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洗濯船ハイパー日誌  作者: 田子作
第5章 日いづる国
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エピローグ

洗濯船シリーズ第2作目「洗濯船航海日誌 アナザーワールド『消えた石仏の謎』」はこちらからお読みください。

http://ncode.syosetu.com/n4335cn/


「どこ行ったんですかねぇ。」


あべ君は洗濯船内をあちらこちらと船長を探し回っていた。

手には船長宛ての郵便物が2通。


「あ、あべ君!こっちこっち!」


小平師匠がリラクゼーションルーム『ここち』の入り口から手招きしている。


「何ですか?今ちょっと忙しいんですけど・・・」


満面の笑みを浮かべて待っている小平さんを無下にすることは『助けられたあべ君』には出来ない。


「助かりましたよ~!予約のお客さんがかぶっちゃって、手が足りないんですよぉ!」


どうやら小平師匠は『あべ君(弟)』と間違えているようであった。


「僕はマッサージとか出来ませんから!」


少しムッとした顔つきになるとサッサとその場を後にするあべ君。


「ありゃ~?そっくりだもんなぁ・・・」


間違いに気づいた小平師匠であった。


あべ君はまだ船長を探していた。

なぜなら2通とも『至急開封のこと』と判が押してあるからである。

その頃船長は秘密の隠れ部屋でお札を数えていた。


「うっしっし・・・。トマトが思いの外たくさん売れたもんねぇ~!100万あるから今夜は『竹子』でパァ~~~っと行くかな?」


あべ君は船内探査をエーコに頼むことを思いついた。

早速エーコの居る操縦室へ戻ろうと通路を歩いてゆく。

通路の向こうの方から小走りで笹川支配人がやって来た。


「何してるんですか!?早くベッドメイキング済ませないと今日のお客様がチェックインするのに間に合わなくなるでしょ!?」


またしても『弟』と間違えている。


「僕は兄の方です!!」


大きな声で拒否するとキョトンとした表情でその場に立ち尽くす笹川さんを置いて、ツカツカと歩み去ってしまうあべ君。


「す、すいませんエーコさん。僕、皆さんから仕事を手伝うように言われてるんですけど・・・?」


あべ君(弟)は皆との約束の時間に遅れて焦っている。

人格は基本的にあべ君そのものなので時間にも几帳面なのだ。

何とかエーコの腕を振りほどき操縦室から躍り出て来た『弟』は『兄』とぶつかりそうになる。


「うわっ!あっ!兄貴!?助かった!バトンタッチ!」


どうやらエーコはそもそもあべ君の好みではなかったようだ。

意味が分からないまま部屋に入るなりエーコに押し倒されて馬乗りにされたあべ君。


「うわぁ~~!な、何するんですか!?僕には妻子が・・・」


そこでハッと気が付いたエーコ。


「ふんっ!!紛らわしいですぅ~!!」


何を考えたかポケットから何かを取り出した。


「うわわわっ!ちょっと、何するんですかっ!」


無残にも、1年は消えないと言う『宇宙マジック』で額に大きく『兄』と書かれたあべ君であった。

誤解が解けて解放されたあべ君はブツブツと文句を言いながら船長を探す。


「例えお金持ちになっても我が家は絶対にAIロボットは買わん!!」


日頃から温厚がウリのあべ君もさすがに物凄い剣幕である。

そこへ上機嫌で鼻歌交じりで通路を歩いて来る船長を発見した。


「はいっ!!」


ぶっきら棒に郵便物を船長に手渡すとあべ君はクルリと向きを変えて行ってしまった。


「なんだぁ?不機嫌だなぁ~。うん?伊東社長と首藤さんからだ。どれどれ・・・」


早速その場で封を切る船長。

住友自動車の伊東社長からの郵便物は『予想通り』請求書であった。


「ジムニー5台と特別仕様代金の合計が・・・150万!?・・・し、仕方がないか・・・ふ、ふ、ふふ・・・想定内、想定内。」


若干動揺しているがまだどこかにユトリがある様子の船長。


「ふふふ、本命はこっちなんだよなぁ~♪」


首藤さんの郵便物の封を切ると数枚の手紙が出て来た。

1枚目は国際的な映画配給会社の回答であった。


「何々、『今世紀最大のテロ事件を余すところなくカメラに収めた御社の作品はドキュメンタリー映画としておそらく数世紀に渡り賞賛を受け続けることでしょう!!つきましては契約金100億で契約を完了したく面会を希望いたします。』!?・・・ひゃ、ひゃ、百億~~~!?」


船長の手が震えている。

しかし2枚目の手紙を読み終わったとき、船長の手は別の意味で震えていた。

首藤さんからのメモが付箋されたその手紙は政府からのものだった。


「『御社のこの度の作品は国内法の『特定秘密漏洩防止法』に抵触します。そのためフィルム、及びその他の全ての媒体での記録の保持・保管を禁止致します。』~~?!」

首藤さんの付箋には「全て持って行かれました。」と手短に書かれているのみであった。


「なんでじゃ~~~っ!!」


絶叫する船長の声で船長を探していた母ちゃんが気が付いた。


「おぉ~、ここに居ったんか!すまん、今度は『野王・・・』なんとか言うDVDを借りて来ちくりぃ~!」


ニコニコしながらいつものパシリの用事を言いつける母ちゃんを恨めしそうに半べそ顔で見つめながら船長は叫ぶ。


「なんでじゃ~~~~~~~~~~っ!!」


船長の雄たけびが虚しく船内に響き渡っていった・・・

長きに渡り御愛読いただき、感激のあまりに感謝の言葉も見つかりません。


ひとまず休憩致しますが、仲間からの強い要望もあり、2月中旬から『洗濯船航海日誌 アナザーワールド「消えた石仏の謎」』を執筆いたします。

http://ncode.syosetu.com/n4335cn/

よろしければそちらもご購読いただけると幸甚であります。

それでは皆様の今後のご多幸を祈りつつ、ひとまず筆を置きます。

本当に本当に、お付き合い頂きありがとうございました。


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