セニアの2つの人格(無自覚) ※+αおまけ?
コロナの予防接種を受けると
自分がファンタジー世界に転生する
という夢を見るという都市伝説が、あるそうなのですが、皆さんは自分の属性はなんでしたか?
私はまだ受けれてないですが、鑑定持ちでした。
--セニア--
入学し、先輩たちと自己紹介をして先輩たちのすごさやどんな人たちか知り、後輩として頼もしい気持ちになりうれしくなったセニアちゃんです。
まぁ、ティーちゃんが男の娘だと信じてもらえずに下半身のアレを鷲掴みされたりリンちゃんが女の子だって半信半疑でおっぱいを散々揉まれたりしたけど。
え?
私?
私は、のんびり熊さんなウルス先輩のお腹をポヨポヨしてました。
なかなか素晴らしい感じでした。
アルナさんの巨乳(むしろ爆乳?)に埋もれるのとはまた違った良さがありました。
ティーちゃんも途中から混ざって堪能して、リンちゃんが頭を抱えてたけど、散々ポヨられたウルス先輩はほんわかと笑ってるだけで気にしてなかったけど。
で、
「・・すまない。本当に申し訳ない!」
「あぁ・・部屋はたくさん余ってるので問題ないですよ。」
「本当に申し訳ない・・せめてもの詫びに家事の手伝いだけでも」
「料理はティーちゃんの趣味なので」
私と一緒に作る時間はちょっとした1日の楽しみの一つだったりするのは内緒です。
「そうか・・洗濯は・・女性が多い故にやめた方が良いな。掃除と食事代を出そう!」
女の子が多いからブラとかパンツとか男の人が見たら色々とよろしくないのが多いもんね?
「お金は予想外なお小遣いで有り余ってるので」
「予想外・・とは?」
「父様が、SSSランクの魔石とか魔核とかをぽいとくれたんです。」
ものすごく気楽に。
まるで、今日の弁当はいどうぞくらいのついでって感じで。
「・・それは確かに有り余るな・・。」
え?
何が起きてるのかって?
学園は午前中で終わりってところで、双子先輩が私たちが泊まっているお家に泊まりに来たい(または遊びに来たい)と言ってサクッとOKをティーちゃんが出したんです。(リンちゃんは頭を抱えてた)
で、保護者枠としてロード先輩と同じく巻き込まれたウルス先輩と結局全員来ました。
ネルさんは俺はいいやーとか言って来てないけど。
で、ロード先輩は突如決まったお泊まり回と、いきなりの無茶ぶり(普通は事前にアポ取りする)に先ほどの平謝りです。(むしろ土下座しそうな勢い)
「おいらもまとめて招待してもらったみたいで申し訳ないなぁ。宿代代わりにこれをあげるよ。」
「良いんですか?」
「対したものじゃないからなぁ。売っているモノよりも効果が弱いから売れないのさぁ。」
「ウルスの家でな、一定基準を上回らないものは決して売りに出さないように徹底しておるのだ。その代わりに身寄りのないものたちが集う孤児院のようなところに無償で寄付したりしている。今回のはその内の一部だ。」
「なるほど。そういうことならありがたく。」
3つの両手いっぱいいっぱいで抱える大きさのぬいぐるみをもらいました。
にゃんことうさぎさんときつねさんという定番です。
母様に献上されたクッションの大群に見事に埋もれました。
全く違和感がないです。
込められている魔法の威力は聞くと、一般的に売られてるのの半分らしい。
なので、半々の確立で失明したり鼓膜が破れたりする威力の半分だから、一時的に耳がキーンってなるか、まぶしいところからいきなり暗いところに着た時みたいな目がちょっとだけおかしくなるあの感じになるらしい。(それでも十分だと思うけど)
その代わりに、おまけ機能として時間が経てば経つほど酷くなる頭痛をプレゼントする効果がついてるようです。
「それにしても・・・クッションが多いな。」
ウルスのぬいぐるみがどこにあっても違和感がないくらいの数だとロード先輩がつぶやく。
「母様の崇拝者さんたちの献上品です。」
ちなみに、アルナさん曰く今も尚クッションは増えているらしい。
