一人と一人の出会い
「はぁ、今回も凄え!!」
俺は今【如月さん】の動画を見ている。
なんせ、語り方が上手くなんか引き寄せられる感じがあって凄え。他の本や動画じゃゾクゾクしたり怖くならねぇのにこの人のやつだけ本当に背筋が冷える。
オカルト、ホラー好きの俺にとってはとても魅力的な人だ。
とくに、最近の【見るな】が一番怖くとても一押しだ。
「ってか、もう学校じゃん!!」
ヤベェ、ついギリギリまで見てしまった。
「行ってきます。母さん」
「あんた気をつけなよ、今日雨降るってよ。」
「はーい」
確か、バックの中に折笠入ってるはず。
まじで遅刻するーーー!!ダッシュ!!
ガラッ
俺は勢いよく教室のドアを開けた。
セーフ
「遅い、湊斗3分24秒遅刻よ!」
「えー、3分も全然かわんねぇよ!ケチ!」
「あんたねぇ、今月に入ってから何回遅刻してんのよ!!」
「……4回?」
「11回よ!!ったく今回も【如月】?」
「おう!正解だ。」
「何がおうよ!全くオカルトの何がいいやら。
現実にそんなのいるわけないのに。」
「えー?俺らがあってねぇだけでいるかも知れねぇぞ?」
「非現実的ね、私には分からないわ」
「だって、いたら面白いじゃねえか」
「アンタは昔からスリルのあるものが好きねぇ」
ガラッ
教室のドアが開いた。岡本先生だ。いつも通り暑苦しそうだ。
「おはよう皆んな、みんな席につけ
今日は皆んなに嬉しいお知らせがある。転校生が来たぞ。入ってこい。」
そう言うと、ドアを開けて一人の男が教室に入ってきた。
茶髪で目の色は青……かなりのイケメンな顔だ。
そんな事を思っていると転校生が自己紹介をしようとしていた。
「柊 蒼これからよろしく……」
「きゃー、イッケメン!!」
一人がそんな事を言うと伝染していき、クラス全体が騒がしくなる。
「はい、静かに、柊君に質問したい事があったら空いてる時間に質問しろよー。先は山口の隣だ。さて、これからHRをはじめる。」
転校生は結菜の隣か……転校生おつかれ。俺は少し転校生に同情した。そう考えて転校生を見ていると転校生と目があってしまった。なんか分からないが目を大きく開いき、俺を見ていた。
なんだ?虫でもいたのか?
HRが終わると、一目散に転校生の元に女子が集まったいった。
そんな女子と違い結菜が俺の席に近づいてくる。
「剣道部らしいよ、柊君。しかも全国大会優勝者。
あの容姿だから余計めっちゃモテてるけどね。」
確かにそれは凄い。しかも、あの女子が群がる一瞬のうちに聞いておくなんて只者じゃない。
「お前も好きなのか?」
「いや、タイプじゃない。……それに好きな人いるし」
一体、このひねくれ結菜の好きな人だれだ?
コイツ、確か理想が高いはず……よっぽど凄いやつにあったんだな。
「なぁ、それって「皇、ちょっと先生の手伝いしてくれねぇか?」
ゲッ、岡本先生今いいとこだったのに……
「結菜、今度そいつ教えろよ!!」
「皇!早く来い!」
「ハーイ」
俺はダッシュで岡本ティーチャーのところに行った。
「……鈍感バカ」
誰も居なくなった教室に結菜の言葉が響き残った。
ったく岡本ティーチャーのせいで帰えんの遅くなった……
ボール三百個一人で磨けって酷くない(泣)
いじめだ(泣)PTA案件だ(泣)
岡本先生のせいで学校から出る頃はもう日は落ちていた。
しかし母さんが言っていた天気予報は外れて雨が降ってない
が辺りは暗いので視界がとても悪い。雨が降っていたら余計視界が悪かっただろう。
人が立っていても気づかないと思えるほどとても暗い。
通学路は、この道を通れば近道となる。人通りは少ないが、最短で帰れる為、サクッと帰りたい時はとても便利だ。
この道にあるものと言えばポストと時々通る車くらいだ。
夏なのに暑い感じがしなく、肌寒く、背筋が変な感じがする。なんか、動画を見ている時と同じ感覚だ。
「なんか、こうザワッとゾワッとくるんだなぁ」
風邪かな?
そう言えば、馬鹿は風邪を引かないと言うからいつも馬鹿って言われているおれは馬鹿じゃない?
ん?誰が立ってる?遠くから見るシルエットは丸みがあり、
男のようにいかつくない。女の人か?こんな時間危ねえぞ。
誰か、待ってんのか?それなら仕方ないか。
そう思い俺は女の人?の前を通り過ぎた。
ふと、思い出し俺の足は止まった。
そう言えば、ポスト通ってねぇな……
道間違ってんのか?そりゃ厄介だぞ。
一回後ろみて合ってんのか確認すっか。確か近くにあったはずだし。
そう思い、俺は後ろを振り向いた。
確かにポストはあった、道は間違えてなかった……
“だが”そのポストがおかしい、そのポストの上に下半身がない女の人が乗っているからだ。立っているように見えたのはポストの上にのっているから……暗くてよく見えなくそう勘違いしたのだろう。そんなことを一周まわって冷静に考えていると……
ベチャ
下半身のない女の人がポストから落ちてきた。
「えっはっ?」
当然、頭の処理が追いついてない俺はパニクッた。
そして、女の人は腕を頭の方に手を伸ばし、這いつくばってきた。“ただ”這いつくばるならいいだろう。
馬鹿みたいに早い。正直言うと、走っている奴並みに早い。
“やばい”ただそれだけを思い俺は一目散に走った。
幸い、最初の時何メートルか自分との距離があったためすぐには追いつかれなさそうだ。
“と”思っていたが女の人がスピードアップしてきた。
現役野球部の俺でもかなりきつい状況なのにスピードアップって!?
