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月水金の週三更新


大体夜の11時10分ごろを目安に更新していきます

 真っ白い空間の中、ただ何もないところを見つめていた。すると、コツンと自分の手に何かが当たった音がした。なんだろう……だが、気にしても意味がない。だってもうここには……。


 ——いつもどおりに焦がれ目の前の物を壊すだけ壊した、抜け殻しか存在しないのだから。


 自分の腕を見ようとしても、そこには霧のようなノイズが漂っているだった。記憶も、罪も、体温も、すべてがこの白一色の世界に濾過(ろか)されていく。俺はもう、ただの『終わった世界』の残骸に過ぎなかった。

 力なく何かに寄りかかっていると、誰かが声をかけてくる。それは、ここに来るまで散々聞いた軽快さを感じる猫なで声だった。彼女は、俺の様子を見るやいなやクスクスと笑う。そして言うのだ。



 

「なーんか燃え尽きた?って感じ?」


「………………お前の求めるもんは無かったぞ。だから……壊した」


「ふぅん?」



 どうしてこんなところにグレモリーがいるんだという疑問を感じた。だけど、感じた途端に外へ流れ出し砂のように消える。本当に俺はデータで作られた存在だったらしい。不具合が色んなところで発生し、まともな思考すら紡げそうにない。

 彼女は興味のないような返事を返す。そして、俺の手元に転がってきた白く細長い"機械の首"?のような物を持ち上げて不気味な笑みを浮かべる。恐らくグレモリーがここまで来たのは、これが目的だったようだ。

 その時、拾い上げたその『首』が一瞬だけカチリと音を立てた。それは神の遺骸というより、遠い未来——あるいは過去に誰かが作り上げた、精緻な『部品』のように見える。

 

 それにしても機械の首(こんなもの)が神様の一部とは、どういうことなのだろう……。ま、結局は他人の事情だ深入りするべきじゃない。何を信じるかは人それぞれだ。

 細かいことを気にしても、今の俺には関係ない。しかし"神の遺骸"という言葉が、ほんの少しだけ頭の中でチリチリと焼き付くような気がした。

 

 グレモリーは機械の首を大切そうに仕舞い込むと、いつもどおり軽々しい返事をよこす。


 


「私が欲しいもの、今あったから別にいいよん」


「……………………そうか……」




 いつまでも俺のそばから離れないグレモリーに、俺は必死で口を動かす。もうここには何もない。利用しあうことも、もう終わりだと彼女に伝える。

 俺は恐らく……この白い抜け殻みたいな世界で、死ぬことはおろか動くことすらできず留まり続ける。でも、これは大量殺人鬼に課せられた永遠の罰なのだろう。風景を見つめるのも苦痛に感じてきたので、瞳を閉じようとした。

 その時、グレモリーが再度話しかけてくる。しつこいな……今更なんだというんだ。彼女はケラケラと不敵に笑いながら、あり得ないことを告げる。




「え?終わりじゃないけど?付き合ってもらうよ——"輪廻の先"まで」




 最初言われたとき、意味が分からなかった。いや、理解するのを拒んだともいえる。この状況を見て、どうしてそんなことを言えるんだ。

 だが、よく分からないが突如睡魔が襲う。おかしい……俺にはもう眠ることすら、できないというのに……ダメだ……意識が持たな……い……。

 


 

 ――――――――――――――――――――――

 




 真っ白な空間から、真っ暗な世界へ堕ちていくのを感じた。その時、どこかから誰かが俺?を呼ぶ声が聞こえる。明らかに、慣れ親しんだ言語ではないはずなのに"それ"はひたすら此方へ来いと誘う。何も見えない空間が、見えない手で何処かに招いてるように感じる。

 意識しか存在しない癖に、もう形のない足のような部分を必死に動かす。がむしゃらに突き進むと淡い光が見えた。俺はみっともなく、その光を掴もうとする。



 やっと掴んだ!と思った、そのとき俺は——全く見覚えのない部屋にいた。


 風が勢いよく窓を叩く音がする。自身の周りには機械で作られた蝋燭のようなものが何本も立てられており、足元にはコードで形作った円と呪文?のような落書きがびっしり書かれている。何と書かれているかは全く理解できなかった、どうやら別言語のように見える。

 

 

 そして——目の前には、こちらと同年代に見える白い服を着た赤髪の少女が立っていた。

 彼女の足元には毛並みの長い猫が「なーお」と鳴いている。少女の深緑色の瞳からは、以前どこかで見たような懐かしさを感じた。



 


 おわり?

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