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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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せっかくの見せ場だが

 曹仁軍が長板橋に向っている頃。


 敵の追撃から逃れる事が出来た張飛が先に着いていた。

 直ぐに橋を渡り、劉備の元に向った。

「兄者っ、兄者は居るか⁉」

 大声で劉備の生存を確認する張飛。

 その声が聞こえたのか、劉備が姿を見せた。

「張飛。お前も無事だったかっ」

 劉備は張飛を見るなり、近づき肩を抱いた。

「おお、兄者。無事で何よりだ。他の者は?」

「馬順も孫乾も廖化も無事だ。お前の妻も無事だ」

「そうかっ・・・・・・兄者の妻子はどうなった?」

 張飛は自分の妻も無事と聞いて喜んだが、直ぐに劉備の妻子がどうなったのか気になり訊ねた。

 劉備は少しだけ言い辛そうな顔をした後、甘夫人は無事であったが麋夫人と娘達は行方不明だという事を教えた。

「何だとっ⁉ では、直ぐに探しに」

「いや、もう敵が迫っているのだ。今探しに行けば敵の手に落ちるかもしれん。三人には申し訳ないが、見捨てる」

「良いのかっ?」

「仕方がない。妻も新しく娶ればよい。子も新しく作ればよいのだからな」

 非情な事を言う劉備。

 その顔は苦悩に満ちていた。

 張飛はその顔を見て、断腸の思いで決断したのだと分かり何も言えなかった。

 其処に橋の付近を見張っていた兵が駆け込んできた。

「申し上げます。橋の向こうから砂埃が立ち上がっておりますっ。恐らく敵軍が近づいてくると思います」

「もう来たか。急ぎ逃げる準備を」

 劉備は近くに居る者達に声を掛けようとしたが、張飛が止めた。

「兄者。この地に来た者達は必死に敵の追撃から逃れた者達だ、皆疲れているだろう。此処はもう少しでも休むべきだ」

「だが、どうやって休ませるのだ?」

 劉備の問いに、張飛がニヤリと笑った。

「我に策ありだ。此処は俺に任せてくれ」

「お前がか?」

「おうっ、敵も俺の策に驚くだろうな。そして、今日からは俺は知将張飛大将軍様と呼ばれるだろう。あはははは」

 張飛が自信ありげに笑いながら述べた。

 それを聞いて、劉備を含めた皆は衝撃のあまり言葉を失っていた。

 

 少しして、曹仁軍が長板橋に着いた。

 後は橋を渡ればいいのだが、その橋を前にして足を止めていた。

 その橋には馬に跨った張飛が居た。

 前方に居る曹仁軍に、張飛は叫んだ。

「燕人張飛ここにあり、此処より先は誰であろうと通さん!」

 雷のような大音声で叫んだ。

 あまりの大きな声に馬が怯えて暴れ始めた。

「張飛め。だが、たかが一人だ。掛かれ!」

 曹仁は乗っている馬を宥め終えると、部下達に攻める様に命じた。

 兵達は一斉に張飛に殺到した。

 だが、橋は大人数を渡る様に出来ていない為、人数が限られていた。

 少なくなった人数で迫るが、張飛が蛇矛を振るうとあっけなく討たれていった。

 数十の数の兵が大地に倒れるのを見て、兵達の腰が引き始めた。

「何と言う豪勇よ。流石は呂布と渡り合ってきただけの事はあるか」

 曹仁は張飛が疲れるまで攻めるかと考えていると、背後にある林が揺れているのが見えた。

(林に兵を隠しているのか? これはどうするべきか)

 張飛も人間である以上、腹も減り疲れると分かった。

 もう戦う事も出来ない程に疲労させて突破しようとしたのだが、伏兵がいるのであれば話が違った。

 橋を渡っている最中に攻撃されれば、被害を増すだけであった。

(劉備を討ち取れば終わりだというのに、無用な被害を出すのもな)

 曹仁は此処は被害が出る事を前提にして突撃するか、それとも一度下がり司馬懿、曹純の軍勢と合流してから対処をするか考えていた。

 其処に後方に居た兵が司馬懿軍が来たことを報告してきた。

 と同時に司馬懿が曹仁と話がしたいと来てる事も伝えた。

 曹仁は直ぐに連れて来るように命じた。

 少しすると、兵が司馬懿を連れて来た。

 司馬懿の後ろには一人の男性が居た。

「曹将軍。この様な場所に留まりどうされました?」

「あれを見よ」

 司馬懿の問いに、曹仁は答えず指で指し示した。

 指の先には橋に居る張飛が居た。

「張飛が居る事で橋を渡る事が出来ずにいるのだ。しかも後ろの林には兵を隠している様だ」

「成程」

 曹仁の話を聞いて、司馬懿は張飛の後ろの林を見た。

 木々が僅かに揺れているのを見た。

「確かに兵を隠しておりますな。これは困りましたな。兵は多くないでしょうが、我らが橋を渡っている時に攻撃されるかもしれません。それに、我らが橋を渡っている間に橋を焼くかも知れません。そうなりますと、劉備を追うのが遅れるでしょうな」

「そうなのだ。どうするべきだと思う?」

「此処はわたしにお任せを」

 司馬懿はそう言って、後ろに居る者を見た。

 其処に居たのは降伏した徐庶であった。

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― 新着の感想 ―
>今日からは俺は知将張飛大将軍様と呼ばれるだろう 盛大に自分でフラグたててて草。大耳一家をはやくコテンパンにして欲しい(;´д`)
おや…?酔っ払いの大一番の舞台をぶち壊す策があるなら是非w
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