行方不明
キーンコーン、カーンコーン………
「ホームルーム始めるぞ~」
「あれ………?」
澪は自席についたまま辺りを見渡した。
いつも通りの見慣れたクラスメイトの顔が見える。
………あれ?夕真は?
自分の後ろに座ってるはずの夕真がいない。
遅れてくるのではと思って待っていたが、そんな様子もない。
担任も不思議そうに首を傾げている。
まさか………何かあったのか?
そんな不安を抱きながら、ふと窓の外に視線を向けると。
「………。
!?」
思わず二度見してしまった。
窓の外からこちらを覗く影に。
「お、お前は………!」
「そんなにびっくりしないでよ。
僕らが見えるんでしょ?」
お聞きの通り影と言っても、悪い妖ではない。
蒼真に従う妖、白弧と夜狩だ。
「だからって………!
っていうか学校に来るな!」
「見えないから問題ないよ。
それより、こっちは一大事なの」
「?一大事?」
「主、いる?
その顔だと、いないんだね」
「どういうことだ!?」
「主がいらっしゃらないのです
ご存知ありませんか?」
「いない!?」
「なんか知らない?
なんでもいいんだけど。
なんで陰陽も使えない主がいなくなるんだろ」
「いや………」
白弧の言葉に澪は瞠目した。
そして思い出した。
学校に突然襲撃してきた妖のことを。
その時に夕真が祓ったことを。
「主が祓った!?
じゃあそれか………」
「どういうことだ?」
「きっと常闇が動き出したんだ。
主が陰陽の力があることがわかって片付けるために連れ去ったんだ」
「!?」
「主を助けに行かなきゃ」
「俺も行く!」
「「ええ!?」」
「夕真は妖が見えないんだろ?
それにじっとしてなんかいられねぇよ!」