それが、このお家だったり都だったりお城だったり教会だったりと母様ゆかりの場所なら問わずなだけで。
「あぁ・・フリージア様の。納得した。」
献上品・・と私の言い方にツッコミを入れたいけど出来ないとなぜか葛藤してるリンちゃんがいるけど気にしない。
世界各地に密かに・・だが、必ずいるらしい母様の崇拝者たちである陰の親衛隊です(そして今も数が増えてる)
「あちこちに飾ってある絵は?」
「噂に聞くビルドアーティスト?」
「そうですよ。母様をデロッデロに溺愛して抱きしめて撫で回してほおずりしてひざに乗せている状態がデフォルトの専属メイドさんの旦那さんでそんなメイドさんを微笑ましく眺めてるだけの母様専属の絵描き兼執事さんです。」
偶に、ものすごい高笑いをしながら超高速で絵を描いてたりするけど。
今も尚、あちこちで増え続けたり一部の絵がエグい金額で売れてたりしてなにげにお金持ちだったりするけど。
「そうなんだぁ。」
「普通のメイドさんとはちょっと変だけど。」
「そうですか?」
毎日飽きもせずに、嬉々として抱き締め撫で回し、頬擦りしてるけど。
満面の笑みで、自分のおっぱいに埋めてるけど。(母様も嬉々として埋もれに行くけど)
そんな光景にまれに、母様の母親ポジションではないかと思われてることが多いけど。
むしろ、父様とアルナさんの娘が母様だと勘違いする人が意外と多いけど。
(んで、私と母様が姉妹か双子と思われてる)
「・・通常、侍女や執事というのは、主に仕え守る存在故に馴れ馴れしい態度などは貴族のステータスにも影響が出るのだ。・・エトワール家はある意味では特別だがな。」
主と従者ではなく、溺愛する姉妹か親子にしか見えないとよく言われます。(実際にそうなんだと本気で思ってる人もいるけど)
「そう言うモノですか?」
「そうだよー?この家の当主は侍従のしつけもまともに出来ないのかとか言われるんだよ。普通は」
「そうそう。後は、うちはこんなに使える人がいるんだすごいだろーって言う証でもあるんだって。まぁ、エトワール家にそんな関係のいちゃもんをつけるバカはいないと思うけど。」
むしろ、いたとしても母様の狂信者たちが裏で始末してると思う。(過去に何度かそれっぽいことを言った人が人気のないところに引きずり込まれてる光景を見たことあるし)
「おいらも基本は気にしないけど、大抵は恐れ多いとか言って気安い態度になってくれるのに時間がかかるのさぁ。」
たまに、命令だと言って強制的に気安くさせることもあるけどとウルス先輩が言う。
そう言うモノですか・・なるほど。
あ、ちなみに私たちは元々母様の部屋として使われていたらしいベランダのあるお部屋にいます。
「それで・・・」
と、ロード先輩はそうつぶやきながらすかさずお外へ顔を向け、ベランダから外に出てそこにのんびりしている黄昏に挨拶をしました。
「ご挨拶が遅れ申し訳ございません。私、セニア殿と同じクラスメイトのロードと申します。」
片膝をついてしっかりとしたご挨拶です。
・・なんで、ロード先輩って貴族じゃないんだろう?
どこからどう見ても貴族出身の騎士見習いって感じなのに。
「うむ。我は黄昏。そこにいるセニアの母であるフリージア様の獣魔の1体だ。」
「お会い出来て大変光栄でございます。」
「堅苦しいのは苦手だ。楽にして構わぬぞ。」
「・・承知いたしました。」
私の性格と母様のことを噂経由でそういうのを一切気にしない家系だと知ってか黄昏の台詞に苦笑いしてる。
で、他先輩3人かというと。
「よろしくー」
「くー」
「よろしくなぁー」
と、すっごいザックリとしたご挨拶でした。
・・・逆にこの人たちが貴族だというのが不思議・・。
まぁ、私が人のこと言うなと言われる気がするけど母様がアレだから気にしない。
そこで、やはり予想通りと言えば予想通りなツッコミが炸裂しました。
「貴様らぁ!!その態度改めよ!!このお方は神獣であらせられるぞ!そして、なぜ正真正銘貴族である貴様らはそんな適当なのだ!おかしいであろう!!」
ホントに何で貴族じゃないんだろう?
