知恵の泉と、専門家の罠〜プロジェクト管理オフィス(PMO)とSME〜
「新君、君のプロジェクトのリスク管理表、組織の標準フォーマットと違っているよ」
声をかけてきたのは、全社的なプロジェクトマネジメントを統括する**PMO(プロジェクト管理オフィス)の室長だった。さらに、セキュリティのSME(特定分野の専門家)**からは「この設計では監査を通せない」と厳しい指摘が入る。
新はノートを開き、組織内の特殊な役割を整理した。
【PMP試験の重要知識:PMOとSME(Subject Matter Expert)】
プロジェクト管理オフィス(PMO):
プロジェクトに関するガバナンス(統制)プロセスを標準化し、資源、手法、ツール、テクニックの共有を促進する組織構造。
3つのタイプ(試験超頻出):
1. 支援型(Supportive): テンプレートや研修を提供するのみ(統制力:低)。
2. コントロール型(Controlling): 標準フォーマットやガバナンスの遵守を求める(統制力:中)。
3. 指揮型(Directive): PMOが直接PMを派遣し、プロジェクトを直接管理する(統制力:高)。
SME(Subject Matter Expert / 特定分野の専門家):
特定の領域(セキュリティ、法務、特定技術など)において高度な専門知識を持つ人物。
プロジェクトチームに一時的に助言を行ったり、成果物の品質を検証したりする。
試験での出題ポイント: PMは万能ではないため、専門的な判断はSMEの知見を頼る。また、自社のPMOがどのタイプ(支援・コントロール・指揮)かによって、従うべきルールや報告プロセスが変わる。
「うちのPMOは『コントロール型』か。だから標準フォーマットの遵守に厳しいんだな」
構造が理解できれば、対応は怖くない。新はPMOから過去の類似プロジェクトの標準テンプレートと失敗事例のデータを借り受け、SMEには初期段階から設計レビューに入ってもらう体制を整えた。
「PMOは邪魔者じゃない、組織の『知恵のライブラリ』だ。SMEは自分に足りない知識を補ってくれる『最強の顧問』なんだ」




