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君の騎士 ~君を守るために~  作者: 無乃海
第一幕 名栄森学苑1年生編【3部 秋の巻 編】
100/200

89話 秋祭り その2

 秋祭りのお話、part2です。まだ続きます。


いつも通り、未香子視点となっています。

前回は、秋祭りに行く用意で話が終了し…。


※いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。

夏休み用の短期の新連載作品『婚約破棄から始める物語を、始めましょう!』を、先日から投稿しております。こちらもよろしくお願い致します。

 あれから、夕月(ゆづ)は、私の髪をいつもの髪型ではなく、綺麗に可愛く結ってくれていた。「これだったら、浴衣を来ても似合うよね?」とか言って。

問題は、この髪型をキープするのが、難しいと思うのよね。何と言っても、お祭りなのだから、昼間とは言えども、大勢の人々が集まって来る。揉みくちゃにされないように、気を付けないと…いけないわね。それでも結局、背が低過ぎる私は、人混みで揉みくちゃにされるのだろう。


お祭り会場までの道のりは、昼間の送迎は、幹人(みきと)さんが運転してくれている。

まだ、お兄様と葉月(はづき)は、学生寮を出発していないようなので、夕方までにはこちらに帰ってくるというお話で。私と夕月(ゆづ)はその頃には、一旦は家に帰ることにしていて、改めて浴衣に着替えて、兄の車でまた会場入りをすることになる。


お祭り会場の近くで、車を止めてもらい、そこから降りて歩き出す。幹人さんも今日は忙しい様子であり、私達が降りるのを確認すると、すぐに車はを発進させた。

もう会場近くから、大勢の人達が歩いているけれど、流石に昼間には、浴衣姿の人は少なかった。これが夕方以降になると、一気に浴衣を着たカップルとかが、増えるのでしょうね?…まあ、私達も2組のカップルに、見えるのでしょうが。


今の私は、簡素なワンピースを着ていた。一応は有名なブランド物では、ありますのよ。但し、パッと見た感じでは分からない洋服を、選んでみたのですわ。

だって、こういう庶民のお祭りに出掛けるのには、ブランド物が合わないことは、私でも知っておりますのよ。これでも…夕月(ゆづ)と出掛けることが、多いのですから。かと言いまして、私は、一応は社長令嬢でもあることですし、ブランド物を着用しないのも不自然であり、また両親にも…恥を掻かせる、ことになりますので。


その反対に、夕月(ゆづ)は、ブランド物は一切着用していない。一応、庶民の家柄なのをアピールする面もあり、ブランド物を着用する時は、お祖母様の家に行く時など、限定的にしか着用しないようである。要するに、ブランド服を何着かは、持っているのです。買って貰っていない、という訳ではなくて。


それに、普段に男装する時の衣服は、実は…葉月の洋服ではない。そうなのです。

アレは…夕月(ゆづ)の自前なのですのよ。以前は…葉月のお古とかを、回してもらっていたようなのですが。ある時期から、葉月の背が大きくなって来て、体系も段々と合わなくなってきてしまい、夕月(ゆづ)には…大き過ぎて、ブカブカで似合わなかったみたいなのですわ。仕方ありませんわよね?…葉月は…背が伸び過ぎたのですわ。


それからは、いつも自分で買いに行っているのですのよ。私も偶に、一緒に選んだりしているのよ。…うふふふっ。幼馴染の特権ってヤツですわよね?…それでも、その場では試着しないで購入するので、似合うとは分かっていても、着ているのを見るまでは…どれほど似合っているのか、見せてもらえないのよ。但し、今までにどの衣装を着ていても、夕月(ゆづ)は…カッコイイとしか、思えませんでしたわ!


それに…男装用だからと、男性用の服しか男装出来ない、とは限らないのですわ。

女性用の服でも、合わせ方次第で上手くコーディネイトすれば、十分に男装出来るのですのよ。夕月(ゆづ)は、男装しない時でも着用可能な洋服しか、買わないようにしていますもの。男装用ににしか着用出来ないなんて、それこそ勿体ないもの。

ですから、夕月(ゆづ)は工夫して、()()姿()()()()()姿()()()着用可能な衣服を、普段から着こなしているのですわ。


そして、今は…男装中なのです。…うふふふっ。夕方からは、葉月やお兄様が絶対に反対されるが分かっておりますから、浴衣姿の女性らしい格好しかできませんのよ。ですから、昼間の今は、私の為に男装をしてくれることに、なりましたのよ。そうなのです。()()()()()姿()を。


夕月(ゆづ)に気が付いた若い女の子達が、時々…チラチラと見て来られますわ。

しかし、お隣に私が歩いているのを見られると、「ああ、彼女持ちかぁ。」みたいな残念そうなお顔で、去って行くのでして。私の顔が、それなりの美人顔であることに、ホッとしておりますわ。「似合わないよね?」と、陰口を言われるのは辛いですもの。以前、あの子が虐められた理由も、そうだったわ。いつも一緒にいる私ならば、耐えられない…ですもの。


女子同士では言葉だけだとしても、物凄く残酷な事を言われる場合もあり、心の傷は…深くなる。あの子も、相当にキツイ事を言われていたのに、海外に行ってからも元気だと返事が返って来まして、私も新底ホッとしていますのよ。あの時はまだ親しくなかったけれど、あれ以降…今は、私とはメル友なのですのよ。

