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冷遇された伯爵令嬢、公爵令息に拾われ人生逆転します  作者: もも


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18/18

18 結婚式

 アルフがあんなことを言うとは思っていなかったが、後継としてはあれが当然だと感心してしまった。しっかりしている。

だが後で公爵家の情報操作だと言っておかなくては。


それに女の子は恋バナが好きなものだ。盛り上がっても誰が責められようか。

きっとアルフたちの話も話題になっている。




 サマンサ様は家庭教師からマナーの勉強を厳しくされるらしい。まだ十三歳だが伯爵家の嫡男に嫁ぐには知っておくべきことが足りなかったということだろう。


のびのびとしている性格はローズマリーには羨ましかったが、それだけではいけないのだと思った。



人の振り見て我が振りなおせだと思ったローズマリーは、より一層勉強に励むことにした。






 あれからシルビア、サマンサ、ローズマリーの三人は仲良くなった。

ローズマリーから話を聞いたシルビアがアルフにとりなしたのだ。


お茶会を開いたりお忍びで街歩きに出かけたりした。生まれて初めて出来た義姉妹はローズマリーにとって大切な人達になった。


三人が集まっているところは花が咲いたように明るい。周りにいる侍女や護衛はその華やかさに心を温かくした。








「ウイル兄様こうなる事が分かって噂を流したのですか。義姉上を守る為だと言って結局ブーメランのように返って来たではないですか。不安になったのは義姉上です」


「ローズは今回頑張ったよ、不安に立ち向かったんだ。以前の彼女なら我慢をしていただろうけど戦う方に舵を切った。違うかい?」


「そうですが…」


「恋愛物語は悪い噂を払拭してくれると思うんだよね。足を引っ張ろうとする輩は潰すつもりだけど、手を出して来ないと何も出来ないからねえ」


アルフは従兄の黒い部分に納得をした。敵にはしたくない。絶対に!!絶対だ。




 



 結婚式当日になった。礼拝堂の控え室でローズマリーは鏡の前に立っていた。


繊細なレースで作られた真っ白なウエディングドレスを着た花嫁は息を呑むほど美しい。自分ではないようだ。

これが虐げられ痩せ細っていた女の子だとは誰も思わないだろう。




式には王族が大勢参加する。

ハミルトン公爵家が大げさな式を嫌ったのだ。

それはローズマリーのせいではなく義父の性格によるものらしい。


なんにせよウイル様の隣にいられるようになるのは嬉しい。

ほわほわとして気持ちは夢のなかにいるようだった。


ウイルフリードが控室に来た。


頭にはダイヤのティアラとロングトーンのレースのベール、真っ白なウエディングドレスを纏った花嫁は幸せで光り輝いていた。


「…なんて綺麗なんだ。妖精のような美しさだ」


ウイルフリードは白の正装だ。襟や袖に金色の刺繍がされている。

背中の金色の火の鳥はローズマリーが刺した。


前髪をあげているので彫刻のような端正な顔がはっきり見える。



「ウイル様もとても素敵です。言葉にならないくらいかっこいいです」


「これを着けて欲しい」


差し出されたのは大粒のダイヤのネックレスとイヤリングだった。




首筋がくすぐったく耳は熱を持った。真っ赤になったローズマリーにウイルフリードが囁いた。


「やっと結婚できるね。指輪は式で嵌めてあげるから」と。

熱い吐息は身体の芯を蕩かすようだった。


翻弄されすぎだ。ローズマリーは今日で心臓が止まるのかもしれないと思った。




式をあげ出席者から祝福をされた後でパーティーが始まる。場所は離宮の大広間だ。


長いテーブルに料理が並び、花と燭台が間を埋めている。天井から光るシャンデリアが眩く光り輝いていた。


来賓の身分が高いので緊張が半端ない。挨拶のトップは陛下と王妃様だ。その後にも親族や客が続く。それをウイル様が卒なくこなしてくれた。流石に慣れていらっしゃる。



私はウイル様の腕に手を添えて微笑んでいた。それだけで顔が引きつりそうだ。


シルビア様やハミルトンの義両親とバルモアの義両親に義弟達が笑いかけてくれる。少しだけほっとした。


色々な事が頭の中を駆け巡る。両親の死。虐待されていた子供時代。それが遠い昔の出来事のように思えるのは今が幸せだからだろう。


これからウイル様と歩いて行くのだ。

この人の手は温かい。少しでもお役に立てるように努力をしなくては。


ウイル様が顔を覗き込んで囁いた。


「ローズと結婚出来て幸せだ。愛しているよ。だからもう少し頑張ろうね」と。


それは私のセリフです。

ウイル様の為ならどんな努力もする。あの日倒れた私を拾ってくれたヒーローは貴方だもの。


「私も愛しています。ウイル様。どうぞよろしくお願いします。これから可愛がってくださいませね」


「そんな可愛いことを言うなんて反則だ。続きは夜だ。覚悟をするのだな」


いつも紳士的なウイル様の目が熱っぽくなったのは二人だけの秘密だと思っていたのは私だけだったようだ。


今夜ウイル様に蕩けされるなんて想像もしていない私は本当に初心だった。

ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました。感謝しかありません。これで完結です。

ローズマリーは溺愛されてますます自信をつけ強くなって生きていきます。ウイルフリードはローズ命で一途です。


では皆様またお会い出来ますように。

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