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第109話 灰重断

 灰標団ベルディア支部へ戻った時、夜はさらに深くなっていた。


 水車倉庫の灰標は、変わらず灯っている。

 その光の下に、北巡礼宿から救い出した二人の子どもが座らされた。


 鳥羽の少女、ミア。

 犬耳の少年、ロク。


 どちらもまだ震えていた。

 けれど、荷車の中ではない。

 声止め布もない。

 手首の荷札も外されている。


 サリカとリザが水を渡し、ルカが骨札に名前を書いた。


 ミア。

 ロク。


 姓はまだない。

 年も曖昧。

 出身もわからない。


 それでも、荷ではなくなった。


 透はその二枚の骨札を見てから、地下へ降りた。


 仮境目房には、捕縛者が増えていた。


 灰境商の男。

 片目の女。

 古井戸の下働き。

 北巡礼宿の護衛。

 そして帳場番ジグ・ラウ。


 狭い地下室は、もうただの貯蔵室ではない。

 敵か、証人か、荷を売るだけの屑か。

 それを決めるための場所になり始めていた。


 ジグ・ラウは壁際に座らされていた。


 両腕は後ろで縛られ、耳の後ろの三本線と欠け点はシェラによって写し取られている。

 口元には血が残っていたが、意識はある。


 透はその前に立った。


「廃石橋」


 ジグの肩が小さく跳ねた。


 透は続ける。


「お前は、次の帳場が廃石橋だと言った」


「言った……言っただろうが。だから――」


「嘘ではない」


 ジグの目がわずかに揺れる。


 透はしゃがまない。

 見下ろしたまま、指を立てる。


「だが、言い方がおかしい。『次は聖灯孤児舎の裏じゃない、本当は廃石橋』。そう言った」


 マリウス査察官が地下室の入口で筆を構えた。


 シェラも記録板を開いている。


「つまり、聖灯孤児舎は囮として使う予定だった。廃石橋は移動先じゃない。すでに使っている帳場だ」


 ジグの顔から血の気が引く。


 透は二本目の指を立てる。


「鐘が戻らなければ帳場を燃やす。そうも吐いた。鐘は潰した。お前も戻らない。なら、今、廃石橋では燃やす準備が始まっている」


 三本目。


「北巡礼宿の鉄箱に骨札名簿が残っていた。帳場番なら、本来そんなものは先に移す。残した理由は、廃石橋側にも写しがあるからだ」


 四本目。


「灰境商は、荷道を一つだけにしない。古井戸、白花橋、北巡礼宿。なら廃石橋にも、逃げ道と焼却路がある」


 透は手を下ろした。


「今から燃えるな」


 ジグは口を開けた。


 だが、何も言えなかった。


 その沈黙だけで十分だった。


 レオナが地下へ降りてくる。


「また今から行く気か」


「行く」


「支部戦、北巡礼宿、その後でだぞ」


「燃えるなら、今だ」


 透の返答は変わらない。


 レオナは額を押さえた。


「理屈はわかる。だが、人員を削りすぎれば支部が危ない」


「全員は連れていかない」


 透は即座に配置を切った。


「支部はガレン、久世、相良、アルマ、ダグラス。レオナとマリウスは残って記録と保護。救出者と捕縛者を守れ」


 久世が地下入口の向こうで顔を上げる。


 今度は、連れていけとは言わなかった。


 透は続ける。


「廃石橋へは俺、リィン、バルザ、シェラ、ネイラ、ルカ、オルガ」


 レオナが眉を寄せる。


「ルカもか」


 ルカは道番の板を抱え、透の横に立っていた。


「橋の道、古い。たぶん、下に別の道」


 透は頷く。


「ルカがいないと、逃げ道を見落とす」


 レオナは反論しなかった。


 ただ、短く言った。


「戻れ」


「戻る」


 透はそれだけ返し、地下室を出ようとした。


 その時、リィンがまた袖を掴んだ。


 透は振り返る。


 リィンは透の右腕ではなく、肩と手首を見ていた。


「灰、重い」


 透は一瞬黙った。


 北巡礼宿で斬った盾。

 荷車騎兵を止めた時の衝撃。

 魔導獣の残骸を喰った灰。

 折れた車軸、死んだ札、焼けた命令、黒い油。


 灰が、体の奥に残っている。


 力になる。

 だが、巡りきっていない。


 リィンにはそれが見えている。


「動ける」


「知ってる」


 リィンは袖を離さない。


「でも、重いままだと腕が遅れる」


 透は右手を握る。


 確かに、いつもより灰骸刀の柄が重く感じる。


 疲労ではない。

 灰が多すぎる。


 シェラが横から言った。


「透の灰循環、通常より二十七パーセント高密度。膂力増加の可能性あり。ただし関節、筋肉、灰殻手甲への負荷増大」


 ネイラが腕を組む。


「燃え残りを腹に溜めすぎた火みたいなものか」


「類似」


 バルザが牙を見せる。


「なら、出せばいい」


 透は右手を見た。


 灰を巡らせる。

 ただ速くするためではなく、重くする。


 刃を鋭くするのではない。

 刃を重くする。


 斬るというより、叩き割る。

 盾も鎧も荷車も、逃げ道の門も。


 透の中で、灰が沈む。


 軽い灰ではない。


 喰った死骸、折れた鉄、潰れた札、砕いた車軸。

 それらの重さが、腕に集まる。


 リィンの青い針が透の手首へ一本刺さった。


「暴れないように、押さえる」


「三呼吸か」


「今度は、五」


 バルザが笑う。


「増えたな」


 透は黙って腕を差し出した。


 リィンの針がもう一本、肘の近くへ入る。


