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如月さんの一人語り  作者: 金木犀
12/17

口が裂けても言えない(2)

「ふぁーっ」

ヤベェ、昨日家に帰ってから記憶がない

完全に泥酔いだ

ってか時間!遅刻する!

俺は急いで身支度を始め、会社へ出勤した。

それから数日間とても忙しいかったので、おでん屋の事などすっかり忘れていた。 


「あー、やっと忙しいの、終わりましたね。ゆみ先輩」 

「えぇ、そうね。明日は休日だからゆっくり休もうかしら」

「そうですねー。僕はまだ、休みがないので残念です。」

本当忙しいかったから全身こってるよ。早く休みたい。


「そういえば最近連続殺人事件が起きてるらしいわよ、大河君。しかもこの近くで被害者たちは全員女性で毎回口を割かれて心臓をひとつき……痛いわよね絶対これ」

「うえっ、そんな死に方嫌ですね。」

本当、悪趣味な殺人犯だ……ゆみ先輩も女性だから被害に遭わないで欲しいな……

本当に今の世の中は物騒だ……

「ま、アンタも気をつけなさいよね、男だけどおっちょこちょいで、たよりないんだから、自分の身を守れるくらいにはいずれなりなさいよね。」

「なっ!俺はおっちょこちょいじゃないですよ!!」

確かにほんの少しだけおっちょこちょいかもしれないけど!

「あら?そうなの?じゃ、期待してるわね“大河君”」

そう言うとゆみ先輩は俺の頬にキスをして帰って行ってしまった。

「へっ!?」

いや、好きな人だからとても嬉しいけど!?

「あーもう!またやられた!!」

今絶対俺の顔真っ赤だ……

顔絶対洗えねぇ…そうだ今日は赤飯にしよう。

もうすぐ定時で帰れるな……真っ直ぐ帰ろ……

せっかくだし、家で作ろう。しばらくの間は頭が嬉しいすぎてパニックっていたが治ってきたが、完全には治ってなく

「ふっふんふんー」 

俺は鼻歌交じりで帰った。


「………チッ」





プルルルルル

「ん?ふぁー……朝……か」

いつの間にか寝てしまったようだ……かなり疲れていたんだろう。……職場で居眠りしなくて良かった。

それにしても電話が鳴っている……その電話のおかげで起きれたんだが……電話の相手は部長のようだ。

俺は鳴り響く電話を手に取り電話にでた。

「はい、もしもし村上で『おい!村上君かい?ゆみさんが!……昨日死んでしまったようだ』

「えっ」 

嘘……だろ…さっきまで生きていたはずなの…に

ガチャン

俺はショックのあまりスマホを手から落としてしまった。

あのゆみさんが……死んだなんて信じられない。

『おい、村上君!村上君聞こえるかい!』

「嘘……ですよね…部長…?」


『……君とゆみさんが仲良かったのは……皆んな知ってる。

ショックなのは分かるが最後まで話を聞いてくれ……

ゆみさんはただ死んだだけではない……他殺だ…

誰かに殺されたみたいだ……死因は口を裂かれ心臓を刃物でひとつきだそうだ。……明日葬式をするようだ。

君も来い……今だけ…今だけ泣いとけ……葬式場で酷い顔して……彼女をゆみさんを心配させるなよ……』

部長……

「………はい……」

いくら、考えても考えがまとまらない。あの時、俺がゆみさんを引き留めていたら……くそっ!


俺は、その日は一日中泣いた……部長の言った通り明日は葬式。ゆみさんの目の前で酷い顔はできない。

今のうちに……今のうちに泣いとこう。そう思い、身体が干からびそうなほど泣いた。


…………そして、葬式は無事終わり“ゆみさんがいない”何気ない毎日を過ごす事となった。




「村上君ちょっといいかい?」

「……何ですか?……部長」

「……目の隈酷いぞ……寝てないだろ君…

しっかりしなさい。このままだと倒れてしまうぞ、君」

「すみません……なかなか寝付けれなくて……」

毎回寝ると夢の中にゆみさんが死んでる状態で出て来て……

飛び起きてしまうため、全然寝れない……


「はぁ……村上君、今日はもう帰りなさい。」

「えっ!でも!まだ会社来たばっかですよ!」

「今にも体を壊してぶっ倒れられそうな人が何言うんだ!

