1、否定
.....。
この世界ほどクソは無いと思う。
そんな事を思いながら俺は目の前を悲しげに見る。
幼馴染に振られたのは良いのだが。
何というか幼馴染は酷く俺を小馬鹿にしてきた。
彼氏が居るからと調子に乗っている様だが。
それから屋上の階段付近に待って居た様な後輩にこう言われる。
アハハ、と言われながら。
「先輩。見事に貴方嵌められましたね」
と言いながら俺を小馬鹿にしてくる後輩、山本光希。
茶色の長髪に顔立ちも美少女。
小悪魔な感じだが.....。
正直タッグを組んでこんな事をするとは。
俺はイラッとしながらも、ここは抑えて、と考えてゆっくり階段を降りた。
幼馴染と後輩は共同して俺を嵌めた事が判明したのだ。
何がしたかったのかは分からないが。
俺は使い捨ての駒みたいな感じだったのだろう。
悲しむ俺の気持ちなんか分からないだろう。
☆
俺、宮本健。
17歳で.....髪の毛、短髪で校則を守っている様な健全の人間。
そして顔立ちはそこそこの人間だが。
何というか成績がイマイチで路傍の石の様な存在だった。
そんな俺だが。
美少女の幼馴染が居る。
その幼馴染の名前は飯塚。
飯塚明穂という。
成績優秀で容姿端麗の女子だが.....。
俺は彼女が好きだった。
その為に告白しようと頑張っていたのだが.....明穂には彼氏が居て尚且つその彼氏と比較して.....俺を小馬鹿にしてきていたのだった。
告白は俺の恥を晒すものだった、という事だ。
正直ビッチだと思ってしまう。
思いながら俺は悔やむ気持ちを持ちながら階段を降りてからトイレに篭る。
「.....俺も大概アホだな」
そんな事を呟きながら涙を浮かべる。
それは何というか悔し涙だった。
だけど泣いた所で何も変わらないので.....顔を真っ直ぐに向ける。
それからトイレから出てから。
教室に戻る。
すると同級生の野口雪が俺に向いてきた。
女子なのだが.....活発な女の子だ。
八重歯が特徴的で髪の毛も短髪である少女。
俺は、どうだった?、と聞いてくる野口に、ああ、と苦しそうに答える。
「.....何かあったの?」
「.....ああ.....えっと。何も無い。.....ただ今はお付き合い出来ないって言われた」
「.....え.....あ。そうなんだね.....」
野口は、申し訳なかったな、という感じの顔をする。
こいつに色々と話しても良いかもしれないが。
だけど.....正直こういうのは俺の胸の中だけにしておきたい。
これだけ小馬鹿にされたので多少の復讐とかはしたい気がするが。
面倒なので大きな事にしたくなかった。
「成功するって思ったんだけど.....ゴメン.....その。聞いてしまって」
「ああ。あまり気にすんな。こういう事もあるって事だ」
「.....そうだね.....」
じゃあ幼馴染さんとは今の関係?、と聞いてくる。
俺は、いや.....どうかな、と口ごもる。
何というかこんだけ馬鹿にされてしまっては、と思う。
正直.....正気を保てない。
思いながら俺は野口に向く。
「.....お前みたいなのが彼女だったらな」
「.....へ?」
「.....いや。お前みたいな良い奴が彼女だったら良いな」
「.....もう!何言ってんのさ!?私と君は友人だから!」
「まあそうなんだけどな」
野口は真っ赤になる。
それはリンゴが熟したみたいに。
俺はその姿に苦笑いを浮かべながら野口を見る。
すると野口は、でもまあ冗談は置いておいて。.....大丈夫?、と聞いてくる。
俺は、申し訳ないがしばらく引き摺るかもな、と答えた。
「.....そうだよね.....まあうん。だろうとは思う」
「.....そうだろ?.....だからお前に対してもこれからちょっと冷たい反応かもな。すまないけど」
「.....うん。分かった。.....全然構わないよ。だって傷心だしね」
「.....」
笑顔になる野口。
俺はその姿を見ながら苦笑した。
正直.....野口は本当に良い子だと思う。
俺にとっては勿体無いぐらいに。
だけど俺達は友人だから。
「.....私と付き合ってもね。私馬鹿だから。だから.....早く元気になってね」
「.....ああ。.....すまないな。.....恐らく大丈夫だろうけど失恋だからな.....」
「.....大丈夫だよ。気にしなくて良いんだよ。その部分は」
「.....すまない」
言いながら俺達は見合ってからそれぞれの椅子に腰掛ける。
それから予鈴が鳴って次の時間になった。
本当に最悪の気分だが。
切り替えていかないとな、とは思うから今日は頑張ろう。
そう思いながら頑張った。
.....。