新たな始まり
そんなはずはない。
そう思いながらも気づいたときにはその名を呼んでいた。
ゆっくりと振り返る青年。
その人は優しく微笑んだ。
その表情は昨日別れたはずの兄に似ていた。
「おはよう、夕真」
「あに、き!?なんで!?」
「さあ?」
「さあ?
ってなんだよ!自分のことだろ!?」
「だってほんとにわかんないんだよ
気づいたらこの格好でこの世界にいたんだから」
そう言って蒼真は両手を広げて見せた。
来ている制服は夕真と同じものだ。
「その制服…俺らの学校に来るのかよ」
「いやなの?
まあ双子ってことで同じ教室だよ」
「双子って…」
自分と兄は5つほど違うはずなのだが。
にこにこ笑う蒼真に夕真は頭を抱えた。
「それに同じクラスになるのは俺だけじゃないよ」
「え…?」
「あ、主おはよ~!」
「おわっ!?」
背中に突然衝撃を感じ、夕真はよろめいた。
振り返ると見たことのない小柄な少年。
髪は短く、黒髪が日の光に輝く。
「?誰?」
「も~っ、声と気配でわかんない?
白弧だよ、白弧!」
「白弧!?」
「うん。
新しい主を守るためについてくことになったんだ。」
「あ、そ…」
返事をしたはいいが、正直急すぎてついていけない。
それに。
夕真はめまいを覚えながら蒼真の後ろにいる二人に目をやった。
一人は少し赤みがかった髪にメガネをかけている。
もう一人は白弧と同じような黒髪が少し長めだ。
「じゃあ…ふたりは鳳と夜狩?」
「「はい」」
「やっぱり…」
深いため息をつく夕真に蒼真がさらに追い打ちをかける。
「ちなみに白弧は、天弧 雪
鳳は、大鳥 赤矢
夜狩は、黒田 咲夜ね」
「はいはい」
「それとお前が陰陽師ってこと昨日お前が常闇討った時点でばれてると思うから覚悟してね」
「はいは…い!?」
「陰陽師としての道は始まったばかりだよ」
「…はい」
なんだこれは。
昨日あんな死闘を繰り広げたというのにまた試練か。
ため息をついた夕真は、ふとこちらを見つめている白弧と目があった。
「陰陽師、辞めたくなった?」
そう聞かれてる気がした。
確かになんかもうお先真っ暗って感じだけど。
「ううん、やめないよ」
この能力でしか、俺でしか守れないものがあるなら。
守りたい。
今の自分なら自信を持ってそう答えられる気がした。
こんにちは
天城 時雨です
ここまで読んでくださったあなた!
本当にありがとうございます!
もうちょっと短くするつもりだったのに長くなってしまった…
いかがだったでしょうか。
ここでの処女作がこんなんでいいのか、なんて思いながら書いていましたが。
こんな駄作なのにもかかわらず読みに来てくださる人が…!
本当に感謝です。
おかげでここまで書くことが出来ました
ありがとうございます
個人的ですが、蒼真みたいなお兄ちゃんほしいな、なんて思いながら書いてました
あなたのお気に入りのキャラはいましたか?
改めて読んでくれたあなた、ありがとうございました




