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陰の支配者2-天使+死神=?-  作者: ミコト
伝説の再来

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30/36

-閑話-伝説の子は旅になかなか行けない その7 ※挿絵

--カグヤ--

初めての旅の1日目は母さんへ何気なく聞いたことで、一生分の不幸を背負ってしまった気がするカグヤです。

そしてシスターズ創設をしたのが母さんでまさかのシスターズ序列1位の隊長が母さんでした。

それをわずか幼稚園に入園したばかりの頃から今現在まで続いてるのに加えて未だに父さんにばれてないという恐怖。





「ホントに助かりました!是非!是非に我が国でそのお礼をさせてください!と言うか、お礼するのでこのままお連れしますね!」

「いや、お礼なんてしなくて良いんですけど・・・あぁ・・これ、ダメなパターンだ。」

「シリル・・諦めて連れ去られようよ。どうせ何言ってもこの子たち憑いてくるから。」

なんか、着いてくるのニュアンスがおかしくなかった?

「あぁ・・」

何が起きてるのかって?


一応きちんと旅立って港に進んではいたんだよ?

けど、道中でどう見ても山賊ですって感じの悪い人たちが4桁くらいと言うえげつない数で1つの高そうな馬車を取り囲んでたんだよ。

で、護衛らしき人たちはボロッボロで既に山賊さんたちに取り押さえられて殺される寸前だし、高そうなドレスを着た女の人(10代後半くらいの見た目の青い癖っ毛)が服を脱がされそうになってるし、執事さんも同様に捕まって既に全身血まみれでいつ死んでもおかしくありません状態だったんだよ。

そこで、母さんがそのお姫様(仮)を救出してその他の人たちを父さんが全員殺したんだよ。

まぁ、どのみち処刑になるらしいし、後処理がめんどくさいという理由らしいから母さんも遠慮無用で全員敵を斬り殺してたけど。


僕はと言うと、必死で初めて目の前で人が死ぬ光景に吐きそうになりながらも動物とか魔物とかを既に斬り殺したり解体したりして多少は耐性が付いてたからぎりぎり我慢出来てる状態でした。

(今思い浮かべると父さんたちと一緒に見ていた映画とかでそこそこスプラッタな光景がチラホラあった気がするけどそれのおかげで耐性が多少はあったと思う)

で、お手製の傷薬と購入しておいた高そうな治療薬を使って全員の処置をしてました。

毒を使われてる人がいたからその人は自作の解毒薬と【浄化】の魔法の同時使用で無事にどうにか出来ました。

元々父さんと母さんからある程度の緊急時の治療方法とか応急処置の方法は習ってたから止血の方法から骨折時の対処法に傷口を洗い流したりと言ったこととプラスして自作した薬とまだ自作出来ないくらい効力の高い薬を使ってどうにかしました。


後は、同じく自作した栄養剤兼造血作用のあるあめ玉をみんなに食べてもらってます。

味は、何というかフルーティな緑茶?って感じがしてちょっと不思議なことになってるけど、効力はあの町で調合について教えてくれたおじいちゃんは上中下の中で中ランクくらいは普通にあるから十分大丈夫って褒めてもらったので大丈夫。

他の解毒薬と傷薬とかはぎりぎり中級いかないくらいと言う判定をもらってます。


で、全員の治療をしたモノのさすがに全員動ける体力がなかったのでその場で1泊して、父さんと母さん、ハルトが野営の見張りをしてた。

その翌日に復活したと思いきや、全員がものすごい勢いでお礼を言いながら半ば強引に良い笑顔でお礼をするからと言う理由で自分たちの国に連れ去ってる状態が今です。



・・で、その助けた女の人なんだけど

「改めまして。スラリン王国の王女、キャリルと申しますわ。」

と、マジモノの王族でした。

なんか、青くて雫型のプルプルしたのを彷彿とさせる名前の国だね。



ちなみに、その現場には偶然同じ通り道を馬車で同じ方向に進んでた商人さんがいたんだけど、そっちに関しては今僕たちを拉致してる人たち御一行とちょうど分かれ道で別れるところだったんだ。