「えー良いじゃん。」
「本人が気にすんな言ってるし-?」
「んだんだ。」
「はぁ・・・もうやだこいつら」
大変ガックリとうなだれてOTL状態になりました。
「それで、セニアちゃん。」
「ずっとスルーしてたけどさっきまで頭の上にいて今ひざの上にいるその鳥さんは誰?」
ちなみに、定期的に笑ったり笑わなかったりするマリモが転がってるけど全員スルーしてます。
正しく言うと、ロード先輩がツッコミたいけどツッコんだら負けって感じでさっきからチラ見し続けてます。
「私の獣魔のサリエルです。定期的に本人から漏れる魔力が笑ったり笑わなかったりするマリモをそこらに出現させては放置してます。」
「それが原因か!」
ロード先輩・・やはりツッコミに我慢が出来なかったようです。
「特に害はないですよ?ただ偶に笑ってたりするだけの苔の塊ですし。」
「そうか・・」
で、双子先輩は可愛いと言いながら私のひざの上でくつろいでる(表情もくつろいでるって感じになってる)サリエルをモフってます。
「それでこの子って、種族的には何になるの?」
「チタナイトフェニックスって言うのらしいですよ?」
「そうなんだ?」
「なーんか、聞いたことあるんだけどなんだっけ?」
「確か、神鳥ではなかったかぁ?」
「しんちょー?」
「・・・神の鳥と書いて神鳥だ。・・強いて言うなら黄昏様と同格と言うことだ。」
頭を抱えているロード先輩が吐き捨てるように言いました。
神獣は、元々神様に最も近い獣の姿をした生き物のことを指すらしい。
善なる気持ちを持った動物(もしくは魔物)が進化すると妖精となり、そこから精霊になるか幻獣になるか進化先が別れるらしいよ?
居座る土地に繁栄をもたらす方面に特化するか、自身が持つ力をただただ高めるかによって精霊か幻獣か別れるらしい。
とはいえ、そこまで進化した例が世界中を探しても片手に余裕で収まる程度しか情報がないのに加え、そんな存在を目にすることが基本皆無と言われています。
その中で、精霊であれば下級から中級、上級へとランクアップしていく感じらしいですが、そっちはそんな先ほどの例くらいで言うと、百年のうちにひとつまみくらいの割合で確認されてるのがぎりぎり中級くらいで、上級はそのひとつまみの中で更に一欠片あるかどうかという確率らしいです。
で、幻獣側だけどそこから上が神獣です。
けど、こっちは数百年の内で一欠片あれば運が良い方だとか千年に1体もいれば多い方とか言われるほど更に希少です。
で、姿が鳥だと獣と言われる範囲とはちょっとだけ枠組みが違うから神鳥という呼び方に変わるらしい。
ある意味では、神獣よりも希少な存在なんだって。
なにせ、獣と指す生き物と鳥と呼ばれる生き物の割を考えれば獣と言われる方が圧倒的に種類は豊富なのは確かだから。
「故に、ヘタすれば神獣よりも希少なのだ。」
全員「へぇ~」
よくご存じですね。
翠も物知りだけど、そう言う人間側の情報になるとちょっとだけ対象外らしく知らなくはないけどちょっとだけ苦手範囲なんだって。
なにせ、人間と本格的に付き合ったこと自体が母様が初めてらしいし。
「あ、ここだけの話。ってほど内緒でもないんですけど、母様の獣魔たちの中で実は黄昏が一番末席だったりします。」
「!?」
「・・神獣なのに?」
「あ、神獣よりすごいのがいるとか」
ポロッと世間的には一切知られていないことを暴露してみるとロード先輩は目を見開いて絶句
双子先輩は神獣よりもすごい存在がいるのかと素直?に信じた。
で、ウルス先輩は驚いてはいるっぽいけど先輩たちほどじゃなさそう。
「んーある意味では神獣よりも伝説を作ったのがいるけど。他は幻獣と妖精王ですよ?あ、あと、使徒」
「んー?幻獣はわかるが妖精王と使徒って何だぁ?」
「妖精王はランク的には上位精霊とどっこいどっこいかちょい上で、妖精族の中でナンバーワンを誇る存在らしいです。後、使徒って言うのは言ってしまえば天使の眷属らしいです。」
「あ、クテン様って冗談抜きで天使だったんだ!?」
「比喩とかそう言うのじゃなくて。」
「ですよ?天使族の中でも戦闘に特化した階級持ちで冗談抜きで天使族の中でもトップクラスを誇る存在です。」