 一呼吸。

 重い灰が、腕の中で沈む。


 二呼吸。

 灰骸刀の鞘が、低く鳴る。


 三呼吸。

 透の足元の埃が、ゆっくりと沈んだ。


 四呼吸。

 右腕の灰殻手甲に、細い灰色の筋が走る。


 五呼吸。


 リィンが針を抜いた。


「一回なら、いける」


「一回か」


「今は」


 透は頷いた。


「十分だ」


 シェラが記録する。


「新規灰循環形態、仮称未定。高密度灰を右腕および灰骸刀へ集約。単発高威力斬撃に適性」


 透は灰骸刀の柄に触れた。


 名は、まだいらない。


 必要になった時に決まる。


 廃石橋は、ベルディア北東の古い石橋だった。


 巡礼路から外れた旧道にあり、今はほとんど使われていない。

 川というより、深い排水谷を跨ぐ橋。

 下には古い水路と、崩れた地下道が絡んでいる。


 夜の廃石橋は、黒く沈んでいた。


 だが、遠くからでも火の匂いがした。


 ネイラが顔を上げる。


「燃やしてる」


 ルカが走りながら道番の板を見る。


「橋の下。右の穴。あと、橋の向こうに荷車」


 オルガが屋根もない夜道で、槍を三本手に取る。


「見張りがいる。橋の上に二、下に四。奥に重いのが一つ」


 バルザが首を鳴らす。


「重いの?」


 シェラの右目が光る。


「大型魔導荷台。荷車騎兵より重装。前面黒鉄板、側面魔導脚、上部に焼却炉。帳簿焼却用兼突破用の可能性」


 ネイラが舌打ちする。


「炉まで積んでるのか」


 透は廃石橋の前で止まらなかった。


 見張りの一人が叫ぶ。


「来たぞ! 灰標団だ!」


 橋の上で弩が構えられる。


 オルガの槍が先に飛んだ。


 一投目が弩の弓部を砕く。

 二投目が男の袖を石橋へ縫う。

 三投目がもう一人の足元に刺さり、退路を塞ぐ。


「上は任せろ」


 透たちは橋へ踏み込む。


 橋の下から、黒い煙が上がった。


 シェラが叫ぶ。


「焼却炉、起動準備。骨札または帳簿が燃えるまで推定六十呼吸未満」


「急ぐ」


 橋の向こうから、重い音がした。


 黒鉄の魔導荷台が姿を見せる。


 荷車騎兵よりも大きい。

 前面には分厚い黒鉄板。

 上には小型炉。

 炉の中で、骨札と紙束が燃え始めている。


 その前に、灰境商の護衛が並んだ。


 盾持ちが四人。

 槍が二人。

 鎖斧が一人。

 そして、黒鉄荷台の上に、仮面の男。


 仮面の男は透を見て笑った。


「帳場番ジグが潰れたか。なら、帳簿も名も灰にするだけだ」


 透の目が冷える。


「灰にする?」


「ああ。お前の大好きな灰だ」


 男が手を振る。


 黒鉄荷台の炉が赤く燃え上がる。


 ネイラが黒炎を伸ばそうとする。


 だが、シェラが言う。


「距離が遠い。炉の外枠に反黒炎膜あり」


 リィンの青い針が飛ぶ。


「封印膜、硬い」


 バルザが前へ出る。


「なら、近づく」


 盾持ち四人が壁を作る。


 バルザが突っ込んだ。


 正面から。


 盾持ちたちは踏ん張る。

 四枚の盾が一つの壁になる。


 だが、バルザの体当たりで、一枚目が沈む。


 二枚目がずれる。


 三枚目の持ち手が悲鳴を上げる。


 四枚目が後ろへ押される。


「退くな!」と仮面の男が叫ぶ。


 バルザは笑った。


「無理だろ」


 両腕で盾二枚を掴み、左右へこじ開ける。


 人間の腕力ではない。


 盾の革帯が千切れ、持ち手の手首が外れかける。


 そこへ透が通る。


 槍が二本、透を狙う。


 透は灰骸刀を抜かず、左手で一本の槍を弾いた。

 右肩で二本目の柄を砕く。


 鎖斧が横から飛ぶ。


 リィンの針が鎖の輪を一瞬止める。


 透の灰骸刀が抜かれた。


 斧そのものを、峰で叩き割る。


 鉄片が夜に散った。


 だが、黒鉄荷台は動き始めていた。


 魔導脚が橋の石を叩く。

 前面黒鉄板が低く唸る。


 荷台そのものが、透たちを橋から押し落とすつもりで突進してくる。


 シェラが警告する。


「質量、荷車騎兵の三倍以上。橋幅制限あり。回避困難。衝突時、橋崩落の可能性」


 オルガが槍を構える。


「横へ逃げれば、橋下の帳簿が燃える。正面を抜くしかない」


 ネイラの黒炎が大きく揺れる。


「炉を壊せれば火は止まる」


 透は黒鉄荷台を見た。


 前面黒鉄板。

 厚い。

 重い。

 魔導具の推進力。

 炉の火。

 その奥で、名前が燃える。


 線を切るには遠い。

 封印を外すには時間が足りない。


 なら、正面から割る。


 透は灰骸刀を両手で握った。


 右腕の奥に沈めた灰が、重く動く。


 リィンがすぐに気づく。


「透」


「一回でいい」


「腕、持っていかれる」


「持っていかせない」


 リィンの青い針が、透の手首へ飛ぶ。


 刺さる。


 灰の暴れを押さえる。


「五呼吸はない」


「三でいい」


 一呼吸。


 灰骸刀の刃が、灰色ではなく鈍い鉛色に沈む。


 二呼吸。


 透の足元の石橋が、重さに耐えきれず細く割れる。


 三呼吸。


 透は踏み込んだ。


 黒鉄荷台が迫る。


 前面の黒鉄板が、夜の壁のように迫る。


 透は避けない。


 灰骸刀を振り上げる。


 腕が重い。


 刃が重い。


 だが、その重さが力になる。


 透は叫ばない。


 ただ、名を口にした。


灰重断(かいじゅうだん)