で、タダで帰るのは・・ってことで、父さん宛にこんなのを渡して去って行きました。



マジカルギターベース

エレキギターのエレキ部分を魔力でチューニングからワイヤー修復まで出来るように調整された全体的に青さを残した木の色をした弦楽器。

チューニング時に魔力の込め方でギターにもベースにもなるため、ギターとベースどっちなのかと聞かれると作成者も首を生涯傾げ続けたとのこと。

かなり優れた吟遊詩人でなければ使いこなすことが出来ない。




一応父さんが吟遊詩人であることを知った上でのタダでプレゼントしてきたこの一品。

見た目は書いてあるように生木独特の青さを残してるギターだから色合いが個人的には大変好みです。

で、父さんが色々と魔力の込め方を調整しながらしばらく弄ってたら一応ギターとベースを自由に切り替えることは出来るようになったみたいです。

ついでに言うと、母さんも魔力でチューニングまで出来ちゃうヴァイオリンを持ってるからまさしく吟遊詩人夫婦って感じ。

あ、父さんは歌と踊り専門だけど楽器はギターとベース両方弾けるよ。


と言うか、これ作ったのが誰かしらないけど何がどうやったらギターとベースどっちなのかわからない不思議な謎のブツが出来るの?




で、話を戻すんだけど今は、その豪華な馬車の中に僕たち3人(ハルトは既に小さくなって母さんのポケットの中)とお姫様とメイドさんが向かい合う感じで座ってます。(と言うか座らされてる)

何であんなところでそんなことにと父さんは当然聞きました。

そしたら、

「あの暗黒王国が滅んだと聞きまして、どんな感じに滅んだのか面しr・・王族の1人として確認しないとならない!と思いまして見に行った帰りですわ。」

今、面白そうって言おうとしたよね?

と言うか、暗黒王国って・・どんだけヤバい国と認識されてるのさそこ・・。

んで、私はお淑やかですって感じでニコッと微笑みながら猫をかぶってるけど、既にかぶるのは手遅れだと思う。

だって、初見で僕たちを引きずるようにして馬車の中に連れ込んだ後、

「今!乗せたからすぐ動いて!」

って、誘拐犯が運転手に早く動かしてずらかるぞ的なこととほとんど同じことを言ってたんだもん。

しかも、大変良い笑顔で。

ちなみに、メイドさん(淡い緑色の髪の30代後半くらいのお姉さん)に関しては目で僕たちに諦めてくださいと言ってたので、いつものことらしい。


ってさ・・なにげにスルーしたけどその滅んだ国って父さんが滅ぼした国だよね?

と、チラッと母さんを見ると小さく頷かれたので、思った通りらしい。


まぁ、旅は確かに急いでないし、一応進行方向にある国らしいからタダで馬車に乗れたってことで結果オーライということにしようと言うことになりました。

ちなみに、自己紹介はすごく軽くしてるよ。

二つ名だのなんだのは言わずに名前と父ですだの娘ですだのしか言ってないけど。


その後は、お姫様の質問攻めがめんどくさかったらしく父さんと母さんでベースとヴァイオリンを弾き続けてそれに見惚れている形で黙らせてました。(曲はしっとり系)


ちなみに、その間僕はと言うと満面の笑みのお姫様のひざの上にいました(強制)

それとさ・・構わないけどメイドさんがずっと微笑ましげな表情で僕の髪を櫛でときながら髪型を好きなように弄ってたのは何で?

最終的にツインテールになったんだけど・・・戻して良い?

と言ったら、今度はポニーテールにされたのでとりあえず諦めました。






で、その国について門番さんに挨拶して馬車ごとと通ろうとしたんだけど・・・

「姫様?今度はどこのどなたを拉致してきたんですか?」

拉致って・・・この人常習犯ですか・・。

「通りすがりのイケメン美女ファミリーよ!すごいでしょ!この親子揃って美顔!」

良い笑顔で言うのがそれですか・・せめて助けてもらった恩人って言った方が良いんじゃないの?