後面倒だったから言わなかったけど始祖でもあるし。
「ふむ・・一部の種族にはサポートに特化した存在が常にそばにいるのだが、天使族にもいたのだな。」
「天使族以外でそう言うのってどんなのがいるんです?」
「わかりやすいところで言うと吸血鬼・・通所ヴァンパイアと呼ばれる存在だ。彼らの場合は、眷属というのは主に血を吸われ、手となり脚となって身の回りの安全と世話を行う存在なのだ。言い方を悪くすれば使い捨ての駒のような扱いらしく、吸血鬼の眷属になった瞬間に生きた人形となり、生き物としては死も同然らしい。」
「種族によって扱われ方が圧倒的に異なるんですね。」
「そういうことだ。まぁ、吸血鬼は元々魔物に近く、魔族から派生した種族と言われているからな。」
「それで、話を戻させてもらうが。神獣が末席とはどういうことなのだ?後、ある意味の伝説とは?」
「まず、ある意味の伝説って言うのはその妖精王です。世間では緑の災厄と呼ばれてます。」
「何!?あの!?」
「あ、私も聞いたことある!」
「悪いことをすると緑色の何かが国どころか大陸ごと食い殺しにやってくるって伝説!」
「うんそれです。世界を旅してる途中で腐った人がいたら気が向くままに食い殺してたらそう呼ばれるようになったんだそうです。」
「なるほど・・それで、末席というのは?」
「それは、単純に母様の獣魔になった順番です。母様にとっては種族とかはどうでも良いので基本順番通りです。」
ついでに言うと、獣魔たちの強さすらも母様はどうでも良さそうです。
だって、世間一般では獣魔って戦闘要員としての扱いなんだけど、母様からしたら保護者とモフり対象とベッド要因でお話相手で遊び相手なんだもの。
一言で言えば家族になるかな。
「そういうことだったか・・」
後、口にしないけど、母様相手に世間一般の普通を求めたらダメです。
並大抵のことじゃない限り身内ですらスルーされることが多いんだから。
母様のスルースキルを舐めてはいけません。
周りがどれだけビビっても、驚きすぎてフリーズしていてもリアクションゼロでガンスルーなんだもの。
それはさておき
「先輩方はゆっくりしてて下さい。私はレコーディングに入るので」
「れこーでぃんぐ?」
「んぐ?」
「とは何だぁ?」
「歌姫としてのお仕事です。見学しても良いですけど物音も声も一切立てず、騒がないで下さいね。・・・騒いだら、二度と物音を自力で立てないようにしてあげますから。」
にっこり微笑んであえて先輩たちのリアクションを見ずにさっさとレコーディング用のお部屋に移動する。
その部屋は実にシンプルで、7〜8人くらいまでなら天井を含めて余裕のある広さの部屋で家具も何もありません。
ちょっと特殊な点は、この部屋を囲う4つの壁がすべて全面ガラス張りになっていると言うこと。
で、ぱっと見はそれだけなんだけど、実はどの方向に普通にしゃべっても均一に正確に精密に音を拾い、録音をする集音機がものすごい数が壁とか天井とかに埋め込まれてるんです。
で、その集音機から録音の魔道具へ転送されるんです。
やろうと思えば、魔道具へデータを移す前にデータ編集も可能。
とはいえ、空きの時間とかを省いたり雑音をある程度取り除いたりするくらいだけど。
まぁ、雑音というのは息づかいとか足音とかなんだけどそこは慣れというか、技術的な感じで一切気付かれず、録音されないようにすることなんてお茶の子さいさいです。
そして、この部屋は外の音や衝撃、振動を部屋の中に通さず、こちらの声だけであれば外に通るという私が歌姫として録音用の魔道具に録音するときのためだけに存在する部屋です。
この部屋は、建物を作ることに関してのプロフェッショナルのクランと、母様の部下であるこの国の魔術師団総勢が連携して作り上げた最高傑作のお部屋だったりします。
なので、ある意味部屋の形をした魔道具とも言えるのです。
とはいえ、この部屋に関しては関係者以外は存在すらも知られてないので、ホントにここだけの話になるのですが、この大陸1大きな魔道具と任命されていたりします。
なので、セキュリティ的な部分もかねて使用することが出来るのは私だけで、その部屋に入室するように設定出来るのは母様タダ一人です。
