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40話

「うおお!」

俺は始まった瞬間に、一気に駆け出した。

エーレ相手に出し惜しみはなしだ!

エーレは動かずに、その場で待ち構えている。そして、俺とエーレの距離が1メートル程になった。

先ずは挨拶代わりだ!

「心証流秘剣ー焔」

俺は刀を一気に振り上げる。

「っ!?」

すると、エーレは一瞬驚くも、すぐに剣で防御してきた。

ガキイィィィン!

俺の刀とエーレの剣がぶつかり合う。

「今のが剣技ですか?」

「ああ、そうだ」

俺達は鍔迫り合いをしながら、そんな事を話す。

「始まってすぐ仕掛けてくるとは」

「エーレ相手に出し惜しみしてられないからな」

「そうですか。では、私も!」

そう言って、俺の刀を弾き返してくる。そして、エーレはすさまじい速さで剣を振るってきた。

だが、俺は弾かれた勢いそのままに体を回転させる。そして、その勢いを利用して刀を振るう。

「はあ!」

「心証流秘剣ー円」

ガキイィィィン!

俺の刀とエーレの剣が再びぶつかり合う。

「くっ!」

しかし、今度は俺の刀がエーレの剣を弾く。

「はああ!」

それでもエーレは何とか踏ん張る。そして水平斬りを放ってくる。

それなら!

「ふっ!」

俺は剣が振るわれた瞬間に飛んだ。

「なっ!」

そしてエーレの剣は空を切り、隙が出来た。俺は刀の切先をエーレに向けて、一気に落下する。

「心証流秘剣ー雫」

「はっ!」

しかし、俺の刀が当たる直前にエーレは後ろに飛んで避けた。

今のを避けるのか……

エーレはすぐに体勢を立て直し、剣を上段に構えて俺に向かって来る。

俺は前屈みになって両足を開き、剣を下ろした状態で待ち構える。

「はああ!」

エーレが上段からの斬り下ろしを放ってきた。

「心証流秘剣ー騰」

その瞬間、俺も刀を一気に振り上げる。

ガキイィィィン!

また刀と剣がぶつかり合う。しかし、俺の刀はすぐに弾かれる。

「え!?」

エーレの驚く声を聞きつつ、俺はまた体を回転させる。

「心証流秘剣ー円」

再び遠心力を加えた一撃を放つ。

「ぐっ!」

ガキイィィィン!

しかし、エーレは刀が当たる瞬間に急いで引き戻した自分の剣で俺の刀を受け止めた。

ガリガリガリガリ!

俺の刀とエーレの剣から火花が散る。

「やるな!」

「レイこそ!」

「だが、まだまだこんなもんじゃねえぜ!」

「私だって!」

そう言って俺達は更に力を込める。そして不意にエーレが後ろに飛んだ。

「どうしたんだ?」

「あのまま続けていたら、またあの剣技が来ると思ったので」

「成る程な」

それは当たっている。俺はあのまま続けていたらまた円を放とうとしていたからな、いい判断だ。

だが。

「うおお!」

俺はエーレに向かって行く。

「はああ!」

エーレも俺に向かって来た。

「ふっ!」

お互いが間合いに入った瞬間、俺は上段に構えた刀を振り下ろす。

「はあ!」

それに対して、エーレも上段に構えた剣を振り下ろしてくる。

ここだ!

俺は刀と剣が触れる前に左手に持った刀を手離す。そして下に添えていた右手で刀を掴む。

「え?」

「心証流秘剣ー歪」

エーレの剣を俺は避けつつ、水平斬りを放つ。

「ぐっ!」

そして遂に攻撃が通った。

だが浅い!

俺が水平斬りを放つ瞬間、エーレは体をくの字に折る事でダメージを最小限に留めていた。

まだだ!