「いや、言いたいことはわかりますけど顔が良いってだけで拉致したらそのご家族にご迷惑でしょ。」

「良いのよ。だって、私は王族だもの!」

堂々と胸を張ってはっきりと言いましたこの人。

それも、お手本のようなどや顔で。

「権力をアホなことに使うんじゃねぇよ!!このおてんば姫!」

そして慣れたような感じで炸裂するツッコミ。

僕たち「・・・・」

「って言うか、あのご家族の顔・・どう見てもまともな説明も受けずに拉致された挙げ句諦めた顔じゃねぇか!特に娘さんを何でひざに乗せてるの!?そのくらいの年の子でそんな遠い目をした顔初めて見るんだけど!?お嬢ちゃん!?お姫様だろうが王族だろうが問答無用で殴り飛ばして良いからね?誰も文句言わないから。」

門番のお兄さん言いたい放題。

「え、えぇっと・・僕は大丈夫ですから。」

既に諦めてるからという本音を飲み込んで。

「はぁ・・・気を遣ってくれてありがとうな。報酬とお詫びとお礼は陛下からされると思うが別で後で餞別を贈るから・・・」

大変疲れ切った顔をしてる・・

とりあえず、

「あの・・僕が試作品で作ったあめ玉です・・良ければ皆さんで食べてください。」

「良いの?」

なんかあなたは神様か!って顔で見られてるんだけど・・門番さんたち全員から。


どんだけ疲れてるの?

「まだまだ勉強中なので感想が欲しいんです。」

本音を言うと、疲れすぎてスルーしたくなくなるほど可哀そうに見えて放っておけなかったんだけど頑張って飲み込む。

「そういうことなら任せてくれ。かなり量があるから何人かの知り合いにも分けてみるよ。お詫びの品を贈るときに感想をみんなに書かせたのを一緒に渡すからそれでいいか?」

「はい。十分ですありがとうございます。」

後に、それを食べた翌日、疲れとかがきれいさっぱり消えてすごく体調が良いと結構な人数からお礼の品らしい様々な種類のお菓子の詰め合わせと共にもらいました。(疲れすぎて栄養不足と貧血気味だったの?)

夜に父さんたちと一緒にもらったお菓子とかを食べたけど異世界のお菓子は地球のとは違ったおいしさがあって面白かったです。


余談だけど、このあめ玉は定期的に売り出すことになり、僕の定期的な収入源になります。

場所によっては、レシピを売って、使用する場合は売り上げの一部を僕に渡すという形で別途定期的な収入源になります。



「ねぇ、私お姫様よ?扱いが雑じゃない?」

「はぁ・・そう思うならもう少しきちんと猫を被ってくださいよ。あなた様は見た目は確かにお淑やかな美少女ですけど、中身が虎だって知らないのはあなた様のことを全く知らない人だけですよ?それをどうすれと。」

猫・・と言うか虎って・・

「えぇー」

大変不満そうなお姫様だけど門番さんたちは気にしない。

「・・大変申し訳ありません。それで、どのような経緯でそんなことになったのでしょうか?」

まともに話が出来そうと判断された父さん相手に門番のお兄さんは聞くことにしたっぽいです。

「あぁ・・ザックリというとエグい数の山賊もどきに襲われてたところを全部殲滅して助けたところで、お礼をしたいという言葉と共に拉致されました。」

うん。

ダイジェストだけどその通りとしか言いようがないというかそれ以外に説明出来ないね。

「えぇ・・救っていただいたことは大変感謝しているのですが、お礼をしたいから付いてきてくれと説明を受けて了承したのではなく、了承を取らせることも聞くことすらもなく問答無用で馬車に引きずり込まれてここまで浚われてきたって意味でよろしいですか?」

頭を抱えながら訪ねるお兄さんから大変疲れ切ったオーラを感じます。

それと、門番さんの言う通りお願いではなく決定事項ですって感じで引きずり込まれて拉致されました。

それが許されたのは、悪い人じゃないってわかったのと、下種な感情が見えなかったからだと思う。

それはつまり、純粋にやらかしてるってことだけど・・・誉め言葉じゃないねこれ。

「その通りですね。」

父さんがかわいそうなモノを見る目で門番さんを見つめてる。

実際その通りだったしね。

しかも、抵抗が出来ないように僕を抱きかかえて先に引きずり込んだから父さんたちもどうしようもなかったし。(そのままひざの上に抱っこされてたんだけどさ)

