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流れ星を手のひらに  作者: ただみかえで
第10章 クリスマス
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第79話 ガールズトーク

第10章突入!!

ドキドキしてきました!(笑)

「クリスマスかぁ……」

「どうしたの、おねぇ? 急に」

 すっかり暗くなった帰り道をなゆと歩きながらつい口に出してしまう。

「いや、飾り付けすごいなぁ、って」

 我が家では何もしていないけれど、ご近所さんでは気合を入れたイルミネーションを飾り付けている家がたくさんある。

 私が心配することじゃないけど、すごくお金かかりそう。

「ああ、そうだね。

 お隣の有天(あるて)さんちは今年もすごそうだよね」

「うんうん、毎年すっごい気合入ってるよね~」

 お母さん情報によると、有天さんちのお父さんがめちゃくちゃ張り切っちゃうんだそうだ。

「おねぇは今年はどうするの?」

「『どう』??」

「中学のときはみんなでパーティしたけど、今年はどうするのかな、って」

「あー、そうだねぇ。

 ゆっこたちも部活でなんだか忙しそうだしなー」

 中学の頃の友達とは、今でも交流はあるものの。

 みんな学校がバラバラになってしまったこともあって、なかなか集まる機会もない。

 でも、逆にこういう時くらいしか会えないなら、ちょっと声かけてみるのもありかな。

「ちょっと連絡してみる」


 家に帰って着替えたら、早速グループチャットアプリを立ちあげる。


『みんなクリスマスの予定ってなんかある?

 いつもみたく集まってパーティとかやらない?』


 よし、これでいいか。

 しばらくしたら、ボチボチ返事がくるだろう。



 ご飯食べて、お風呂入って。

 部屋に戻ってくるtお、スマホがチカチカと光っていた。

 みんなから返事が来たかな?


 えっと、ゆっこは……部活の集まりかー、かな恵も無理で……え?

「なゆ! なゆ!!」

「なに??」

「これこれ! これ見た!?」

 部屋を2つに分ける二段ベッドを乗り越えて、なゆのいる方へ。

 音楽を聞きながら文庫本を読んでいたなゆが、ヘッドホンを外してこっちを見る。

「ああ、グループチャット?

 まだ見てないけど、後で見るよ」

と言って、再び文庫本に目を戻そうとする。

「早く見て!

 ゆかりが大変!」

「大変?」

 私が急かしたからか、怪訝な顔をしつつも手にした文庫本を机においてスマホを手に取ってくれる。

「……なにこれ、未読の数がおかしい」

 なゆの画面を見ると、100件を超えていた。

 私が見た時でまだ20件くらいだったのに、いつの間に……。

 気持ちはわかるけど。

「大丈夫! 最初の方でわかるから!」

「むぅ……めんどくさいから、おねぇが教えてよ」

「いいからいいから!」

 しぶしぶ、といった感じではあるけど、言われたとおりに読み進めていく。

 すっ、すっ、とテンポよく動いていた指がパタと止まる。

「……なるほど、これは大変だ」

「でしょ!!

 『彼氏とデート』だって!!!」

「なるほど……それでこんなに未読がすごいのか」

「うんうん!!」

 ゆっこもかな恵も食いつきがものすごくて、ゆかりは洗いざらい全部喋らされていた。

 『どこの誰?』から始まり、『出会いは何?』『どっちから告白した?』『どんな子?』などなどなどなど。

 最初は、ひみつ、とか言ってたけれど、みんなの勢いに負けたのか少しずつ話しだして。

 気がつくと、ノリノリで惚気けていた。


 しばらくすると、『実は……』と、かな恵が『最近好きな人ができた』って話し始め、そのまま恋愛相談が始まった。

 と言っても、ゆかり以外は恋愛経験なんてないので(ゆかりにしても、付き合いたてほやほやだし)、まともな相談にはならず、やいのやいの言うだけのものだったけど。


 私といえば、飛び火してくるのが怖くて、できるだけそっと参加していたんだけど、残念ながら逃げることはできず。

 好きな人がいるって白状させられてしまった……。

 細かいことは全部秘密で逃げたけどね。


『少しくらい教えなさいよー、私だって言ったんだから』

『かな恵は自分から言ったんでしょー?

 やーだ、ひーみーつー』

『傍から見てたらすっごくわかりやすいけどね』

『なゆは知ってるの!?

 ほらほら、かな恵ちゃんに教えてごらん?』

『えっとね……』

『ちょっとちょっと!

 なゆ! すとっぷすとっぷ!!』

『こんなに慌てるすばるも珍しいね。

 あれ、でもなゆが知ってるってことは……もしかして、同じ学校の人?』

『おお、ゆかり鋭い』

『あああああ! なーゆー!!!

 それ言っちゃだめなやつーー!!!!』

『あ……ごめん、おねぇ……今のは素でボケてた……』

『そっかそっか、同じ学校の……あれ? すばる達って確か女子校……?』

『……うん』

『え! うそ! すばるも!?』

『……“も”?

 え、もしかして、ゆっこも??』

『……あ、しまった……』

『ちょっとちょっとー、なんだよ二人ともー。

 てか、ゆっこ、あんたずっと黙ってると思ってたら』

『……だって、かな恵やゆかりと違って、ちょっと言いづらくて』

『別に、私達はそんなことでどうこう言わないよ』

『うう、ありがとうなゆー。

 好きー』

『え!? もしかしてゆっこの想い人ってなゆ!?

 私、ゆっこのお姉ちゃんになるの!?』

『なんないから(笑) 違うから(笑)』

『そ、そっか……』


 まぁ、概ねこんな感じで。

 わいわいと夜中まで女子トークを楽しんでしまった。

 というか、あんまりにも楽しすぎて、いつの間にか時計の針が3時を指していてやばかった。

 とりあえず、初詣にはみんなで行こうと話をして(ゆかりは彼氏を連れてくるらしいので、楽しみだ……ふふふ)今日の所はお開きになった。


 それにしても、一番奥手と思われていたゆかりが一番最初に彼氏を作るとは。

 しかも、ゆかりの方から告白したとか……。

 世の中わからないものだなぁ。

 中学の時なんか隠れファンが結構いたみたいだし、モテるのは知ってたけど、ゆかりから、というのは想像もしなかった。

 最終的にはでろでろに惚気けてたのはなんか可愛かったな。

 それにゆっこやかな恵も……。

 うーん、告白、かぁ……。

 そいえば、なゆはなんにも言わなかったけど(生き生きと私をいじってたのはおいといて)、そういう相手いないんだろうか……。


 ……なんてことを考えながら寝たせいでか、大きなクリスマスツリーの前で告白をする夢を見てしまった(もちろんお弁当を作る時間には起きられなかった)。

 最近、こんな夢ばっかりだなぁ。


いつも応援ありがとうございます★

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