六十六話『バーカバーカ!!テメェらはどう足掻こうが【悪役】なんだよ!!バーカバーカ!!』
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クロウサギたちが身を寄せているシャイニングロードホテルではないビジネスホテルの前には、クロウサギがホテルに滞在している事を聞きつけた報道陣たちが悪党共の姿を写真や映像に収めようとスタンバイしていた。
そこに駆けつける宇宙警察のパトカー。
『そこのカメラマンー退きなさーい』とトランシーバーから声をかける光太郎だが、報道陣は一切その場から離れようとしない。
『退けって言ってんだよ!』と光太郎が怒鳴れば、気づいたカメラマンが、「うわぁ宇宙警察だ!たいして仕事をしていない税金泥棒って言われてる宇宙警察だ!」と声をあげる。
パトカーから降りた光太郎が、「あぁん?税金なんて貰ってねぇよ、最低生活費と後は現物支給だよ!」と啖呵を切れば、同じくパトカーから降りた江藤が、「まぁまぁ」と光太郎を宥める。
「…意外と…若い連中なのか?」と目を丸くするカメラマンに、光太郎は「邪魔だ」と柄悪く吐き捨て、「入るぞ」と呟けば一般警察が張った規制線の中に入っていく。
江藤はユニバースカードリーダーの中にあるIDを見せ、「宇宙警察です」と言いながら敬礼をする。
ハゲの刑事が、「よくぞお越し頂きました」と敬礼を返した
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ハツネは「邪魔すんでー」と言いながら光太郎と江藤の後に続く。
邪魔すんで、と言われたハゲの刑事は、「邪魔すんならかえってー」とハツネに返すが、ハツネは聞いておらず、「ッチ」と舌打ちする。
「あれ…?今の子…宇宙人じゃなかった?」と同僚に尋ねるハゲの刑事だったが、その同僚は、「かわいいなァ…」とハツネに見とれていた。
遅れてきたパトカーで翠と春華、小次郎がやってくる。
ゾロゾロとやってくる美男美女揃いの宇宙警察に、報道陣らはクロウサギそっちのけで釘付けになる。
「わぁ♡」と喜ぶ春華。
「如月高校二年、青野春華です♡スーパーブルーやってます♡」とカメラの前で名乗る春華に、翠が「まずいよそれ」とツッコむ。
だが、翠も大勢の報道陣を前に、少しもじもじと恥じらうような満更でも無さそうな様子を見せた。
小次郎が「テレビマンはいいから、仕事だ仕事」と翠と春華の二人を連れて行く。
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早速ホテルの管理人に話を聞く江藤。
管理人は、「なんの騒ぎですか?」と困惑しつつ、「クロウサギなんて匿っていません、でも、確かに宇宙人の団体は宿泊しに来ましたよ。そんなクロウサギと言うほど悪い人たちじゃ無さそうですが…」と江藤に説明する。
光太郎は、「中入るぞ爺さん」と管理人に言った後、ホテルの中に進んでいく。
「ちょっとお客様が…」と管理人が手を伸ばすが、宇宙警察たちはズカズカとホテルの中へ入ってくる。
ホテルの談話室ではマツが「もうラビット・フレーバーを産み出す権限も無い、技も使えない…」と両手で頭を抱えて悩む。
ムクロも、「いっそ捕まってしまえば」と悲観的になっている。
他の元クロウサギの末端たちも、「…」と策を探すが全く見つからない様子。
そんな事をしているうちに、光太郎がホテルの談話室に入る。
江藤、ハツネ、小次郎、春華、翠も一緒だ。
「テメェらクロウサギクビになったんだってな」と笑う光太郎。
江藤も「クビですって光太郎さん」と馬鹿にするように笑う。
「バーカバーカ」ハツネは人差し指をクロウサギの末端たちに向けながら爆笑する。
「あッれー。お宅ら、サルのやつとオオカミのやつはどうしたよ。それにやたら殺気立ってたあいつもいねぇじゃん」と言う光太郎に、クロウサギたちは俯く。
翠は「なに…」と急に静まり返った談話室を見て、静かに呟いた。
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クロウサギの一人が「ソードさんも…サルジマさんも…ミドハラさんも…消えちまいました」と末端の一人が言う。
改まって言われては、グスグスと涙ぐむ元クロウサギの末端たち。
「消えたァ?」と光太郎は首を傾げる。
小次郎も、「悪い事はするもんじゃないな」と頷きながら言った。
マツは拳を震わせる。
「そんな事を言うんなら…やっぱりお前らは敵だ。サルジマさんも、ミドハラさんも、ソードさんも!みんな悪い人じゃないんです!僕らにとっては、僕らにとっては…大切な、大切な…!」と声を震わせる。
「るっせーな」と耳を指で掻きながら言う光太郎。
「テメェが慕ってようがなんだろうがクロウサギは惑星滅ぼしてる悪なんだよ」と言い切る光太郎に、マツは「違う!ダークマスター様だって、きっと…きっと、何か理由があって!」とクロウサギを悪者とさせないように必死に言う。
ハツネは「私の惑星滅ぼしたのはアンタらクロウサギやねん、パピーも、マミーも、アンタらの襲撃で死んだ!いくら前後の記憶が曖昧だからってはっきり覚えてるで、パピーとマミーが私だけ宇宙船に入れて逃がした日の事…。全部、全部鮮明に!」とクロウサギを前に感情を顕にする。
春華は、「ハツネちゃん…」と悔しそうな表情を見せるハツネの名を呟く。
翠も、「私も…ひどくいじめられてたから…他人に簡単に危害を与える事が出来るやつとは仲良くなれないよ」とクロウサギを睨みつけた。
宇宙警察とマツをはじめ元クロウサギの末端たちの間に、「そこまで」とムクロが割って入る。
同時に、遅れてやってきた大佐が談話室の中へ入る。
「あッ…」と大佐が呟くが、重たい空気が部屋中に漂っていた。
大佐は「え?」と状況を呑み込めず立ち止まる。
ムクロは、じーッと宇宙警察たちを見つめた後、「逮捕したいならすればいい」と光太郎に言った。
「でも…」と続けるムクロ。
「クロウサギを悪く言う事は誰であれ許さない」
ムクロはそう言うと、もう武器を持ってない両手を光太郎に差し出した。
「ムクロ」と末端の一人が呟く。
「みんなは…自分で判断して。でもここで逃げるより、私は自分と向き合いたい」
と言うムクロの表情は、以前の無機質な表情では無く、どこか光を取り戻したような、希望さえあるような表情だった。




