六十五話『最終回近くなると空黒くなる演出入るよね。しかも背景に群青とか紫とか多用しはじめる。普段使ってねぇのに』
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『ちょっと光太郎‼みんなを呼んでー‼』
翌日、朝っぱらから光太郎のインカムに着信が入り、光太郎がインカムを付けると皆を呼ぶマナの声が鳴り響く。
「クロウサギ大量捕獲のチャンスよ!それにそれにそれに、如月市をそのほかから隔離する制限が解除されたみたいなの!もう捕まえてくださいって言ってるみたいじゃない⁉」
興奮するマナに、光太郎は「朝からうっせーよ!」と声を荒げる。
「んで、久々に連絡寄越したと思えばなんだよそんなに興奮して」
呆れたように言った。
春華が電話する光太郎に寄る。光太郎は、シッシと手で春華に邪魔だ。と合図を送る。
「あのねぇハルカマナさん、大量捕獲とかいうけどこっちそんな暇じゃないの。それに制限の解除?そっちそんなんわかんの。じゃあお宅らが如月来て犯人逮捕すりゃいいでしょーよ。俺がわざわざ出向く必要なんて」
渋る光太郎にインカムをブチ切りするマナ。
光太郎は「あの芋女…」と呟くが、今度は小次郎のインカムに連絡が入る。
「何用だ」
インカムを取る小次郎。
『ねえ小次郎、あいつマジで乗り気じゃないんだけど』
と言うマナに、小次郎は「クロウサギ大量逮捕。良いだろう、報酬は?」と尋ねる。
マナは「んーじゃあアンタが好きなエロゲ声優のサインと課金カード三万円分』とマナが悩みながら答える。
「女神様ァ!」
とまんまと乗せられる小次郎。
マナは、『うん、まぁ女神でもなんでもいいわ。とりあえずそういう事だからよろしくね』と小次郎に伝えた。
小次郎は、「イエッサー‼」とノリノリの様子だが光太郎は小次郎のインカムを奪った。
「小次郎買収すんのやめてくんなぁい?」
ご立腹な光太郎に、マナは『あらァ?あなたが乗り気じゃないのが悪いのよ』と光太郎に言った。
「はぁ…」
と溜息を吐く光太郎は、頭を抱えながらマナに「俺も行けばいいの?そのクロウサギ大量捕獲とやらに」と問いかける。
マナは『なら最初から参加してよ!』と盛大にツッコミを入れる。
「へーい」とテキトーな返事をする光太郎。
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「テメェらー。今日クロウサギのリストの奴ら捕まえに行くぞ」
と江藤やハツネ、小次郎、泊まりに来ていた翠や春華に光太郎が言った。
「はじめて警察らしいことが出来るわ♡」
と言う春華に、翠が「警察なのか?」と問いかける。
春華は「そうとも!一応私たちは宇宙警察って括りで…生命体がいる最後の惑星・地球を狙ってきたクロウサギからこの星の人命を守ってるの。でもなんだかこの世界が偽物とか、この世界は全て高次元体に仕組まれてる、とかループしてる⁉とか、この星と宇宙に関するいろいろな噂があるのよ」と翠に説明する。
翠は「…世界が…偽物?」と言った後、ほっぺをつねるが、「ちゃんと痛いが」と不思議そうに呟く。
ハツネはすかさず、「みーさまが痛い思ったんも何者かのプログラムっちゅー可能性もあるな!」と翠に言った。
翠は「みーさま…?」と首を傾げる。
「ええやんけ、みーさま。かわいいニックネームやん」ハツネは微笑む。
「みーさま…!」
はじめていい意味であだ名を付けられた翠は、次第に目を輝かせる。
「はいはい、青春はそこまで。優先順位は仕事ですよー」と光太郎は二回手のひらを叩きながら言った。
小次郎も出かける準備をしに部屋へ向かうが、「ユニバースカードの制服ってカード用意をしておけ」とスーパー戦士たちに伝える。
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一番最初に翠がガサゴソとポケットからユニバースカードケースを取り出す。
「制服…制服…」とユニバースカードを探す翠。
春華は、ユニバースカードリーダーに制服のユニバースカードを差し込む。
江藤、ハツネも続く。
翠も、制服のユニバースカードをカードリーダーに差し込んだ。
水色、ピンク、緑、赤色の制服が出現する。
各色の光が戦士たちを纏い、すぐさま変身を済ませる。
「ヒーロースーツ以外に制服があったことすら知らなかったよ」
と言う江藤に、ハツネは「私もや…」と続ける。
光太郎は、「俺たちは雇用されているわけじゃねぇからな。そもそも報酬とか出されてねぇし。だから伝達とかそんなうまく行ってねぇんだよ」と説明する。
「オイ、それプロとして大丈夫か宇宙警察」
とツッコむ江藤に、小次郎は「給料。のような報酬形態ではないが、希望したものはなんでも宇宙警察側で支給してもらえる事になっている。食料、家具、最低限の生活費、推し活の費用やワイヤレス通信のスピーカー(高級モデル)まで全てユニバースカードに変換して支給してもらえる。…申請が必要だがな。他の職場よりよっぽど条件が良いんだ」と小次郎が補足した。
「そーゆーこと。喫茶の収入だけじゃとてもお前らを養うことなんて出来ねぇよ」と光太郎も続ける。
春華が、「じゃ、じゃあ最新のゲーム機も」と言った後、江藤が「欲しかった小説に漫画、新型のパソコンまで」と食い気味に言った。
「そ、本当にタダ働きじゃこんな命がけの仕事誰もやんねぇよ」と光太郎は答えた。
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早速ユニバースカードリーダーからいくつも申請するハツネ。
光太郎は「ったく、仕事が先だって言ってんだろーが!」とハリセンでハツネの頭を叩きツッコむ。
「ゴホッ…」と咳払いする江藤。
「まずはとにかくクロウサギ大量捕獲作戦ですよ」
と続ける江藤に、翠が「…罠だったりしないか?」と心配そうに問いかける。
「罠だとしても、目の前に大量のエサがあるのに何もしないで立ち止まるのか?」と光太郎が割り込む。
「それに罠ならさらにあちらから来てくれるんだろう?どちらにせよメリットだ」
光太郎の言葉に、翠は、「うん…」と頷く。
「正直な話、みんなと戦える自信が…まだない」
と俯く翠の肩を、光太郎はポンッ。と優しく叩いた。
「テメェは一番新参者なんだからまだ俺たちについてくだけでいい。仲間が全員サポートしてくれる。テメェはテメェらしく」
と光太郎が言いかけた後、江藤が「等身大の自分でいてください」と割り込み返した。
翠は「等身大…」と瞳を震わせる。
今まで虐められ、蔑まれてきた翠には、光太郎と江藤の言葉が刺さったようだ。
翠にとって、はじめて自分を受け入れてくれた居場所。それが宇宙警察だ。
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制服に着替えた小次郎が、「光太郎。後はお前らだけだぞ」と笑顔で光太郎に話しかける。
「お前ら、準備を済ませろ」
光太郎も江藤たちに準備を促した。
「…最終章一歩手前だ」と口角をあげる光太郎。
江藤もゴクリと息を呑む。
「では、僕たちはすべての準備を済ませてきます」
と江藤が言うと、全員自分の部屋に散らばった。
大佐はレスキューフォンを握り、「何事も…なければいいけど…」と呟いた。
時を同じくして、黒ベースに黄色が彩色されたヒーロースーツを着用したスーパーイエローのような人物が、クロウサギアジトの実験室で眠った状態のまま待機させられていた…。