 それに、倒れた後が大変だろ……」

うっ……確かにそうだ……

「……分りました。お先に失礼します。」

「あぁ……そういえば村上君……

まだ例の犯人うろついてるから気を付けろよ。

 残念ながら警察は“まだ”捕まえてないようだ。

 最近もまた事件があった。

 ……犯人を見つけたからって追いかけるなよ」

「はい」


まだ、2時だって言うのに……

本当に……部長には感謝しきれない。

俺は周りに恵まれたと思う。

スタスタ

俺は家に帰るため街中を通っていく。

そして、人通りが少ない路地に入って行った、その時だった。後ろからカッンカッンと音がする。

……ハイヒールの音か?歩くの大変だな……

そう思いながら俺は角を曲がった。後ろからはハイヒールの音は消えた。行き先の方向が違かったのだろう。

……そんなことをのんきに考え歩き続けた。


カッンカッン

また、ハイヒールの音が聞こえる。今度は前からだ。

女性ってハイヒール履くの好きなのかな……

ゆみさんも好きだったし……そう考えていたらまた悲しくなってきた。

歩いていると音がだんだん近づいてきた。

音の正体は、髪の長い女性だった、顔立ちは目がパッチリしていてきれいな方だと思う。ただ、このクソ暑い夏と言う時期に真っ赤なロングコートと、マスクと言うセンスは無いと思う。

「村上さん……」

通り過ぎようとしたら、女性に呼び止められた。

自分の名前を知っているようだが……自分はこの女性を知らない。

「……どこか、会いましたっけ?」

「……最近、おでん屋さんで隣に座った者です。

 その時、名前を教えてくれましたよ?

 ……酔っていて覚えてないかもしれませんけど…」

そう言えばそんな事あったな……

「すみません、今思い出しました。」

すっかり、忘れてた……申し訳ない。

「…………村上さん」

「はい」 

「………私、貴方に合ったあの日からずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとず〜〜〜〜ッと待っていたんですよ?あの場所で……

“貴方に会えると思っていたんですよ?”」


「は?」

この女の人何かやばい……そう俺の感がいっている。

「貴方が会ってくれないから………私貴方のことを探したの……そして、ようやく見つけた時貴方は私以外の女と喋っていた………あの時村上さんこう言いましたよね……

【人は顔じゃない、心が大事だって】」


「でも……隣にいた人は私より綺麗だった。だからね?貴方に近づいた女の人すべて壊してあげたの……」

コイツがゆみさんを!!

俺は、はらわたが煮え繰り返りさえなほどこの女がとても憎くなった。

「それは!お前の勝手だろ!ゆみさんを……ゆみをかえせ!!」

「何を言ってんの?」

女はキョトンとした顔でこちらを見てきた。

……顔の半分がマスクで隠れて見えないが……

「あの女たちは、貴方に害があるから、壊した。

貴方のことを思って行動したのよ?」

何を……何を思って……

コイツ、俺が思っているより狂ってやがる!!!

「おでん屋さんで、貴方は顔より心っていったわよね?」

何を急に言い出す?

女は自分のトレンチコートのポッケに手をかけてる。


待てよ……今思えば何故“自分が犯人って俺に言った?”いう必要がない、もし、俺が女だったら通報されることを恐れてこのようなことをしない。

………と言うことは…俺を逃すつもりはない

何故考えつかなかった!!

そして、女は喋り出しながらマスクをとった。


片手にハサミを持って………


『ねぇ……私……綺麗?』


あぁ、【口は災いの元】……本当だな






とある、町外れに小さなおでん屋さんの屋台が出ていた。

日によってやる場所が違うみたいだ。

「仕込みはオッケーと……」

そう、店主が呟いていると、屋台の中に誰かが入ってきた。

「いらっしゃ………何だ、ねぇちゃんか」

「ふふっ、久しぶりね、親父さん」

「……何かいい事あったのか…」

「あら?分かる?最近やっと好きな人と一つになれたのよ」

「………そうか」

「………相変わらず無口ね。今日はその話をしたかっただけだから……じゃっ」

そう言うと女は去って行った。

「…………あわれだな」



「はい、これで今回の語りを終わります。

 ほら?変わっている口裂け女でしょ?

 皆さんがどう捉えるかは分かりませんが、私は変わっていると思いますよ?この語りで一つ言うなら口裂け女も一人の女性って言う事ですね。愛する人を手に入れるためならなんでもできる……人間もそう言う人いますよね?

………さぁ、夜も明けました、今回もご視聴ありがとうございました。それでは……」


ブッ


………一番怖いのはお化けでもなく……人間だと思います。

そんな、呟きが視聴者達の耳に聞こえたような気がしたが、動画は既に終わっていたので、皆聞き間違えとして考えるのをやめてしまった……

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