「はぁ・・・大変申しありません。そんな残念姫ですが確かにこれは正真正銘本物の王族の姫で合ってます。一応優秀です・・そうは見えないけど。ただ、突然変異な小娘で、他の王族の皆様は大変まじめで静かな方々なのですがこのお方だけはこんな問題児なんです。」

普通に残念姫とか問題児とかこれとか小娘とか言いたい放題ですねこのお兄さん。

「あぁ・・・大丈夫ですよ。急いでませんし、娘の良い経験にもなるでしょう。」

まぁ、確かにいろんな意味で経験になるだろうね。

イレギュラー枠で。

「広い心に感謝いたします。あ、あまり長話は逆にご迷惑ですね。大丈夫ですどうぞお通りください。」

「頑張ってください。」

と良いながら、父さんはどさっと門番さんの数分父さんのサイン色紙を置いて言った。(チラッと見ただけで人数を瞬時に数えてたらしい)


後に、父さんのそのサインが伝説の吟遊詩人のモノであると知った直後、全員が額縁を購入しに向かったのだとか。

男女問わず父さんは世界問わず大人気らしい。


そう言えば父さんって、世界で一番ファンが多い人とか世界でただ一人真の虹色の声の持ち主とか言われてた気がする。

シスターズは確か全世界にはびこってて人数も軽く7桁とか8桁とかわかってる時点でそれでファンと思い切り公開せずに隠れファンになってる人も含むと桁がもう2つ3つは軽く変わるとか言われてる有様だし。



それから、町の中の見学は今度だねと良いながらまっすぐお城の中の王様の元に浚われました。

ちなみに、僕はと言うとなぜか歩かせてもらえずにメイドさんに抱っこされてます。

・・・ホントに何で?

下ろして欲しいと言っても笑顔でスルーされました。

ホントに何で?



「我が娘よ良く帰ってきた・・と言いたいところだが1つ訪ねても良いか?」

「どうぞ?」

「なぜにそのご息女を抱っこしているのかね?」

「可愛いからです。」

謁見の間に入った瞬間にメイドさんからお姫様に抱っこを強制的に変更されました。

「なぜにその娘の御両親らしき二名を連れてきているのかね?」

「美男美女だからですわ。」

「そうか・・・・」

大変疲れ切った顔をしているお姫様に似ている渋かっこいいおじさまな王様です。

後、同じように疲れ切った顔をしているのはお姫様をそのまま妙齢の美女にジョブチェンジさせたらこんな感じの王妃様でした。

同じように疲れた顔をして頭を抱えているのは王様をそのまま若くした感じのお兄さんな王子様です。


ホントにあの門番のお兄さんが言うように、このお姫様以外は全員物静かで苦労人枠らしい。

「えぇっと、失礼だが自己紹介と事情説明をしてもらっても構わないだろうか?」

お姫様に説明を聞くのを諦めたようです。

「まずは、どのあたりから説明しましょうか?」

「あぁ・・まず失礼だがわが娘キャリルとはどれほど自己紹介を?」

「ホントに軽く名前くらいしか言ってませんよ。」

「そうか。では、すまないがどこのだれか誰が聞いてもわかるような自己紹介を頼めるだろうか?キャリルが連れていている故に悪人ではないことはわかるのだがどうしても気にする者たちが多いのだ。」

確かに、王様って偉いからいろんな危険性があるからそういう部分はとことん省かないと生きていけないだろうしね。

「構いませんよ。」

そして、父さんと母さんの纏う雰囲気がガラッと変わった。

何というか穏やかな雰囲気からまるで覇気を纏っているような感じに。


それに目を見開いて固まる王様チーム

「お初にお目にかかり光栄でございます。わたくしクラリティ王国エトワール公爵家のフリージア様の弟子が1人、シリルと申します。Sランク冒険者であり、音の支配者、そして黒夜叉と呼ばれております。」

「同じく、。わたくしクラリティ王国エトワール公爵家のフリージア様の弟子が1人、シリルの妻、セリカでございます。同じくSランク冒険者であり、砕破、そして故郷では幻想の音姫と呼ばれております。」

うわぁ・・ガチのご挨拶だぁ・・そこで僕がどう挨拶すれと?


