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お姫様は塀の中。
今日も高い空と、遠い地面と。
どこが近いのか、分からないまま。ただ切り取られた世界の中で、足踏みをして、本を読み、誰かの決めた世界を識る。
「生きてやろうじゃない」
お姫様は思います。
「絶対に、私は生きるよ」
そのために、3年いろいろなことを盗み学ぶ。
生き延びるためならば。
誰かが自分を助けてくれると知ったのだから。
いつか大地を踏みしめて、自分の足で自分の意思で歩いていくために。
いつか大地を踏みしめて、誰かを自分も救えるように。
花びらは舞って、お姫様は笑う。珍しくドタドタと青年が駆け上がる音が聞こえて、お姫様の笑い声はいっそう大きくなった。




