昼夜逆転
昼夜逆転。
それは言葉の通り、昼と夜が逆転することである……。
これは、とある世界で突如として発生した昼夜逆転現象の話。
【202虚年 3月1X日(虚日)AM11:00】
その男は、ラーメン昼独という名の人気ラーメン店の行列に並んでいた。
《ガヤガヤ(今日も行列……やっぱり人気ラーメン店だけあるよなー)ガヤガヤ》
(確かに、SNS、TooTube、テレビや雑誌で何回も紹介される人気店だからな……というよりも何かざわざわしてる)
かなりの長い行列で、突如として起きたざわつき。
列の後方部にいるその男には、当然ではあるが、ざわつく理由が分かるはずもない。
(どうしたんだ? 何かあったのか?)
その男は、ざわつきの行列の中、帰ろうとする人の様子を見ていた。
だが、その男が見た信じらない現象。
帰ろうとする人が、見えないナニカにより、並んでいた列の位置に強制的に戻されるという現象であった。
(なんだ?! なにが起きてる!)
その男が困惑していると、ようやく伝言ゲームが回って来た。
「前の人からやっと情報を聞くことができました」
「で、昼独ラーメンでなにが起きたんですか?」
その男は、ストレート麺が好きだった……いいやストレートに情報を聞いてみたのだ。
「昼独ラーメンの営業時間が突然AM12:00に変わったみたいです、しかも昼独ラーメンだけではなくて、全ての時間が昼夜逆転したみたいなんです! しかも行列に並んでいた人は、あと10時間以上行列を待たないと解放されないとのことです」
(んな、バカな! あり得ないだろそんな話)
「……情報、ありがとうございます」
「いえいえ、お互い頑張りましょう」
摩訶不思議なこの現象。
当然なことではあるが、その男は信じられるはずがない。
(ログアウトしたい……あれ? 喜冬さん……はぁ? 妄想犯行計画システム設計者:コソウによるログアウト断固拒否? ……なんで妄想犯行計画内のラーメン屋の行列待ちで、10時間以上待たないといけないんだ!)
そう!
その男の名前は、やっぱり森咲杜鷹だった。
彼は今、仮想現実空間ほこやぎ町でラーメンを食べようとしていた。
(クソ! やっぱり小蒼ちゃんの仕業か! 小蒼ちゃん、おい小蒼ちゃん!)
その男である森咲杜鷹は、脳内会議をしばらく行っていた。
(……はぁ? 頭の中をまた覗いてきて、ワタシは登場できないから残念でしたじゃないよ! "味噌ラーメン"が好きな小蒼ちゃんは、本当にそういうことするのが好きだよな! ……行列客が戻されるぐらいからおかしい、そう考えていたんだ……はぁ、仕方がない待つか)
こうして森咲杜鷹は、10時間以上かけてほこやぎ町のラーメン昼独を食べさせられた。
(お腹が空いた状態で食べた醤油豚骨ラーメン、やっぱり美味しかったな! じゃなくて五感再現された仮想空間……なんでラーメンの味も再現できるんだよ!)
終。
森咲杜鷹→もりさきもりたか 妄想犯行計画の主人公。
小蒼ちゃん→コソウちゃん この短編集では紹介することはできません。
妄想犯行計画のゲームルール:3の一部分。
妄想犯行計画にログイン中は、現実世界の時刻は進まない――逆の場合も同じ。
昼間は全てのお店が閉まっていて、真夜中に全てのお店が開店していたらを考え、そこから昼間は睡眠、夜は労働みたいな世界に変わったら、それも昼夜逆転だよな……なんて考えながら書いてみました。
お読みいただきありがとうございました!
これにて第1シーズン完結です。
本当にありがとうございました!