 灰骸刀が振り下ろされた。


 斬撃というより、落下だった。


 灰の重さを束ねた刃が、黒鉄板へ叩き込まれる。


 音が消えた。


 一瞬、橋の上の全員が、耳を失ったような感覚に包まれる。


 次の瞬間、黒鉄板が割れた。


 ただ切れたのではない。


 中央から潰れ、裂け、内側へ折れ曲がった。


 魔導脚が止まる。


 炉が傾く。


 荷台の前半分が、透の一撃で沈み込む。


 衝撃が橋へ伝わり、石橋全体が震えた。


 黒鉄荷台は前へ進めない。


 透の灰骸刀は、黒鉄板を割ったまま、車体の芯まで食い込んでいる。


 仮面の男が叫ぶ。


「馬鹿な、黒鉄板だぞ!」


 透は刃を引き抜いた。


 右腕が軋む。


 血が滲む。


 だが、腕は落ちていない。


 透はそのまま、割れた荷台の前面へ左拳を叩き込んだ。


 黒鉄板の亀裂がさらに広がる。


 バルザが横から飛びついた。


「なら、開けるぞ!」


 獣人の両腕が、割れた黒鉄板の左右を掴む。


 透が右へ押す。

 バルザが左へ引く。


 二人の膂力で、黒鉄荷台の前面がこじ開けられる。


 中の機構が剥き出しになった。


 ネイラが黒炎を叩き込む。


「燃えるな」


 黒炎が炉の接合部を焼く。


 火を広げる命令。

 帳簿を灰にする命令。

 骨札を燃やし尽くす命令。


 それだけを焼き潰す。


 リィンの針が封印膜を縫い止める。


 シェラの骨杭が炉の固定具を撃ち抜く。


 炉が沈黙した。


 燃えかけていた骨札束の火が、細く消える。


 ルカが叫ぶ。


「まだ下! 橋の下に箱!」


 透は右腕の痛みを無視して、橋の縁へ走った。


 下では灰境商の下働きが、燃え残りの箱を谷へ落とそうとしている。


 オルガの槍が飛ぶ。


 一人の袖を縫う。


 だが、もう一人が箱を蹴った。


 箱が橋下の闇へ落ちる。


 透は迷わず橋から飛んだ。


「透!」


 リィンの声。


 透は空中で灰瞬壁を踏む。

 落下する箱へ追いつく。


 右腕は重い。

 だが、左手がある。


 箱を掴む。


 重い。


 中に骨札と帳簿が詰まっている。


 透は空中で体を捻り、橋脚へ足をかけた。


 石が砕ける。


 灰瞬壁をもう一枚置き、落下を殺す。


 最後は、下の乾いた水路跡へ膝をついて着地した。


 箱は抱えたまま。


 右腕から血が落ちる。


 だが、箱は壊れていない。


 上からルカが覗き込む。


「取れた?」


「ああ」


 透は箱を持ち上げて見せた。


 ルカの顔が明るくなる。


「戻った」


 リィンは橋上からすでに降りてきていた。


 透の前に立つと、何も言わずに右腕を取る。


 透は抵抗しない。


「後でいい」


「今」


「まだ上が――」


「今」


 今度は、声が少しだけ低かった。


 透は口を閉じた。


 リィンは青い針を二本、三本と刺す。


 灰重断で暴れた灰が、右腕の中でまだ唸っている。

 筋肉と骨と灰殻手甲の境目が、熱を持っている。


 リィンはそれを押さえる。


 一呼吸。

 血が止まる。


 二呼吸。

 灰の重さが沈む。


 三呼吸。

 透の指先に感覚が戻る。


 リィンは小さく言った。


「一回って言った」


「一回だった」


「飛んだ」


「あれは別だ」


 リィンは透を見上げる。


「別じゃない」


