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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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大雨が降る中

荀彧が加わった曹操軍は許昌を出陣し、揚州の合肥へと進軍した。

 特に支障もなく進み続けていたがのだが、揚州と豫洲の州境にまで来て足を止めざる得ない事が起きた。

 州境には河が流れているのだが、数日前から大雨が降っている。

 その為、水嵩が増しており船を使っても渡河できない程に荒れていた。

 河から離れた所で、野営をする事となった。

 天幕には雨粒が降り注ぐ音が聞こえる中、軍議が開かれていた。

「まだ、河を渡る事が出来ぬのか?」

 曹操がそう尋ねると、程昱が首を横に振った。

「この大雨により、河の水嵩が増して河の水が濁る程に荒れております。当分渡る事が出来ませぬ」

 程昱の報告を聞いて、曹操は唸っていた。

 曹操としては早急に合肥に向かい、劉馥達を救援したいと思っていた。

(河を渡る事が出来なければ、何も出来ぬな)

 何も出来ぬ事に焦れている曹操に荀彧が声をかけた。

「丞相。天候の前には誰も勝てません。此処は大雨を止むのを大人しく待ちましょう」

「確かにそうだが。我らがこうしている間に、孫権が合肥を攻めているかもしれんぞ」

「大雨が降っている中で攻めるのは、通常の城攻めよりも兵の疲労させます。合肥は劉馥殿が赴任してから守りが固めていると聞いております。ですので、孫権が数万の兵で攻めても落とすのは無理と言えるでしょう」

 荀彧の冷静な分析を聞いて、曹操を含めた他の者達も納得するのであった。

 郭嘉達は内心で相変わらずの優れた分析力だと思い頼もしいと感じていた。


 同じ頃。合肥近くの孫権軍の陣営。

 城の包囲をしているが、大雨により攻撃を中止する事となった。

 軍議が開かれている天幕の中では、合肥を監視している兵からの報告を聞いていた。

「城壁には沢山の莚が被せられており、それにより城壁に水が染み込むのを防いでおります。また、城壁には大量の篝火が焚かれております」

 兵の報告を聞いて、ざわつきだした。

 この時代の城壁は土を押し固めて出来ているので、水が染み込めば押し固めた土が柔らかくなり、下手をすれば城壁が崩壊するという事も有り得た。だから、莚が掛けられて水の防ぐのは分かった。

 大雨が降る中で、篝火が焚かれている事に驚いている様であった。

「この大雨の中でも、篝火が消えぬとは。何を燃料にしているのだ?」

「魚油だと水でもそう簡単に消えぬと聞いた事があるぞ」

「しかし、この大雨ではいずれ消えるであろう」

「大量の魚油があれば可能ではないか?」

「それほどの量を何時から用意していたのだ?」

「まさか、我らが攻め込む事を想定して用意していたというのか?」

「馬鹿なっ。何時攻め込むが分からないのに、大量の魚油を用意したというのかっ」

「だが、現に大量の篝火が焚かれているという事は、大量の魚油を用意したという事であろう」

 家臣達が意見を交わしていると、孫権は魯粛に話しかけた。

「魯粛。どう思う?」

「恐らくそうなのだと思います。でなければ、大量の篝火など用意できないですから」

「そうか。敵にそれだけの備えがあるという事は、夜襲は出来んな」

「はい。それよりも、この大雨を別の方法で使うべきです」

「別の方法だと?」

「はい。この大雨では、敵も視界が開けず攻撃を仕掛けて来ないでしょう。ですので、部隊を少しずつ濡須水に移動させましょう」

「ふむ。一度後方に下がり態勢を整えるというのだな」

「その通りです。このまま、包囲を続けた所で合肥を攻め落とす事が出来ません。濡須水にて守りを固め、曹操軍を迎え打ちましょう」

「良し。それでいこう」

 魯粛の意見を採用した孫権は直ぐに濡須水に部隊を移動する様に命じた。

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― 新着の感想 ―
周瑜は既に亡く、陸遜は早くから中央に出ている。となれば魯粛以外に知将は居ない訳だが……。 濡須に引いたことで、逆に魏が突破した事の無い戦場になったが果たして
陸遜いないし呂蒙がまだ覚醒していないから呂粛が孫呉の生命線だなぁ   
魯粛頑張ってほしいなあ
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