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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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反応を見るにしても

 象が暴走したという話は直ぐに曹操の耳に入った。

 その報を聞くなり、直ぐに捕縛を命じた。

 出来る限り殺さずに捕らえる様にとも伝えた。

 

 数刻後。


 暴走していた象であったが、兵を数十人に逃げられない様に十重に二重に包囲されて捕縛する事が出来た。

 その後に、曹操の元に曹沖が象に襲われたという報が持たされた。

「曹沖がっ⁉ 怪我はないのか⁉」

「はっ。幸い何処も怪我はないそうです」

「そうかっ、とりあえず会いに行こうか」

 無事だという話を聞いて安堵したが、曹操は直ぐに会いに行く事にした。

 

 丞相府を後にした曹操は屋敷に辿り着くと、直ぐに曹沖の部屋へと向かった。

 長廊を歩き、曹沖の部屋の前まで来ると、部屋から騒がしい声が聞こえて来た。

「そうか。そんな事になっていたのかっ」

「危ない所だったな。無事で何よりだ」

「本当にそうだね」

「沖、無事でなによ、ひいいっ」

「熊兄上。舐められただけで、そんな悲鳴をあげなくても」

「哮天。止めなさい」

 声から、曹昂達兄弟がいるのだと分かった。

 曹沖が象に襲われたという話を聞いて、駆け付けたのだと分かった。

 その声の明るさから、大丈夫だと分かった曹操は微笑んだ。

 そして、護衛の典韋を部屋の外で待機させて、曹操は部屋に入った。

「沖。無事なようだな」

「「「あっ、父上」」」

 曹操が部屋に入ると、席に座る曹沖の周りに、曹丕、曹彰、曹植がおり頭を撫でたり無事な姿を見て喜んでいた。

 曹熊は何故か曹昂の愛犬である哮天に伸し掛かられて床に倒され、顔を舐められていた。

 そんな曹熊を見て、曹彪は呆れて見ていた。

 曹昂は遊んでいるのか、それとも気に入っているのか分からないが、珍しいと思いつつ舐めるのを止める様に言うが、哮天は言う事を聞かず舐め続けた。

 その光景を見て曹操は何と言えば良いのか分からなかったが、とりあえず曹沖の無事を確認した。

「沖。どうだ? 何処も怪我はないか?」

「はい。哮天が助けてくれましたっ」

 曹操が尋ねると、曹沖が笑顔でそう答えた。

「あの犬が?」

 曹操は哮天に目を向けたが、何処も怪我を負っている様に見えなかった。

 象を相手に何をしたのだろうと思っていると、曹沖が話し出した。

「象が暴れて、僕達に向っていたのですが。哮天が咆哮して駆け出すと、象の鼻の部分に噛みついて食い千切ったんですっ」

「象の鼻を食い千切った⁉」 

 曹沖の話を聞いて、曹操は耳を疑った。

 象の鼻の方が太いのに、犬の口で食い千切れると思えなかったからだ。

 其処に曹昂が近づいて囁いた。

「報告を聞いて、捕まえた象を見たのですが、鼻の一部が食い千切られていました。恐らく、哮天が噛みついて引き千切ったのでしょう」

「ああ、成程な」

 鼻を食い千切ったのではなく、一部を食い千切ったのであれば納得できると思った曹操は成程と頷くのであった。

「しかし、犬の噛み付きで象の皮膚が食い千切れるのか?」

「実際食い千切られたのですからそうなのでしょう」

 曹昂がそう言うが、曹操は半信半疑であった。

 その後、曹沖が無事だと分かった曹操は少し話した後、部屋を後にした。

 その際に曹昂に部屋に来るように伝えた。


 少しして、曹操の部屋に曹昂が来た。

「父上。話とは何でしょうか?」

「・・・・・・」

 曹昂の問いに、曹操は直ぐに答えなかった。

 暫し黙った後に、おもむろに口を開いた。

「・・・・・・此度の象の暴走をどう見る?」

「どう見るも何も、単純に象を扱う者達の扱いが下手で暴れただけでは?」

「そうかも知れん。だが、孫権の贈り物という事が気になっているのだ」

 曹操の言葉を聞いて、曹昂は言葉の意味を測りかねていた。

「おっしゃる意味が分かりません。父上」

「象は我が国にはいない。それは棲むのに適していない土地という事であろう」

「そうですね」

「であれば、気候的に象が暮らすのに向いていない。そんな動物を送るという事は、暴れる事も想定できたのではないか?」

「・・・まさか、父上」

 曹操の話を聞いて、曹昂はようやく言葉の意味を理解した。

「まさか、孫権が象が暴れる事を予想して贈り物にしたというのですか?」

「有り得んとは言い切れんだろう」

「父上、考え過ぎですよ」

 象が暴れただけで、其処まで考えるのは疑い過ぎだろうと思い曹昂は呆れていた。

「分からんぞ。孫権は何が目的で考えているのか分からんからな。此処は相手の反応を見るべきだと思うのだ」

「反応を見るですか? 何をするつもりですか?」

「合肥に兵を送る」

 曹操がそう述べるのを聞いて、曹昂は手を振った。

「その様な事をしなくても良いでしょう。此処は二喬は何時許昌に送られるのか聞くだけで十分」

「甘いっ。そんな事を聞いた所で、送ると言って送らない事も考えられるであろう」

「いや、今の状況ではそのような事はしないと思いますよ」

 曹昂は流石に止めた方が良いと言うが、曹操は聞き入れなかった。

「いや、そろそろ孫権が何を考えているか知りたいからな。兵を送る」

 曹操が兵を送る事を決めたが、曹昂は翻意させようと説得したが聞き入れてもらえなかった。

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― 新着の感想 ―
君臣豊楽国家安康の鐘事件やん・・・ww曹操ぱっぱのいちゃもんw
>象は我が国にはいない 人に狩られてどんどん人が少ない土地にしかいなくなったというべきか… もっと北のシベリアの無人島には三国志の2000年ぐらい前まで象(マンモス)いたわけだし 孫権(&呉国大そ…
 毎度思うのですが、通算1000話越えてるのに、ストーリーを破綻させず、よくこんな速度で更新できるなーと感心します。  素直に凄いと思いました。
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