時々、電話でもお話をするのだけれど、少しでも私が落ち込んでいると、逆に心配そうにしてくれるから、逆に…気を付けないと…。


 「普段は…お行儀が悪いから絶対にしないけど、今日はお祭りだし、久しぶりに食べ歩きでもしようか?…未香子(みかこ)は、何が食べたい?」

 「…え~と、私は…そうね?…あ、あれがいいわ!」

 「たこ焼き?…OK。」


暫く歩いて、屋台を見ながら通り過ぎて行く。その途中で、私と繋いだ手を振り子のように大きく振り回しながら、私の顔を覗くようにして、にっこり笑う夕月(ゆづ)

ふふっ。夕月(ゆづ)ったら、まるで小さな子供みたい。とても上機嫌で話し掛けてくる。

いつもと違い、夕月(ゆづ)も燥いでいるのがよく分かる。()()()()()()夕月(ゆづ)を見るのは、久しぶりですわ。それに…食べ歩きも、幼い頃以来よね?…いつからか、そういう事は…しなくなっていたわ。今日は夕月(ゆづ)の望み通り、偶にはいいですわよね?

周りを見れば、若い人達は食べ歩きをしていた。これならば、確かに見られていても、恥ずかしくないわね。


夕月(ゆづ)が、私の分のたこ焼きも買ってくれていた。半分ずつというのも、良かったのになぁ。ところが、たこ焼きを見ましたら、急にお腹が空いて来ましたの。

そういえば…外で食べればいいと、夕月(ゆづ)が言ってくれたので、朝から何も食べていなかったのでしたわ。きっと…こうするつもりでしたのね、最初から…?

夕月(ゆづ)らしいですわ。…ふふふっ。楽しい!…きっと…私も顔も、自然にニヤついてしまっていますわね? それから…夕月(ゆづ)自身も上機嫌で、笑顔を振り撒いているものですから、夕月(ゆづ)を見た若い女性は皆、夕月と少し目が合っただけで、顔を赤くしていたのです。


…う~む。()()()()()()()が、怖いです……。

夕月(ゆづ)が、周りの女性を落して回っているような、気が……しますわ。






     ****************************






 「こんな人混みではぐれたら、大変なことになるよ。」という理由から、夕月(ゆづ)は、片時も…私の手を離そうとしなくて。代金を払う時にも、器用に片手で支払っている。無論、クレジットカード払いではないですわ。流石に、このような会場では、カード払い可能なお店は、殆どないと言ってもいい。偶に、電子マネーなら、使用可能なお店も…あるようですが。それでも、殆どが現金払いである。


私としては、夕月(ゆづ)の服を摘まんでも…いいかな?…その方が()()()()()になりそうで。しかし…実は、それで大昔に…やらかしちゃいましたのよ…。昔から同じ年頃の子供よりも、背が低過ぎた私は。大人がいるような人混みでは、一溜まりもなくて、完全に人の流れに押されてしまいます。それだけなら未だしも、私は1人ボッチになってしまい、完全に迷子になりましたの。1人ボッチになって、悲しくてさみしくて、シクシクと泣いていたのです…。


そこへ怪しい男女の大人が近づいて来て、私に声を掛けて来たのです。私の保護者を探してあげると言って、私を何処かへ連れて行こうとしたようで。私は…本能的に、この人達が信じられなかったものですから、大泣きしたところに、夕月(ゆづ)とお兄様達が駆けつけてくれたのですわ。


最初は親切を装っていた男女は、私の兄が駆けつけたのを知り、慌てて本性を出して来たのですが、子供達ばかりだと侮っていたお陰で、私も連れ去られず、お兄様達にも特に危害がなく…。そして葉月が、警察官を捕まえて、こちらに連れて来てくれたのです。この男女は逃げ遅れて、その場で捕獲されましたの。後で訊いた話では、3人で連携して私を探しながら、警察官にも連絡していたという、用意の良さでしたわね…。この時から…この3人は、()()()()()()()()()…ですわね?


これ以降の私は、夕月(ゆづ)達3人の誰かが、必ず手を繋いでくれている。そうだったのですわ。私…忘れていたみたい。あの頃は、葉月とも…手が繋げていたのに。

あの頃は、平気だったのね…。あの事件が遭ってから、怖くなって…同じ手だというのに、繋げなくなったのね…。どうして、こんな大事なことを…忘れていたのかしら…?……私は。…あの…事件の…所為?


 「…未香子?…どうかした?…ずっと歩いていたから、疲れたの?」

 「…ううん。何でもないですわ。それよりも!…あっ!…あの出店、見てみたいですわね?」

 「…ああ。あの店だね?…見に行こうか?」

 「…うん! 」


私が…昔のことを思い出している間、私は暫くボ~としていたようでして、夕月(ゆづ)が心配して…話し掛けてくれる。私はハッとして我に返り、夕月(ゆづ)に心配を掛けないように、何でもない風を装って。今は…今の楽しいことを考えたい。昔の思い出ではなく。そして、夕月(ゆづ)との新しい思い出を、沢山、たくさ~ん作りたいのです。


今は…夕月(ゆづ)とのお祭りを、目一杯楽しみましょう!

それから…あの忌まわしい出来事を、()()()()()しまいましょう……と。

 秋祭りのお話、part2なのですが、今回はお祭り会場の初期で終わり…。

少々脱線してしまい、過去の話も大分含まれています。


あと少し、昼間の秋祭りを書いてから、夕方以降の秋祭りの様子を書いて行こうと思います。

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