俺はもう一撃放つため、刀を引き戻して両手で持つ。

「!」

しかし、それを察したエーレが後ろに飛んで逃げた。

流石だな。

「さっきの攻撃、決まっていたら負けていました」

「そうだな。でもエーレは避けた。流石だよ」

「いえ、体が勝手に動いたんですよ」

そうなのか。やっぱり一筋縄では行かないな。

「そんじゃ、再開するか」

「そうですね」

俺とエーレは構えて、お互い走り出した。


「まさか、ここまでやるなんてね」

「前に試合をした時は、全然太刀打ち出来なかったのに。やっぱりレイはすごいね」

「それはそうですよ。だってレイ君ですよ」

「そうだな。レイはやる時はやるやつだ」

「いつもそうだったもんね」

「そうなのね。それにしても、レイのここまでの戦い方って……」

「何か気になるんですか?」

「ええ。彼、少し剣技を使いすぎじゃないかしら?」

「そう?」

「確かにそうですね。いつも使っても2回か3回ですから」

「今のところ、焔が1回、雫が1回、歪が1回、円が2回、騰が1回だな」

「もう6回も使ってるね」

「あれだけの剣技よ。そんなに連発したら、体力の消耗は激しいんじゃないかしら」

「そうですね」

「それなら、何で今日はこんなに使ってるのかな?」

「何か作戦があるんじゃないか?」

「それは分からないわ。考えられるとしたら、短期決戦を望んでいたのかもしれないわね」

「でももう結構な時間戦ってるぜ」

「ええ。だから、このままだとまずいのではないかしら」

「そんな!?」

みんなは心配そうにレイの事を見ていた。


その心配は当たっていた。

くそ!出来るならもう試合を決めたかったんだがな!

俺はエーレと打ち合いながら、内心では焦っていた。

このままだと、俺の体力が持たないな。剣技を使いすぎた……

ミカの言う通り、レイは短期決戦で決めようと思っていた。しかし、エーレはレイの剣技を悉く防ぐか避けるかしている。それ故に、レイの体力は削られていた。

何とかしないと……

レイがそう思った時だった。

「はあ!」

「何!?」

エーレの剣を振るう速度が上がった。それにより、俺は防戦一方となる。

何て速度だ!これじゃあ、あの時と同じじゃないか!

俺は前にエーレと戦った時、エーレの剣を振るう速度が速すぎてついていけなかった。このままだと、あの時と同じだ。

そういうわけには行かねえ!

俺は全力でエーレの剣を振るう速度についていく。

もっと速く!もっと強く!

そうして全力で刀を振るっていると、エーレの雰囲気が変わった。

何だ?

俺が疑問に思うと同時に、エーレはもっと速く剣を振るってきた。

何だと!?これ以上はやばい!

そう思った時だった。

「ぐっ!」

遂にエーレの剣が俺の右脇腹を掠った。

やばい!

俺はそう思い、痛いのを我慢して無理矢理後ろに飛んだ。すると、一瞬遅れてエーレの剣が振るわれた。あのままあそこにいたら、俺は確実にやられていただろう。

そうして何とかエーレと距離を取る。

「はあ……はあ……はあ……」

「そろそろ限界ですか?」

エーレがそう聞いてくる。

「はあ……はあ……まだまだやれるさ」

俺はそう言って刀を構える。

「そうですか。では、行きます!」

エーレがこっちに向かって来た。

どうする。このままじゃあさっきと同じ事の繰り返しだ。

そう考えていると、ふとある事を思い出した。

一か八か、やってみるか。

俺は刀を構えて、エーレを待ち構える。

「はあ!」

エーレは水平斬りを放ってくる。

俺はエーレの剣に合わせて、刀を振るう。そして刀と剣が触れた時、俺は剣の力に逆らわずに受け流す。

「え!?」

手応えを感じなかったのだろう。エーレが少し驚いている。

「ふっ!」

俺はその隙に攻撃を仕掛ける。

「くっ!」

しかし、エーレはすぐに俺の刀を剣で受け止めようとしてくる。それを俺は手首を捻り、刀の向きを変えてエーレの剣を躱す。

「ぐっ!」

エーレは無理矢理体を捻り、俺の攻撃を躱そうとする。しかし、完全に躱す事は出来ずに左脇腹を掠る。

エーレは後ろに飛んで、一旦距離を取る。

何とか成功したか。

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