表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

第十四五話「舞台裏」

「このキャラ作り、そろそろやめにしたいんですけど、エンタさん」

「いや、いや、視聴者のためにもやってもらわないと困るよ~、ムゲンちゃん」

撮影終わりのスタジオで演者たちは、べらべら楽しく会話していた。

「スタジオ側はもう少し演者のことを考えてもらいたいですよ!」

「…あと、ギャラも渋いし」

ぼそっと言うムゲンちゃんの目は、しおれた花だけが咲いている花壇のようで、

どこからも感情が沸いていないよう…

「あんまり言わない方がいいと思うよ、お偉いさんに聞かれたら大変だ」

少し距離を置いて、エンタはしゃべる。

「……」

「そうですよ、お偉いさんは地獄耳かもしれません」

「……」

「あなた、誰ですか?」

ムゲンちゃんが言葉を発した次の瞬間…

彼女の顔面は地面に打ち付けられていた。


「イタっ」


「……」

「…等実様、…いつもお世話になっております」

ただ深く頭を下げる二人、ムゲンちゃんの頭を力強く抑える、エンタさん。

まるで、静かな絶対王政のような形がそこにはあった。

「……」

「そんな勢いよく頭を下げなくてもいいですよ、せっかくのかわいいお顔が汚れてしまいますから」

等実は流血するムゲンちゃんの額に絆創膏を貼り、こう言った。

「私、あなたのきれいな演技が好きだったのですが…」


「……」

ゲホ、ゲホ…

「……」

真っ白なキャンバスにイチゴをぶつけたときのような作品が、

最優秀賞に選ばれる理由をムゲンちゃんはこのとき初めて知った。


ゲホ、ゲホ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