↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私とストーカーと魔法の学校  作者: WLCノベル
第1章 入学前
13/59

12 姫

 番長。

 それは前世における私の親友だ。

 小さい頃から女ガキ大将だった彼女は、中学に上がって不良どもをのし、番長と呼ばれるようになった。

 当然最初は嫌がっていたが、そのうちすっかり定着してしまって諦めた。というか、『勇者』とかいうあだ名の人間もいたような環境で、『番長』程度は我慢しようというになったらしい。


「しかし、ユウシャから聞いた時はまさかと思ったけど、本当に『姫』と『ストーカー』だったんだね」


 『姫』というのは私のあだ名で、『ストーカー』はストーカーのあだ名だ。

 当時、あだ名は悪意のスパイラルで、みんなとんでもなかった。

 自分のあだ名がとんでもないもので、他の人についた不名誉なあだ名も逃さないスパイラル。

 『番長』『勇者』『姫』『ストーカー』、普通に酷い。

 ちなみに私の『姫』は、小学校の運動会の時、100メートル走でこけた私を、ストーカーが競技無視して駆け付けて、お姫様だっこして救護ブースに運んだことに由来する。


「ってゆうか、ユウシャ……からって……え?」


 なんで番長の口からユウシャの名前が……。

 それにユウシャから聞いたってことは、ユウシャも私達に気づいて……。


「ああ、ユウシャは私の息子だからね」


「んな!!!」


 サラッと言われた言葉に絶句する。


「ああ、あと、ユウシャはアンタらのことに気付いちゃいないよ。ただ、前世の記憶を持っているらしい姉弟に会ったとか、そんな話を聞いただけ」


 番長が説明を続けて、その内容事態は、真実なら好ましい話ではあるんだけれども、それより前に、ユウシャが番長の子供だってのが、まだ飲み込めない。


「なんで……『勇者』と親子になんか……」


「産んじまったもんはしょうがないだろ」


 いや、まあ、そりゃそうなんですが……。


「アタイだって、あんなのが子供とかカンベンしてほしいケドさ、まあ、旦那と二人で頑張った結果、死に急ぎ癖は少しマシになってるし、今回も聞き分ける程度の分別はあったから、それなりにわが子として見れるようにはなってんだ。


 ……って、そんなことはいいんだけどさ、エルス、アンタ沈黙が恐いよ」


 番長はさっきから押し黙っているエルスに話を振った。

 私も、動転してエルスの沈黙に気付かなかったことに冷や汗しながら、エルスの言葉を待つ。


 仕方なくというように、エルスが口を開いた。


「……ユウシャって、誰なのかな?」


 笑顔だった。恐かった。

 うん、そういえばあの時は、名前を名乗るとかなかったよね。


 といってもたぶん察しはついているんだろうけど、私の口から言わせたいのか。


「えと……あの、町でその……」


「ああ、ビッチが宿屋に連れ込んでたアレか」


「いや、連れ込んだとか連れ込まれたとかじゃないからね!」


「で、それが誰だって?」


「…………」


「さっき、発音がおかしかったよね。勇者?」


 耳ざとい!


「そうだよ。アタイの息子のユウシャは勇者だ。アンタらと同じ、前世の記憶を持っている」


 番長が簡単に肯定してのける。

 ここは誤魔化そうよ! 発音ひとつのことなんだし、誤魔化せるよ、ねえ!


「ちなみに、アタイは勇者に会うまで、前世の記憶を持ったヤツに会ったことはない」


 番長が言葉を続ける。


「どうだい? 気持ち悪いだろ」


 うん?


 不思議なことに、エルスは怒気を放ったりはしていなかった。

 そのかわり底暗い、沈むような冷たい空気が場を満たして、私は理由もわからず不安になった。

主人公も呼び名がないと不便だったので急きょつけました。まあ主人公が『姫』とか、わかりやすいかなぁ、って感じで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。