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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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そんな伝統など作りたくない

 翌日。


 朝廷での報告を終えた曹純達が曹昂の屋敷を訪ねて来た。

 久しぶりに親戚に会えるという事で、曹昂は宴を催してもてなした。

 酒と共に置かれた膳には、黒っぽい液体が入った器と皿があり、乗っていたのは淡い黄色い塊が置かれていた。

 表面はブツブツとした物がついていた。

 断面を見ると、白い部分と半透明な部分が見えた。

「子脩。これはなんだい?」

 公の場でもなく、参加しているのが曹純、曹休、曹真の三人だけだからか、気軽に字で呼ぶ事になった。

 曹純が切られた淡い黄色い物を箸で摘まんで訊ねて来た。

「最近出来た料理なんだ。炸猪排と言うんだ」

「へぇ、この液体をかけるのか?」

「はい。辣酱油(ラージャンユ)という物です」

「ふ~ん、・・・・・・・むっ、辛みの中に切れのある酸味と甘みを感じさせる汁だな」

 話を聞いていた曹真が箸を器の中に入れて、少し掬い口の中に入れて、初めて体験する味だからか目を白黒させていた。

 曹真が食べるのを見て、曹純達も辣酱油(ラージャンユ)を炸猪排に掛けていく。

 辣酱油(ラージャンユ)を掛けられた事で、炸猪排の衣が黒く染まって行った。

 曹純達は炸猪排を箸で摘まみ、口の中に入れていく。

「「「・・・美味いっ」」」

 三人はほぼ同時に味の感想を言うのであった。

「炸猪排は表面の部分はしっかりと火が通されていて、カリっとしているな。中を食べると肉の味を感じさせてくれるな」

「この透明な部分は、脂の様だ。火が通されている事で、噛むとジュワリと脂の甘味を感じる事が出来ます」

「其処にこの辣酱油(ラージャンユ)の複雑な味が絡み合い、後を引く味になりますな」

 曹純は酒を飲みながら、炸猪排を食べて行った。

 一切れでは足りないのか、三人ともお代わりを頼むのであった。

 余談だが、曹真が一番お代わりを頼み、一人で五枚の炸猪排を食べるのであった。


 妓女など用意していない、食べ物を食べるだけの宴だが、曹昂達は楽しそうにしていた。

 酒も飲んでいるからか、曹真が少し顔を赤らめながらも話しかけて来た。

「そう言えば、子和殿。例の娘達はどうするのですか?」

 曹真がそう言うのを聞いて、曹昂は最初誰の事を言っているのか分からなかった。

「あの子達の事かい。行く当てもないと言うし、折角捕虜にしたのだから、わたしが預かる事にしたよ」

「ああ、やっぱり」

 曹純がそう言うのを聞いて、曹真は納得するのであった。

「子丹。どういう意味だ?」

「いえ、子孝殿が絶対嫁にするつもりで、捕まえたと言っていたので」

「い、いや、違うから。あれは兄上の勝手な想像だからな。わたしは決してそんなつもりなど、一切ないからっ」

 曹純が必死に否定するのを聞いて、曹昂は何の話をしているのか気になった。

(待てよ。さっき、曹真は娘達と言ったな。そう言えば、報告で曹純が劉備の娘達を捕虜にしたと書かれていたな)

 その娘達が劉備の娘達という事は、曹昂は直ぐに悟った。

 そして、話の流れから曹純が否定する意味も理解した。

「・・・・・・まさか、子和殿が略奪婚を狙っているとは。貴方は我が一族の中では数少ない良識な人だと思っていたのに」

「いやいや、違うからね。わたしはそんなつもりで捕まえた訳ではないからっ」

「本当ですか?」

 曹昂は頭から疑っていると、曹休が口を挟んで来た。

「従兄上。子和殿がそう言うのですから信じても良いと思いますよ。決して自分の妻にするつもりで捕まえていませんよ」

 曹休は曹純の言葉を信じているのを見て、相変わらず素直だなと曹昂は思うのであった。

「そう言えば、文烈はそろそろ婚儀を挙げるそうだな」

「はい。日取りはまだですが、従兄上も参加してくれますか?」

「他ならぬ文烈の婚儀だからな。参加したいと思う」

「ありがとうございますっ。妻も喜んでくれますし、親戚の皆様も久しぶりに会える事を喜んでくれると思います」

 曹休が嬉しそうに顔を緩ませていた。

「ふむ。しかし、あれですな。丞相は人妻や未亡人好きで、従兄上は略奪婚はする。これで子和殿が劉備の娘達を娶れば、曹家の男子は略奪婚をするという伝統が出来そうですな」

「そんな、伝統いらないから」

 曹真が馬鹿な事を言うのを聞いて、曹昂は溜息を吐いた。

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― 新着の感想 ―
だから太るんだぞ曹真…w
今日も平和な曹一族であったw 丁夫人<頭痛が痛いわ…
夏侯惇、丁夫人の頭痛の種が量産されていく。
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