すっごい視線が集まって緊張するけど、コホン。

「・・・お初にお目にかかり光栄でございます。シリルとセリカの娘、カグヤでございます。冒険者となり日が浅く現在はEランクにございます。」

ゆったりと礼をしてご挨拶。

シンプルだけどこんな感じでよかったかな?

父さんたちにみたいに知名度云々は皆無だから他に言うことないし。

ちらっと父さんを見ると小さく微笑んでくれたので悪くはなかったらしい。


で、全員目を見開いてフリーズ中。

特に視線は父さんに集まってる。

ちなみに、キャリルお姉さんは特にびっくりした表情で固まってる。

と言うか、母さんが幻想の音姫って呼ばれてるのは知ってたけど、砕破って二つ名だったんだ。

・・たぶん、あの大剣を男らしく振り回してるところから何だろうなぁ。

女性としてだと褒め言葉なのか微妙だけど反応的に母さんは喜んでるっぽい。


あぁ、そう言えばきちんとした挨拶をしてなかったから父さんたちがとんでもない人物だって気づいてなかったんだね。

一応ギターとか弾いたりして何気なく音楽系の人間ですよアピールはしてたんだけど。


「ま、まさか、伝説の吟遊詩人本人とは・・・ここしばらくは噂を聞かなかったが?」

後に、王様たちを含めてお城に努めてる人たち全員から父さんはサインを求められて緊急サイン会を開催しました。

「10数年前から師匠に手伝ってもらい、故郷に帰っておりました。ですが、数日前にとある国に禁忌魔法である異世界召喚魔法によって強制的に我ら家族は呼び出されました。」

「!?では、お主たちは異世界人!?」

あれ?

父さんそれ言ってよかったの?

「異世界人であると当時は聞いた記憶がなかったのだけれど、隠していたのではなくて?」

王妃様が落ち着いたらしく質問する。

「えぇ。当時は、今ほど実力がなく、師匠にもご迷惑を掛けたくなかったので隠しておりましたが今は多少の障害は消し飛ばすことが出来るので隠すことをやめました。」

「そうなのね。それと、言葉遣いは崩してもらっても構わないわよ。」

「ありがとうございます。それで、異世界召喚魔法・・師匠曰く拉致魔法ですが、これは世界を管理している神様が使ってはならないと指定した禁忌の魔法。故に、師匠に変わり、その場で関係者を全員始末しました。その結果、色々と裏でやらかしていたようで芋づる式にその部分もまとめて始末したところ、国が滅びました。それが、キャリル様が面白そうと言う理由で首を突っ込んだヴォールという国です。」

拉致魔法・・なんてわかりやすい・・。

「あの暗黒大陸をお主たちが片付けてくれたのか!」

「まぁ、結果的にはその報酬としてAランクからSランクに上がったんです。後は、報酬はもらいすぎても持て余すので多少の金貨をもらった後は受け取りを拒否して放置してきましたが。」

「なるほど。それで、まともな情報もなく国が突然滅んだという情報のみだったのだな。」

「それで、その後その国を出てどこかに向かおうとしている道中にキャリルと遭遇したということなのだろうか?」

お兄さん(王子様)が訪ねる。

「えぇ。前回は、師匠が開発した儀式魔法である師匠命名”返品魔法”によって故郷に帰ることが出来たのですが今回に関してはその方法で帰ることが出来ないのですよ。なので、とりあえず師匠の下に行くことにしたんです。」

返品魔法・・何だろう・・人扱いされてないようななんとも反応に困る名前。

そんなすごい魔法を開発したんだから相当頭が良くてすごい人なのはわかるけど。

「なるほど。確かに幼い娘がいるのであればクラリティ王国は安全であり、学びの場としてもすぐれておる。」

治安が良い国だとは聞いてたし、学校もある国なのはなんとなく聞いてたけど学校もすごかったんだ・・。

後に、父さんからこの世界で一番最初に学校が作られた場所であり、ありとあらゆる知識が集まる場所でもあるから学びの場としては大変優れた場所なのだと教えてもらいます。

「それと、故郷に帰れないとはどういう?」

「クテン様が開発した魔法に不備でも?」

普通はそう考えるよね。

「それが、今回の異世界召喚魔法で呼び出された場合の代償が、俺たちの故郷で俺たちの知名度だったのです。なので、呼び出された結果、俺たちは故郷ではすでに存在しなかったことになっているんです。」

