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 ある日の昼下がり、郷屋敷に仕える郷守・刀守たちが庭先に集められた。勘の良い者は浮足立ち、そうでないものは何か起こったのかと青白い顔をしている。


 喜憂交交の面々の前に、灰色の顎ひげを蓄えた初老の男が姿を現した。ユキも何度か鍛錬場で目にした、上役の刀守だ。

「郷巡りに同行する者を申し渡す。郷の花たる姫の御身、心してお守りせよ」





「ちえー。由さんはともかく、平七とユキのやつも郷巡りのお役目に選ばれよって」

「はは、そういじけるな。郷巡りの間、郷屋敷の守りが疎かになるようなことがあってはならんからな。しっかり励めよ」

 爽やかに応える由ノ進を、留守番役となった伊助・弥助が恨めしそうに見やる。

「なあんで身体も小っさくて弱っちいユキが選ばれて、この立派な体躯の弥助様が選ばれねえんだ」

 それはユキだって知りたいところだ。まさかの任命に驚いているのはユキ自身なのだから。

「何を言う。このところ、ユキの剣の腕前は上がっているからな。もとより鍛錬への取り組みが評価されたのであろう。共に励もうぞ」

「この平七様を忘れるなよ。ここで大活躍すりゃあ、一気に刀守になれちまうかもしれねえな!」

「そんな活躍するような大事、起こらない方が良いんじゃあないのかい、アニキ」

「……まぁ、それもそうだな」

 歯切れ悪く笑う様子に半ば呆れながらも、ユキの心は半分別のところへ――そう、またあの瞳を思い出していた。

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