学内にあるカフェでサクを待っていた。
二人にカフェの店員が近寄る。
「お待たせしました」
ルキの前にカフェラテ、リノの前に抹茶ラテを置く店員。
「ごゆっくりどうぞ」
ルキはカフェラテを手に取り一口飲むと抹茶ラテを手に取ったリノの顔を見た。
「サク、遅いな」
リノはその言葉に抹茶ラテを一口飲み口を開く。
「あ、あのルキくん、昨日のことなんだけど⋯⋯私、また酔っちゃったみたいで、ごめんなさい」
「えっ? そんなこと気にしなくていいよ。酔ったリノって言動が可愛くて面白いし」
「⋯⋯リノ⋯⋯可愛い⋯⋯」
「ちょっとリノ、聞いてる?」
「は、はい聞いてます!⋯⋯あのルキくん、バンド名なんですけど私とルキくんの二人で決めたらだめですか?」
「いや、そこは全然いいよ、だってリノがバンドやろうって最初に言ったんだから」
「ありがとうございます! じゃ、じゃあ、私どうしてもバンド名の中にラズリという言葉を入れたいんです」
「ラズリ? ラズリってなんだっけ? 調べよ」
ルキはスマホを手に取った。慌てるリノ。
「えっ、調べるんですか?」
「そりゃ、言葉の意味知りたいじゃん⋯⋯ああ、ラズリは瑠璃のことか。どうしてこの言葉を入れたいんだ?」
「⋯⋯それは、ルキくんの瑠と私のリノの璃を合わせたら瑠璃だから⋯⋯」
リノがそう言って俯いた途端ルキの顔がパッと明るくなった。
「――それいいじゃん!!」
嬉しそうなルキに一つ息を大きく吐き口角を上げながらリノが口を開いた。
「ほんとですか? 良かった!」
「ああ、いいよ! 響きもいいし⋯⋯」
「――ル、ルキくんは何か入れたい言葉ってないんですか?」
「俺は⋯⋯そうだな⋯⋯」
ルキは考えながらスマホの画面を見た。
「ん? ラピスラズリだと宝石で、石言葉に『秘密を見抜く』って意味もあるんだな。俺イタリアの真実の口、好きだから秘密って言葉つけたいな」
「秘密ですか⋯⋯瑠璃の秘密⋯⋯ラズリシークレット⋯⋯なんか、いいですね!! 可愛いしかっこいいし、バンド名はラズリシークレットにしましょう!」
「よし、決まり! 俺たちのバンド、『Lazuli Secret』誕生だ!!」
ルキはリノと視線を合わせた。リノも視線を絡める。ルキは笑顔で肩の上まで右手を上げると、手のひらをリノに向けた。
それを見たリノは一瞬で笑顔になり右手を上げルキの手のひらを叩いたのだった⋯⋯。




