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守るべき存在、失われる世界  作者: 上月 佑幸
クリスティア編
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純白世界で出会う少女

 純白世界にて2人の魔王はその手に持つ得物を激しくぶつけ合っていた。

 槍と大鎌。どちらも超重武器の部類にも関わらず軽々と振り回しては火花を散らす。

「まさか、武器殺しの槍を受けても破壊できないとはね。流石は上位に位置する因果創神器といった所か……」

「えぇ、でも確実に女神の大鎌は死に近づいているわねぇ~。あまり打ち合わせたくはないんだけどなぁ」

 そう言いつつもリリアンは叩きつけるようにその鋭利な刃を槍に打ち付けるように振り回す。

「そういう割には俺じゃなく槍を集中的に攻撃してるように見えるのは俺だけかな?」

 クルトも縦横無尽に振り回される大鎌を槍で受け止めるが、手から全身に駆け抜ける鈍い衝撃に口元が歪む。

「楽しければそんな些細なことどうでもいいじゃない? ねぇ、何でクルトの因果創神器が効力を発揮しなかったのか知りたくない?」

「教えてくれるのか?」

「い~や。でももう一度、私に勝つことができたら教えてあげてもいいわよ~」

「なら、勝たせてもらうぞッ!」

 後方に大きく飛び退き、矛先をリリアンの胸元を標準とし地を跳ぶように駆け鋭い一閃を生み出し抜ける。

「痛っ~」

 リリアンの胸から逸れた脇腹を軽く抉り衣服を赤く染め、膝を突き傷口を押さえつけていた。

「やるじゃないか……リリアン。正直言って見くびっていたよ」

 クルトの背部を大きく切り裂き、薄いローブがはだけ胸元をずり落ちないよう両手で押さえながら背中の痛みに表情を少々強ばらせながらも笑っていた。

「そうかしらぁ? クルトちゃんは本気出してないじゃない。未来創造の力と、えっと~……そうそう、常世の術式だったっけ? あれをこの場で100%の状況で使われてたらお姉さんに万が一にも勝利はなかったわよ」

「この勝負はどうする。まだ続けるか?」

「私の負けでいいわよぉ。あ~あ、また負けちゃった」

 悔しそうではあるが楽しめたからいいかという感じのリリアンにクルトは次元召喚で取り出した無色の珠を1つ投げ渡す。

「これは、傷を癒す因果創神器だ。傷口に当ててしばらくしたら珠が真っ赤に染まるから、それが完治した証拠だ。よければ使えよ」

 手本を見せるように背部に珠を当てるが何分手が届きにくい場所なので苦労していた。

 その様子を見てアルベールが駆け寄り、クルトの手から無色の珠を奪い代わりに当てる。

「ご苦労だったなクルト」

「近接戦も面白いものだね。刃と刃をぶつけあう衝撃に少しばかり楽しさを感じたよ」

「そうか。それはそうとクルト、お前も恥というものを覚えたのだな」

「まぁな。人間社会に触れていると色々と学ばされるよ」

「うむ」

 遠目に2人のやり取りを見ていたリリアンはそんな会話に苦笑を浮かべつつ、自身の傷を癒すべく無色の珠を見たとおりに使う。

「クルトちゃん知りたくない? なんで貴女の因果創神器が効力を発揮しなかったのか」

「教えてくれるのか?」

「約束だしねぇ、知りたかったら教えてあげるわぁ」

「じゃあ、是非とも教えてもらおうじゃないか」

 傷の癒えたクルトは次元召喚で取り出した洗濯バサミで切り裂かれた衣服の背部を仮止めし、アルベールはそんなものまで次元空間にしまっていたのかとツッコミそうになるのを必死に押さえる。 

「話しは簡単なのよぉ、この世界は貴方達が話していた通り邪神の聖域なのよね。それで、この世界に力の強い異物は排除の対象として捉えられちゃうのよ。だから、私の大鎌も真価は発揮できなかったのよねぇ。どう? 単純でしょ」

 確かに単純ではあるが、排除されてしまうのなら術式はどうなのだろうかとも思ったが多分そこまではリリアンも把握しきれていないだろうとその疑問を飲み込む。

 今リリアンが言った事が本当なら女神の大鎌を使って空間を切り裂き脱出するという方法は断念せざるを得ない。

「そうか。じゃあリリアン。この場所から出る方法ってのは分かるか?」

「それは流石に分からないわねぇ。ふふ、でもなんとなくだけどもう少ししたら出られる気がするのよね」

「ふむ、女の勘というやつか?」

「女の勘って意外と当たるのよね」

 アルベールは女性であるクルトに視線を向けるが、不愉快そうな表情をされたので再びリリアンに戻す。

「して、リリアンの言うもう少しとはどれくらいなのだ?」

「さぁ、でも本当にもう少しな気がするのよ。だから、お姉さんの言うことを信じて黙って待ってなさい」

 これはもう話す事はないから静かにしててくれという意味なのだろうとアルベールはそう受け止め、言われた通りに黙り込む。

 それから3人ともしばらくの間沈黙を決め込むこと数十分。そこに新たな変化が現れた。

「あれ? アルベール君にクルトさん、リリアンさんまでどうして此処にいるんですか?」

 突如白い空間から生まれたように皆がよく知る人物クリスティアが現れた。 

こんばんは上月です(*´ω`*)

ようやく次のお話しで純白色の世界から抜け出します。

そこから少し日常的なものを書いていくつもりです。もしかすると皆様には退屈になってしまうかもしれませんが、もし良ければ暇つぶし程度にでも読んでいってくださいm(_ _)m

次回は7月4日の月曜日に投稿しますのでよろしくおねがいします!

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