表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/89

64. 城壁

 ジュナンやユイさん、獣人たちと一緒の城の外。そこで魔物のポイント化を終えた。


 今あるポイントは八百七十。


「とりあえず『魔導工房』は作れそうだけど。他に、作ったほうがいい施設はあるかな?」


 その質問に、イェタが今作れる施設をあげていく。


「今作れるのは『薬草園』に『謁見室』『宝物庫』! あと『錬金室』や『魔導工房』とか! 『倉庫』のレベルも二にできるよ!」


 うん、『薬草園』は、いつか作りたいが。


 そんなことを考えていると、ユイさんに、声をかけられる。


「あの……イェタ様から聞いたのですが、『倉庫』のレベルを上げると、誰が『倉庫』を使えるのかなど、細かく設定できるようになるとか」


「そうみたいですね」


 うなずく。


「だとしたら、この『倉庫』のレベルというのも、上げておいたほうが良いのではないでしょうか」


 そう言う彼女。


「町の兵士を『城の住人』にしていますので……」


 ああ、なるほど。


 確かに、『倉庫』の部屋にある黒いオーブに触れさえすれば、『城の住人』ならば誰でもアイテムなどの取り出しができる。


 彼らが盗みを働くとは思いたくないが、今の状態だと、ちょっと心配か。


「他にも、設置できる施設はあったよな?」


 ジュナンの、イェタへの質問。


「うん! 他にも『宿舎』『兵舎』『大浴場』も設置できるよーっ!」


 これらの施設は、城の外や、カルアスの町に設置できるものだ。


 設置できる数に制限はあるかもしれないが、複数設置できる様子。


「あっ、『大浴場』は良いかもしれませんね」


 ユイさんは、お風呂の設置に積極的なようだ。


「町に作れば、ケガをした兵士達を癒すことができます!」


 兵士のために、作りたいらしい。

 傷や疲れを癒す不思議なお湯だからな……


「彼らには薬草なども支給しているのですが、怪我をガマンしてしまう方がいるので」


 もったいない精神が発揮されるのか?


 そういう人のために、作っておいたほうが良いかもしれない。


「あと『魔動投石機』『魔動大型連弩』『魔動速射型連弩』『城壁』も作れるよーっ! 『城壁』を設置すると、もっとお城っぽくなるっ!」


 イェタは『城壁』が欲しい様子。


「『城壁』を設置すると、カルアスの町……『城下町』を守るバリアも強くなる! 町にバリアを出していられる時間も長くなるって!」


 へー。『城』の防壁の強さが、『城下町』のほうにも反映されるらしい。


「今は五、六時間で切れちゃうけど、それが倍以上の時間、バリアを出していられるようになるみたい!」


 それに感心したような声を上げたのはジュナンだ。


「おー、半日以上もつのか。呪気でおかしくなると、大量に増殖する魔物とかがいるらしいからな。そのぐらいの時間、町を守ることができると良さそうだ」


 呪気についての情報は、ダークエルフ達から聞いたのだろう。


 この土地は、もともと『呪気』を発生させるような土地だったらしいから、そんなことが起こってもおかしくはない。


 一応、その『呪気』を『魔力』に変換して、無害化するような力もあったみたいだが、今はどうなっているのかわからないから……


「じゃあ、欲しいのは『魔導工房』。あと『倉庫』のレベルを二に上げて……、町に『大浴場』を設置。『石壁』も『城壁』にするって感じかな」


 『薬草園』も欲しいが、薬草は、今のところ足りているから大丈夫だろう。


 手持ちのポイントは八百七十。このぐらいなら、全部作れるかな……?


「とりあえず、『魔導工房』から作っていこうか」


「わかったーっ!」


 イェタに先導されて、城の中へ。


「えいっ!」


 空き室に『魔導工房』ができた。


「五百ポイント使ったーっ! 八百七十ポイントが、三百七十ポイントになったよーっ!」


 ……なんか一気に手持ちのポイントがなくなってしまった気が。


「次は『倉庫』のレベルを上げましょうか」


 ユイさんが、近くにあった『倉庫』を指す。


 こちらを見るイェタに「頼むよ」と声をかける。


「わかったー!」


 彼女が指差した『倉庫』がピカッと光った。


「セキュリティー対策が万全になったよーっ!」


 見た目はあまり変わっていない。


 黒いオーブに、それを囲むように描かれた魔法陣があるいつもの『倉庫』で、魔法陣が少し複雑になったぐらいか。


「百ポイント使ったから、残り二百七十ポイントだよー!」


「あとは『大浴場』と『城壁』を作るんでしたっけ。ポイントは足りますか?」


 ユイさんの質問に答えるイェタ。


「『大浴場』は百ポイントで! 『城壁』は百五十ポイントで設置できるよーっ!」


 両方足して二百五十だから、二百七十ポイントあれば、どちらも作れそう。


「では、先に『城壁』を設置してから、次に町に『大浴場』を設置しに移動すれば良いでしょうか」


 まあ、町に『大浴場』を作ってから、城に戻って『城壁』を設置しても良さそうだが、イェタを待たせるのも悪い。


 ユイさんの言った順番で、設置していこう。


「それじゃあイェタ、『石壁』を『城壁』にしてくれるかな?」


「わーいっ!」


 喜んだイェタ。一緒に外へと出て『城壁』を作った。


「壁が高くなったーっ!」


 俺の首ほどの高さだった『石壁』が、三メートルぐらいになった。


「壁の厚さも、立派みたいですね……」


 門の辺りを調べて、そう判断したらしいユイさんの言葉。


 『城壁』の上へと昇るための階段があり、壁の上を歩けるようにもなっている様子。


「バリアも強くなって、『城壁』の高さなんかも変えられるようになったよーっ!」


 イェタが説明する。


「『城壁』の高さを()()しても、バリアはそのまま残るから、防衛能力はそのままに、景観を確保できるって書いてあるーっ!」


 そして彼女は俺を見る。


「トーマーっ! 『城壁』、一番()くしても良いっ!? そのほうが、カッコイイっ!」


 ……メッセージだと、『城壁』は、高さを()()して使うものらしいが、イェタは、その反対をご希望のよう。


 一応、彼女の造り主である黒神サク様のメッセージのはずなのだが……。……まあ、でも、イェタが望むのなら、そちらを選ぶしかないだろう。


「良いんじゃないかな」


 その返答にイェタが喜びの声を上げ、『城壁』は高くすることが決まったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