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何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
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何で俺だけ「教育の賜物?」

 こうして三日後には一旦は城の前にプレイヤーたちが集まる問題は収束した。

 俺は今回の事で活躍した部隊に対して褒賞を出したいとミャウちゃんに伝えたのだが。


「魔王様のお褒めの言葉があるだけで、部隊の者たちは満足でしょう。今回の様な雑魚狩りに関して褒賞は過分かと。」


「いや、ミャウちゃん、そこはちゃんと俺にお仕事させてくれない?頼み事をして動いて貰っておいて、労いの言葉だけ掛けて終わりって、ちょっとソレは俺の気が済まないんだけど。」


 と言う事でその後に俺はミャウちゃんに今回の「プレイヤー追っ払い作戦」を実行して貰った者たち全員をこの玉座の間に連れて来てもらった。

 しかしその光景は異様であった。何が異様かって?それは。


「何で全員が顔を隠してるの?覆面とか、仮面とか・・・あ、それぞれ役割が違う的な別れ方してるのね。それでもこの二つの部隊で今回は作戦大成功!って・・・人数が思っていたよりも少ない。」


 プレイヤーはこの城の外壁周囲にかなりの数に渡って広がっていたのだ。それを目の前の十四人のメンバーだけで仕事を熟したとあればソレはかなりの仕事量だったと思われる。


「えーっと、君たちには感謝の言葉を先ずは述べさせて欲しい。有難う。おかげで城の前がプレイヤーたちの溜まり場とならずに済んだ。で、えーっと、それでその作戦成功に対して褒賞を上げたくて呼んだんだけど、正直、何か欲しい物ってある?ソレを上げたいんだけど?」


 コレに彼らの代表と思わしき一人が一歩前に出て深く一礼しつつ述べる。


「我々は魔王様に尽くしてこその存在であります。なれば、このように魔王様から直々にお言葉を頂けただけで身に余る光栄で御座います。褒賞などとても。」


「いや、そこはすまないけど受け入れて。いや、ホント、ミャウちゃん彼らの教育どうやってんの?」


 忠誠心が高過ぎ君である。俺は正直に言って、ここまで高いモノは必要と感じていない。むしろ逆、もうちょっとフランクに接して貰いたいのである。

 だけども、どうにもミャウちゃんの育て方が良いと言って良いのか、悪いのか。もの凄く働き者で欲が無く、そしてこうして「魔王様至上主義」的な思考をする者が増えている。確実に。


 コレはこの暗殺部隊だけでは無い。様々なウチに居る種族に浸透していた。


「えー、では、君たちを俺のポイントを振り分けて強化したいと思います。出来るかな?できるよね?・・・あ、できるな。え?でもコレ・・・個別じゃ無くて「部隊」で?」


 どうやら強化するにしても今までは「個人」でだったのが、どうにもこの「部隊単位」での強化に変わっていた。


「いや、まさかこんな事になるとは・・・まあ、良いんだけど。」


 俺は彼らが今回狩ったプレイヤーから入ったポイントを「部隊の強化」に全部ブッコんだ。


「この様な強大な御力を授かり、我々一同身がより一層引き締まる思いに御座います。この頂いたお力に恥じぬよう、これからもプレイヤー共を始末してご覧に入れまする。この身、この精神、この命の全てを魔王様へと捧げ、誠心誠意お仕えする所存。これからもより一層の精進を重ねてまいりまする。」


 重い、実に重い。彼らの覚悟が非常に俺の肩に重くのしかかる。しかしその横でミャウちゃんが「うんうん」と頷いて彼らのこの発言に満足していた。俺、ドン引きである。

 何処まで彼らを「洗脳」していると言うのかミャウちゃんは。いや、洗脳なんて言い方は言葉が過ぎたかもしれない。


(いや、でもコレどう見ても聞いても彼らは心の底から言葉を出している様にしか見えないんだよね・・・)


 どうやったらここまでになると言うのだろうか?俺は今後の事が心配になる。しかしこの玉座の間から一ミリも出られない俺には為す術が無い。


 こうして今回の事はこれで一通り終わり、一件落着となった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 恐怖政治しか本能的に知らなかった魔族達が突然優しくされたら
[一言] 中の人はドン引きだけど ダイの大冒険でも バーンから力を受け取るのは名誉とされていたら 正しい対応なんだろうなぁ
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