何で俺だけ「そうと決まれば早い、早過ぎる」
突然だが、俺は今「やっておいて良かった」と思う事があった。それは銀狐族の保護、庇護者になった事である。
このゲーム、ロ●コンだけで無く、ショタ●ンなる者まで居る。そう、銀狐族のその姿は性別「男」の方もちっちゃい子供な見た目なのである。この事実が非常に危険だった。
どうにもプレイヤーの中にそう言った趣味嗜好で集まり始めているグループが出来上がりつつあるのである。それをここ最近になって俺は知った。
コレは掲示板で偶然に知った事だったが、俺はコレに戦慄した。銀狐族を回収できていて良かった、と。
(どうしてそんな輩が集まるのかね?あ、そうか、同じ穴のムジナが集まるのか。しかも肩身が狭いから余計に性癖が同じ人たちが寄り集まって・・・)
そうやって世間様にご迷惑を掛ける集団やらコミュニティが出来上がると。いや、全てが全てそう言った集団になる訳では無い。余り俺もそうやって決めつけるのは宜しくは無い。
しかし中には周囲への配慮も無く傲岸不遜に振舞う人たちも中には居る。だから警戒は怠ってはならない。
とまあ、こういった集まりができるのは自然な事だったのかもしれない、このゲームの中でも。
「それにしたってねー?このゲームのアバターは課金でイケメンにできるし、そう言った見た目ちっちゃいプレイヤーとかはいないだろうに?何でなんだろか?」
このゲーム、プレイするにしても中学生は駄目、年齢制限があるのだ。そうなると必然的にアバターになるキャラの背の高さや見た目などは「おこちゃま」にはならないのである。
でも、ギリギリで見た目が子供に見えるプレイヤーが現れたら?課金をしてもギリチョン背の低くて子供の様な見た目になる、可愛い男の子が奇跡的に存在していたら?
「ソレが切っ掛け?呼び水みたいになってじゃんじゃんと集まり始めたとか?・・・銀狐族は余計にプレイヤーたちの前には出せない存在になるなぁ。」
このゲームは女性プレイヤーも居る。子供好き、ちっちゃくて可愛い男の子好きな人も、いるには居るんだろう、このゲームのプレイ人口を鑑みれば。
(心労が一つ増えたなあ。でも、それはまだ良いんだよ・・・城の外がまた問題だよなあ)
先日のプレイヤーの魔王城観光での問題を深刻にとらえたのはドワーフたちだった。彼らの訴え曰く。
『城がここまで無防備ではいけない。簡易的な出城は一つあるようだが、それだけでは駄目でしょう。何ならここの周囲の森を囲うように壁を立てるが宜しいでしょう。』
要するに、プレイヤーが安易に城の前にまで来れてしまうのは普通じゃないと言っている訳だ。
いや、ここに辿り着くまでに魔物とは遭遇するし、森では下手すれば道に迷うだろうし、別段簡単にここまで来れると言う訳でも無い現状ではあるのだが。
それでもこの城の周囲の森、それを囲うようにその外側に万里の長城の如くに壁の設置をするのが望ましいと意見を貰ったのだ。そして追加で。
『敵への迎撃設備の充実もさせなければなりません。プレイヤーたちに攻められるとしても、白兵戦の前に迎撃兵器での攻撃を先ず仕掛けて相手の戦力、士気を奪いにかかるのが常道です。さて、我々はそれに技術提供する用意があります。如何でしょう?』
コレは要するに、より一層のドワーフ国への鉱石の輸出を求められていると言う事だ。ならばコレには乗るしかないだろう。断る事はできない寧ろ。
それ以外に俺が採れる方法が無いのでこれらの問題をゲブガルに相談した。ゲブガルは俺のこうした悩みに対してある程度「常識」を持った意見を言ってくれるので相談役みたいな立場に今はなって貰っている感じである。
そうしたらしたでゲブガルもドワーフの意見に賛成であったようで。
『私の魔力障壁は守る範囲が広ければ広い程に強度が低くなります。使用魔力も相当に消費いたしますれば。その点も含めそれこそ、この城を守るための壁はいくつあっても宜しいかと。』
それもそうだった。俺はこうしてゲブガルにこう言われるまで、如何にポイントを効率良く集める方法が無いか考えるだけで、守る事への思考を疎かにしていた。
部下、魔王軍を強化して「攻撃こそ最大の防御」とか考えていた。しかし守ると言う点ではちゃんとそう言った設備や施設などは当たり前に必要な物であるのだ。
部下には死んで欲しくないとか言っておいて、採るべき手段の基本を疎かにしていた。彼らを守る施設、設備を作るように指示の一つでも出しておいても良かったはずなのに。
城の内部で働く者たちは戦闘に向かない者たちも存在する。ならばそれらを守る為の壁はいくつあっても良いモノである。
で、それはそれでいいとしてだ。気付けばすぐさま建設事業は始まっていたりする。あれよあれよと魔法で完成。本当にファンタジーは便利である。
そう、もう終わっているのだ工事は。しかも今は既にドワーフたちが作り上げた迎撃装置を設置中なのである。
コレはまだ作り上げた城壁の全てに配置できる数を揃えられていないと言う事で順次設置予定である。
と言うか、これほどにこの城の周囲の森が広大なのにもかかわらず、魔法で一日かかるくらいでその全域を壁で覆ったと言うのである。
信じられない。どうしたらそんな事が可能なのかと思ってキリアスに聞いてみたら。
「この魔王城に住む者たちのうち、導入できる数の全てを充てたそうです。その数は・・・」
「いや、数は良いよ!頭痛くなっちゃうこれ以上は!・・・あーもういきなり過剰に動き過ぎなんだよ、皆はー。思い立ったが吉日?鉄は熱い内に打て?もうちょっとスローライフしても良いのよ?あ、でもコレはこの城に住んでる者たちの安全保障の問題でもあるから全員一致団結するのは当たり前か・・・はぁ。」
こうしてこの事業は即座に完成をし、魔王城に寄りつくプレイヤーがより一層いなくなる事に繋がった。