たとえ父様でもイリスおじいさまでも設定を弄ることは一切出来ないモノです。
そんなすごい存在を私はシンプルにレコーディングルームと呼んでます。
まぁ、レコーディングとしか言わないから、レコーディング=この部屋という認識になってます。
--ティアーネ--
都にすらも存在しないこの国のフリージア様の別荘のこの一室にしか存在しないこの大陸1大きな魔道具であるレコーディングルームにセニアが入っていった。
入り方は、セニアがその部屋の扉に手をかざして軽く魔力を流すだけ。
入ることが許されているのはセニアタダ一人であり、それを設定出来るのはその母親であるフリージア様だけというかなり希少なモノです。
「・・・セニア君がさらっと恐ろしいことをつぶやいていったのだが・・。」
「可愛い顔してエグい・・。」
「それはそれであり」
「んで、あの部屋は何だぁ?」
「軽く言えば、セニアが歌姫として歌っている録音の魔道具へ歌を吹き込むための専用の部屋です。」
全面ガラス張りの部屋で見えないけどかなりの数の音を集め、録音の魔道具へ音を流すための魔道具が埋め込まれており、その中で一部セニアが歌い踊っている姿すらも残す映像付きの録音魔道具(映像付きだから録画用魔道具かな)もいくつか存在する。
さらっと言ってるけど、この音を集める集音機は1つ1つが指先1つ分という非常に小さいながらもかなりの高性能という非常に優れているものがエグい数埋め込まれてる。
確か、3桁は埋めていると父さんから聞いてるし、母さんからはそれ1つで金貨が数枚するという非常に高価なものだと聞いてる。
まぁ、フリージア様たちは超大金持ちだし、普段お金を使うことがあまりないので全く問題なかったっぽいけど。
「なるほど・・。周りの雑音を遮り、セニア君の歌をきれいに詠み込むため専用の部屋なのだな。・・こういう存在もあるのだな。」
感心した感じで部屋をガラス越しで見つめるロード先輩と
「ふへぇー、軽く聞いてるだけで高そう。」
「見えないところにエグい金額のモノが埋まってそう。」
と、説明してないし正解は言わないけど答えを無自覚に言い当てつつもすげぇという顔になってる双子先輩
「セニアさん専用で用意したのかぁ。家族思いな良い親御さんたちだなぁ。」
と、フリージア様たちのことを良い家族だと褒めるウルス先輩。
たぶんその台詞はセニアが最も喜ぶ台詞だと思う。
超がつくほどのマザコンだし。
そして、セニアが部屋の中央に立つと軽く目を閉じた後、すっと瞳を開く。
全員「っ!」
一瞬で纏う雰囲気が変わり、先輩たち全員が驚いた表情になる。
アレはまさしく歌姫モード。
歌を歌うことに全神経を集中している状態。
普段の天真爛漫な明るくて人懐っこい雰囲気とは真反対の大人っぽい色気とこの国の王族の血筋らしい覇気を纏わせている状態。
目つきも若干鋭く子供っぽさがきれいに消えて大人っぽさが際立つように変化してる。
正直アレは、幼い頃から英才教育を受けたセニアが公爵令嬢として学んだ本来の姿。
歌姫モードとは言ったけど、正しくは令嬢モード。
ホントのことを言うと今の歌姫モードが本来の姿。
けど、見ての通りあまりにも言葉を話さずとも纏う雰囲気だけでも姿を直視しなくてもいろんな意味でヤバいため、フリージア様とグリム様とイリス様以外の身内ですら身が持たないと言われ、封印させた姿だ。
あの色気とか纏う覇気とか色々とあまりにもヤバいので、いろんな意味で被害者を大量生産させないようにするために今の天真爛漫な人懐っこい姿に矯正して、そっちを本来の性格に治したんだよ。
なので、言ってしまうと旧人格
本人は覚えてないと思うから本気を出せば出来ると思ってるけど真実はそっちが本来の姿で、あの天真爛漫な姿の方が人為的に作り出された人格だったりする。
まぁ、言葉遣いは人に合わせて変化するので今とあまり変わらないから純粋に纏う雰囲気と目つきだけなのでホントに見た目と雰囲気だけ。
・・実際過去に何十人とセニアのあのモードを直視して狂信者が何人も続出したことがあったんだよ。
ついでに言うと、リンがセニアの体調管理を過保護レベルで気にしてるのは実はこのことと関係があったりする。
