御舟流奥義波動三十七式 対 御舟流究極奥義ハドウ 対 僕
以前、明治時代の超能力者が会得した奇妙不可思議な武術というものが出てくる夢を見たということを書いたが(『ぼくのかんがえたさいきょーのいのうばとる』参照) びっくりした。
その続きの夢を見た。
話自体は続いているわけじゃなかったけれど、明らかに同じ世界観というか、雰囲気だった。
テレパシーとか未来予知を組み込んだ武術御舟流というやつの後継者争いに巻き込まれて、正統後継者の証である明治時代に人身売買のために取られた少女の写真『競売図』を奪い合うという胸糞悪い展開で前回は終わったわけだが。
御舟流には、筋力ではない力を使って相手の体内に衝撃を伝える打撃の打ち方というものが伝わっている。
あのニュアンスを言語化するなら、この世には非科学的(因果関係で説明できない)力が満ちていて、それを知覚できると、体内外のそれをかき集めて相手に叩きつけられるということらしい。そして、それを知覚する力が、御舟流の言うところの超能力なのだろう。
その力をハドウというそうだが、便宜上、波動と言う字を当てている。
「あやつの波動は三十式を越えちょる」とか嫌味な婆さんが言ったりしてたから、そういう使い方だろう。
夢の中の僕には、波動がなかった。
のだが、波動の真の使い道を教えられる。
実は『競売図』の写真には、秘密があった。
写真の裏に、漢字二文字が書かれている。
本当はハドウをなんて書くのかが、書いてある。
当て字ではない本当のハドウの文字を知れば、御舟流の究極奥義が会得できるという話。
多分、そういう話の流れだったんだと思う。
夢の中の僕は馬鹿だから、その写真を破り捨てて燃やしてしまえばいいのに、クッキーの空き缶に入れて神社の裏に埋めた。
誰にも知られないために。
そして、この夢が始まってからずっと一緒にいたやさ男に目撃される。
やさ男は「競売図を渡せ」とか言ってくるけれど、「シラナイヨ? ゼンゼンシラナイヨ?」ととぼける。
なんとかして、神社の裏に行かせない様に体を張ってとおせんぼ。
そこでやさ男、僕に喧嘩をふっかける。
波動は、波動を知覚できる人間にしか通じないので、僕には徒手空拳しかないのだ。
そんなことをしていると、誰かが神社の裏を掘りはじめる。
やっべ。
止めに行こうと思うけれど、やさ男が僕を逃がしてくれない。
やっべ。
こいつ、強いし喧嘩の弱い僕相手に手を抜かない。
本当やめて欲しい。
とかしている内に、第三者が競売図を掘り出し、裏を見た。
あーあ。
こうして、御舟流継承者になったぽっと出の波動使いと、それでも反逆するやさ男の三位決定戦が始まった。
この戦いの勝者が、波動の効かない僕に戦いを挑んで決着をつけるんだってさ。
おいやめろ、巻き込むな。
逃げようかなと思う僕の前で、御舟流の奥義がぶつかる。
ぶつかって、二人とも手は痛めるは足を挫くわして倒れる。
……、え? まさかこれ僕が漁夫の利的に二人にとどめを刺さなきゃならないの?
どうしようかな、と悩んで、とりあえずやさ男をふんずけて、三秒フォールを決めたところで目が覚めた。
物語のオチまでストーリーが進んだのは初めての経験で、爽快すっきりした寝起きだったけれど、なんかスッキリしない終わり方だった。