やばい、追いつかれる。どんどん走る足をはやくはやくするが、徐々に距離を縮められる。前をみず、やけになって走っていた、それが命取りとなった。
カゴッ
足が何かに挟まった。その何かは線路だった。
カンカンカン
そう、俺は線路の上にいた、しかも電車が来る前で遮断機が降りてる時だ。線路から出ようにも距離があり無理だ。しかも、足が線路に挟まり出ることができない。
キキィーーッ
「あぁ」
ついに電車が来てしまった。
俺は死を覚悟して目をつぶった。
「死んで……ない……」
俺の体は線路から出ていた。誰かに引っ張ってもらったようだ。
「おい!!何したんだ!お前馬鹿か!!なんで諦めた!」
「……柊…?」
そう、声の持ち主は柊だった。
「おい、柊早く逃げろ!やばい奴が来るっ……」
そう言っていたら本当に来てしまった。
気のせいかもしれないが女の人の顔がかなりイラついているように見える。
「へぇ……アイツか。」
「そんな事言ったないで早く逃げろ!!」
コイツ、頭大丈夫か?よく冷静でいれるな
「普通に大丈夫だ」
そう言うと、柊はどこからか鉄パイプを取り出した。
本当どこから取り出したんだ?
鉄パイプを持つと女の人に向かって走り、殴った。
ドゴッ
鈍い音がした。
「ギャァ」
痛がってる……普通に物理攻撃が効くのか?
本当に効いたのか、女の人は動かないでいる。
それをチャンスと思ったのか、柊は女の人に近づいていく。
「……いっちょ上がり」
柊はそんな事を言うとポケットからお札を取り出し、女の人に貼り付けた。
「ギャァーーーーーーーーーーーっ」
女の人は光りながら消えてしまった。もう嫌な感じのゾワッとした感じもない。お札って、あれか俗に言う安倍晴明みたいな陰陽師って事なのか?
「助けてくれてありがとう……」
「別に、俺はお前を助けた訳じゃない……利用するために
拾っただけだ。」
「は?」
利用?俺とコイツ初対面だよな?もっと言うならこれが初めての会話。しかも偉そう……
「アイツはいったいなんなんだ柊?」
「あれは【テケテケ】
線路にひかれて、下半身をなくして死んだ女の霊だ。
ちょうど、ここの線路で死んだんだろう。
アイツらは、足が欲しいからな、だから追いかけてきた
んだろ。」
「いや俺じゃサイズがあわないだろ」
俺、足太えぞ?
「じゃ、ただの嫉妬かもな……」
幽霊に嫉妬されても……
「さて、本題に移る。お前……何か能力持ってんだろ」
「能力??」
いったい何をいってんだ?さっきの現象といい。
「理解してないのか?それとも知らないのか?
HR前に目があっただろ、お前白いもやで囲まれていたから嫌でも目に入ったんだよ。そんで目があった。」
だから、目があった……なるほど………そう言う事かってなるか!!
「分かってないなら、これから理解すれば良い。
お前や俺のように能力を持っている奴中々はいねぇ。
俺は目的の為俺はお前の力が借りたい」
「目的?さっきから言っている事全然理解できないんだか」
全然、話が頭に入ってこない。
「……‥今から8年前に西我町と言うところで女子小学生誘拐事件が発生した。
拐われたのは当時4年生の【今本 小織】
……なんか聞いたことあんだろ。【江本 沙織】って聞いたことあんだろ。【如月】の動画でな。
この動画の内容全部にてんだよ……
さすがに小織さんの家の中はあまりわからないが、姉さんと話したことや俺と喋った内容……全部似てんだよ。
……世間では女子小学生誘拐事件ってなってけっどこの動画を知って、ただの誘拐事件じゃねぇと俺は疑った。
……俺は昔から普通の人が見えない奴が見えた、だから小織さんもそれに巻き込まれたんじゃないかと俺は思う。
あの人を助ける為の唯一の情報源それが【如月】だ。
その為に俺の知らない情報を知っている【如月】を探したし手伝ってくれ!」
訳わかんないねぇよ。全然。でも……
「あーーまいったな。俺“お願い”されるのめっぽう弱いんだよな。
ハァ……これでチャラな、“貸しだ”これでいいだろ!
手伝ってやんよ、命の恩人」
コイツが助けてくれなかったら今頃死んでいただろう。
あのテケテケという怪物によって……考えただけでゾワッとくる。
利用するためにでも助けてくれたのは変わりはないからな…
「……ありがとな……えっと名前……」
「お前マジかよ!クラスメイトの名前覚えろよ!」
「興味がないからな」
「ったく【皇 湊斗】だ、覚えろよ協力すんだから」
「あぁ」
そして、俺たちは奇妙な世界に足を入れることとなった、最初の出来事だ。柊はいったい何を如月に聞きたいんだろう。
そう考える謎は深まるばかりだが、コイツならいずれ教えてくれるだろうし、大丈夫だろうと俺は思った。




