表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/114

閑話7 ラングの独白~チートへの道~

お忙しい中お立ち寄りくださりありがとうございます。

日々パソコンの前に立つ際に読者の皆様のリアクションにはとても励まされます。

もっと頑張ろうと思えるのです。皆さまからの励ましを心よりお待ちしております。

ラングのスキル【言霊】は、“たかが初級スキル”に過ぎない。

補助系に分類されるが、正攻法で期待できる補正効果は微々たるものだ。


そのため、このスキルを戦術として成立させるには、**「数で勝負」**という戦略が柱になる。

経験を積むごとに、言葉の一文字に“効果”が宿り、それが順次、上乗せされていく仕組みだ。


一つ一つの効果は確かに微細だが――

バフにバフを重ねれば、いずれ大きな力を生む。


現在のところ、スキルレベルが1から2に上がっているから≪初2≫という事になる。

平均的な見方だと概ね100%(50%×2)補正という事なのだが、ラングの場合効果対象に()()()()という制限を加える事で基本値が高く、平均してプラス180%程度(90%×2)にはなるのだ。


このため、≪効果≫が相互に作用すれば、各能力値を10倍以上にまで引き上げることが可能となる。



現在までに発現した効果は以下の五つ。


≪奮≫──士気ややる気を高め、仲間たちの能力を引き出す。気力の奮い立たせと、一時的な能力値の上昇をもたらす。

≪発≫──何かが生まれ、始まり、飛び出す――まさに「発する」力。隠れていた才能や現象、可能性を顕在化させ、予期せぬ“発見”や“発明”へとつなげる力。

≪真≫──想いの強さが、現実への影響力を増す。願いや理想が、まるで具現化するように現れはじめる――そんな兆しすら見えてきている。

≪共≫――寄り添い、集う想いが具現化したもの。

≪夢≫――ラングが描く夢が、現実に影響を及ぼす。。


これらに加え、最近の出来事――とりわけ**“ある女性”**との濃密なやり取りもあって、一気に三つの効果が新たに発現した。


その影響の濃さは、もはや無視できないほどだ。


≪偽≫――本物のように見せかける。嘘・模倣・演技の精度向上、洗練度上昇。


≪突≫――物体に迫る鋭さ・勢いを生む。切れ味・踏み込み・接近性の強化。


≪躾≫――習得速度・習得機会の上昇。関係性により効果増減。従属的な者に対してはより大きな効果。



以上三つだ。これら内≪突≫と≪躾≫はどう考えてもここ最近絡むことが多くなったナターシャの影響だろう。



独白1


≪偽≫は、あの食堂での一件が関係しているのだろう。

クレイマーを追い詰めるために、涙声で周囲に訴えかけた“ウソ泣き”――

まさかあの行動が、演技力上昇のバフに繋がるとは思わなかった。


俺のスキル【言霊】は、あくまで他者専用。

つまり、自分自身には一切効果が及ばず、影響を与えるのは他者のみだ。

だが、「効果の発現」に関しては、この原則はどうやら当てはまらないらしい。


実際、自らの言動が発現のきっかけになったと思われる例は、これまでにもいくつかあった。



それと、補助系スキルに分類されるのだが、純粋な補助スキルとは異なる。どういう意味かと言えば、能力等の強化とは異なる方向性で作用する性質の効果もあるという事だ。例えば、効果≪夢≫はラングの強いイメージが相手そのものに変化を及ぼす。それは対象に対するラング自身の願望を実現させるという意味で、より直接的な権能と言える。



≪突≫は、おそらくここ最近――

やたらとボケた相手にツッコミを入れる機会が増えたせいだろう。

性質的には、槍などの刺突系武器との相性が良さそうだ。

拳闘士のように“突き技”を多用するスタイルにも、有効だろうな。


……問題は、≪躾≫だ。


正直、これだけは――何故発言したか意味が分からない。

ネタなのか?

強いて言うなら、あのエルフのせいだろう――

あの、やたらと放置プレイを好む“残念な美女”。


最近は、

「口汚く罵ってくれ」とか、

「何か命令してほしい」とか、

平然と口にしてくる始末だ。


いや、俺は一度たりとも“躾けた”覚えはない。

……というか、応えるつもりも毛頭ないんだが。


はて、どうしたものか――。



独白2


ジョナサンと続けてきた筋トレに加え、特訓を開始した。


そのせいだろうか――またしても、おかしな効果が発現した。



≪煽≫――他者の感情や行動を刺激し、誘導する効果。


どうやら交互に教官役を務めながら、互いに筋肉を追い込んでいた行為が、スキル的には「煽り」と解釈されたようだ。

特訓を見守っていた仲間たちが、急にやる気満々になったのも、おそらくこの効果の影響だろう。


 


さらに、これまで獲得していたスキル効果の中に、中位形へと進化したものが現れた。

ちなみに中位形に変化すると中級スキルに匹敵する補正効果が得られるようになる。

スキル【言霊】だと基本地が90%(つまり180%)前後となるため4つの効果が重なり、そのうち中位形が混じると(1800%)なんと1()0()0()()を超える補正効果が得られる事となる。


※1.8×1.8×1.8×18=104.98



≪奮起≫――≪奮≫の進化系。士気・やる気を大きく高める、能力値大幅上昇


≪共鳴≫――≪共≫から派生。周囲と感情を共有し、連帯感を高める。説得力と誘導力が上昇するバフ効果。

≪共感≫――同じく≪共≫から派生。他者の感情に影響されやすくなる。説得されやすさ・誘導されやすさが上昇するデバフ効果。



≪奮起≫の進化は順当だ。一番初めに発現した≪奮≫は、これまで最も頻繁に使ってきたからな。


注目すべきは≪共鳴≫と≪共感≫だ。

元となる≪共≫から、まったく正反対の性質を持つ効果に枝分かれした。


≪共鳴≫は他者に影響を与える“バフ”。

≪共感≫は他者から影響を受ける“デバフ”。


これまで俺のスキル【言霊】は、バフ効果に特化していたが――

ついに、“明確なデバフ効果”が確認されたのだ。


これは大きい。


「バフを重ねて大きな力にする」という、俺の“チリ積も作戦”に、全く新しい可能性が加わったのだ。

強化だけでなく、弱体化という選択肢も手に入った――

これは今後の戦略に、少なからぬ影響を及ぼすことになるだろう。


ただし、注意も必要だ。


これまでは、【言霊】の全効果を“スイッチON状態”で使ってきた。

だが、今後はうかつな発動が思わぬ事故につながりかねない。

誤って仲間にデバフをかけてしまえば、笑い話では済まないのだ。



俺のこのスキルは効果が相互に作用するため、発動と同時に“すべての効果”が適用される仕組みになっている。

とっさの場面で、いちいちどの効果を使うか選んでいられない――

しかもバフ効果だけだったから問題なく運用してこれたのだ。


しかし、今や状況が変わった。


デバフ効果が発現した以上、このまま“全乗せ”で使い続けるのは危険だ。

今のところ数は少ないが、デバフ効果は常時OFFに設定し、

必要な場面でだけ“個別にONにする”のが現実的だろう。


今後さらにデバフが増えてきたら、そのとき改めて対策を考えればいい。


 


……バフも、デバフも。

俺の【言霊】は、これからますます“面白く”なっていきそうだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