と言うのが、体調不良でセニアの意識がもうろうと・・と言うより、周囲を気にする余裕がなくなると旧人格になってしまうから。
本人はタダの過保護と思ってるけど、こうした裏事情もあったりする。
私もさりげなくリンに協力してたりするのは半分はそう言う理由があるよ。
まぁ、セニアが好きだからと言うのがもう半分だけどさ。
おまけに・・・。
「幼馴染みだからこそ皆さんに注意事項です。」
「なんだ?迷惑をかけるつもりは微塵もないぞ?」
「そこではなく、セニアの歌に関してです。」
「歌?」
「喜んで静かに鑑賞するつもりだけど。」
「うん。」
「鑑賞するのは構わないのですが、集中して真剣に鑑賞しない方が身のためです。」
先輩方「はい?」
「どういうことだぁ?」
「幼馴染みとは言え失礼ではないか?」
「・・幼馴染みだからこそですよ。」
リンがため息を吐きながらつぶやく。
「今の見た目と雰囲気だけでもかなりその・・すごいでしょう?」
「あ、あぁ・・正直直視したらある意味まずいと思っている。」
「うんうん。アレは直視したら間違いなく同性問わず一目惚れする。」
「同感。後、なぜか跪いて祈りたくなる。」
「それと、セニアが人前で歌っている姿を見たことは先輩方はありますか?」
「遠くからだけどチラッとあるよ?」
「うん」
「んだんだ。」
「私も見学したことはあるぞ?非常に感動した。」
「アレ・・セニアの全力の半分なんですよ。」
先輩方「はい?」
「え?アレで?」
「半分であの歌の世界に巻き込まれてトリップしたって言うの?」
「・・・集中して聞くなとかそういうことなのか?」
「えぇ・・本気で歌った歌を集中して聞いたら何日かセニアの歌の世界に引きずり込まれたまま正気ではいられなくなりますよ。」
「ある意味毒。」
リンと揃って真顔でそう答えると
「・・逆に気になるな。」
「うん。」
「明日とあさってはお休みだし」
「んだなぁ」
どうやら、明日と明後日の2日間は使い捨t・・・けふん、犠s・・けほん、生贄にして真剣に聞くことにしたらしい。
その証拠に、4人揃ってなぜか正座できれいに並びだしたから。
・・おまけに、ちょうどセニアが真正面に来る場所に。
先輩たちは、精神的な平和よりも好奇心の方を優先させるらしい。
その方が私的には面白いからアリだけどリンとしては、気持ちはわかるけど好奇心を優先させ、平和を捨てた先輩たちに対して葛藤している。(いつものことだけど)
まぁ、今回は踊りはなしでガチで歌だけの録音の予定だし、セニアの本気を他人が知るにはある意味でちょうど良いかな。
・・知らないと言われても納得しないことってあるもんね。
そして、部屋の中央に移動したセニアがチラリとこちらに目を向けてぽつりと訪ねる。
「いくつ?」
・・正直今の旧人格モードで声をかけられるのはいつもながらドキッとする。
おまけに流し目で首を軽く曲げてかろうじて視線だけこちらに向く程度しかこちらを見ないから余計にドキッとする。
ついでに言うとこの状態のセニアはかなり言い方が端的になる。
きちんと説明するときは完璧なる令嬢状態だけど基本的に口数が減る。
その分歌うからある意味プラマイゼロだけど。
で、リンは手で4を作る。
「わかった」
「ねぇねぇ、さっきのいくつって何のこと?」
双子先輩がぽそっと私に尋ねる。
「セニアがリハーサルをする歌の数ですよ。ウォーミングアップとも言うけど」
「なるほど。」
「準備運動は大事だよねうんうん。」
そして、セニアの歌が始まる。
本編にあまり関係がなさそうな気がする情報
流星姫の呼び名の理由
・敵味方関係なく周囲を巻き込んでいたことからそう呼ばれていたと本編に書きましたが、その補足
・流星とはつまり流星群であり、自然災害であり、天災である。
つまりは、人1人がどうにか出来るようなモノではないということであり、
一度メテオが起きてしまえば落下地点は、誰がいてもお構いなしで全員殺られてしまう。
そこを、きれいな感じにまとめた結果が流星姫。
つまりは、流星を自力で発生させて周囲一帯を落下地点にしてしまう美しい美女(つまりは姫)で、流星姫。
そのため、爆殺姫とか惨殺姫とか天災姫であり、災厄姫という呼び名の候補があったりしました。