存在しなかったことになったから、地球側が呼び戻そうとしても存在しないから返すと言う意味のその儀式魔法も意味がないと言うことらしい。

「なんてひどい・・」

「それは・・・こちらの世界の人間を代表して謝ろう。申し訳なかった。」

王様たちや騎士さんたちまで全員が頭を下げる光景を見てるとすごく良い国なんだなぁと思う。

「いえ。大丈夫ですよ。仕返しは自力でしたので。それに、偶然神様と会話を交わし、その件のお詫びも頂きましたので。」

「ほう!神様に会えたのですか!」

「えぇまぁ。詳細は話せませんが。」

だろうね。

基本的にぺらぺらしゃべって良いものでもないし。

「それはそうでしょうな。ですが1つだけ教えていただけないだろうか。」

「なんでしょう?」

「神様とはどのようなお方なのだろうか?」

「とても穏やかで優しく、包容力のある頼りがいのある人ですよ。」

確かに桜華さんってそんな感じだった。

すごくほっとする感じと言うかなんというか。

「なるほど。・・せめて名前だけでも教えてはくれぬだろうか・・教会で祈りをささげたい。」

「フルネームは出来ませんが名前だけなら・・桜華という名前ですよ。」

「オウカ様・・そうか、ありがとう。」

フルネームでなければ大丈夫だと桜華さんに聞いてたしね。

「それで、キャリルに拉致された経緯とは?」

「その道中で4桁レベルの数の山賊もどきに取り囲まれていろんな意味で絶体絶命状態なキャリルさんたちを俺たちがそいつらを全員殲滅して、カグヤに応急処理と治療をしてもらい、落ち着いたところでお礼をしたいという言葉を発しながら俺たちの返答を待たずに馬車に引きずり込まれてここまで拉致されました。」

全員「はぁぁぁぁ」

大変深いため息ですねぇ。

気持ちはすごくわかるけど。


「それはホントに世話になった。せめてもの礼をしたいのだが準備に時間がかかる。それに、無理矢理この国に来られたのだ。宿代わりに好きな部屋を使ってくれ。風呂に食事もすべてこちらで用意しよう。町へ観光に行く際も一言声をかけてもらえれば自由にしてもらって構わない。騎士たちには自由に出入り出来るように周知しておく。」

「ありがとうございます。」

「ちなみに、何か希望はないか?」

「では1つだけ。我が娘のカグヤに色々と教えてあげてくれませんか?実戦から魔法に調合の知識。とにかくいろんなことを経験させ、学ばせてやりたいのです。」

「おう!そういうことであれば手が空いている者たちに声をかけてもらえれば好きなだけ教えよう。実戦であれば物理、魔法どちらも騎士に声をかけてもらえれば訓練に混ぜてもらえるよう声をかけておこう。」

「料理や掃除などのしょうもないことでもよろしいですか?」

「構わないぞ。適当に声をかけてもらえればその者か、それ関係で詳しいモノが教えてくれるだろう。本を読みたければ案内させる故に好きなだけ好きなモノを読んでもらって良いぞ。」

お-。

椀飯振る舞いだ。


「ありがとうございます。では、しばらく滞在させていただきます。」

「構わないが急いではいないのか?」

「えぇ。急ぐモノでもないですから。」

「そうか。我が国はシリル殿御一行を歓迎しよう!」


そうして、しばらくこの国、スラリン王国で過ごすことになりました。

カグヤ

服装ですが、黒い陰陽師か、それっぽいモノが手持ちでなかったので手持ち内で一番近そうな気がする感じに仕立ててみました。

なので、服装はそんな感じくらいのイメージで見てもらえればと思います。

靴とかニーハイとかそれ以外はほぼほぼ理想的なんですけどねぇ・・。

挿絵(By みてみん)

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