 透は少しだけ目を逸らした。


 上からバルザの笑い声が降ってくる。


「主、怒られてるぞ」


「主じゃない」


 透はそう返したが、リィンの針が抜けるまで動かなかった。


 シェラが橋上で記録している。


「新技、灰重断(かいじゅうだん)。高密度灰による重量斬撃。黒鉄荷台前面を破砕。使用後、右腕負荷大。リィンによる即時安定処置必須」


「必須じゃない」


 透が下から言う。


 リィンが即座に答える。


「必須」


 シェラは記録を修正しない。


 橋上では、仮面の男がオルガの槍で地面に縫われていた。


 バルザにこじ開けられた黒鉄荷台は、もう動かない。

 炉はネイラの黒炎で沈黙している。

 盾持ちたちは床へ転がり、鎖斧の男は自分の武器の破片を見て震えていた。


 オルガは黒鉄板の割れ目を見て、静かに言った。


「Aの武器で割るものではないな」


 シェラが答える。


「A級基準外の破壊力と推定」


 オルガは透を見下ろす。


「それを何度も撃てるようになれば、S級審査どころではない」


 透は箱を抱え、橋下から上がってきた。


「何度も撃つ気はない」


 リィンが隣で言う。


「今は、撃たせない」


 バルザがまた笑う。


 ネイラは鼻を鳴らした。


「灰喰いの技なのか、リィン込みの技なのかわからないな」


 リィンは少し考えてから答えた。


「腕が残るなら、込み」


 透は何か言おうとして、やめた。


 ルカが箱に触れる。


「中、名前?」


 シェラが箱を開ける。


 焼けかけた骨札。

 紙帳簿。

 搬送路の図。

 聖灯孤児舎、北巡礼宿、廃石橋、王都東倉庫区。

 そして、白倉本庫の印。


 骨札の中には、まだ読める名前がいくつもあった。


 ミアの姓。

 ロクの出身。

 サリカと同じ亜人街から消えた者。

 白花とは別の救護施設から運ばれた者。


 ルカは震える手で、骨札を一枚持った。


「燃えなかった」


 透は頷いた。


「ああ」


 そのために、黒鉄荷台を割った。


 そのために、灰を重くした。


 そのために、新しい斬撃を振った。


 仮面の男が地面で呻いた。


「化け物め……」


 透は男の前に立つ。


 灰骸刀の刃には、黒鉄の粉がこびりついている。


 右腕にはまだリィンの針の跡。


「化け物でいい」


 透は低く言った。


「名前を燃やす炉を割れるならな」


 仮面の男は何も返せなかった。


 廃石橋の夜風が、燃え損ねた灰を散らす。


 だが、骨札は残った。

 帳簿も残った。

 道も残った。


 そして、灰標団はまた一つ、奪われかけた名前を燃える前に掴んだ。


 透は灰骸刀を鞘に戻す。


 鞘の白い骨玉が、夜の中で小さく揺れた。


 新しい技の重さが、まだ腕に残っている。


 その重さを、リィンの青い針の感触が押さえていた。


 力で壊す。


 だが、壊した後に手を残す。


 透は、燃えなかった骨札の束を見下ろした。


「支部へ戻る」


 ルカが道番の板を抱え直す。


「戻る道、こっち」


 灰標団は、廃石橋から戻り始めた。


 黒鉄荷台の割れた残骸と、燃え損ねた帳場を背に。


 その夜、灰境商の一つの帳場は潰れた。


 値札をつける炉は、灰の重さで断たれた。


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