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第64話 ダイダラボッチ

『何、あのでかいの?』

「ダイダラボッチだっ」


土で出来た木偶人形のような人型の巨大なモンスター、ダイダラボッチ。

普段は山奥にひっそりと住んでいて人前には姿を現さない人畜無害なモンスターのはずだが。


『グガアアアァァァ!!』

咆哮とともにダイダラボッチは口からエネルギー弾を発射した。

そのエネルギー弾は山にぶつかり山を丸々一つ消し飛ばした。


『あれのどこが人畜無害なのよ』

うーん……俺にも何が何だかわからない。


「バランさんっ、近付いてきますよどうしますかっ?」

「ひとまず退散だっ」

『逃げるのっ?』

戦略的撤退と言ってくれ。


ドスーン!


山のように大きいのでダイダラボッチは一またぎで俺たちのすぐ近くまでやってきた。

これでは追いつかれる。


「悪い、マリア」

「え、きゃっ」

俺はマリアを抱えるとスカイマントで空へと舞い上がった。


とほぼ同時にさっきまで俺たちがいたところをダイダラボッチがドスーン! と踏みつける。


『グガアアアァァァ!!』


ダイダラボッチが口から放ったエネルギー弾が襲ってくる。


「テレポート!」

俺はマリアを抱えながら瞬時に移動してこれをかわした。


だがかわしたエネルギー弾は遠くに飛んでいき数秒後大爆発を巻き起こした。


「マリア、攻撃だっ」

「え、でも――」

わかっている。

ダイダラボッチは普段はおとなしい山の守り神のようなモンスター。戦わずに解決できればそれに越したことはない。


だが……。

「やるしかない。このままじゃ山も村も町もすべて破壊されるぞっ」

「……は、はいっ」


マリアは強くうなずくと杖を空へとかかげた。

そして、

「ホーリーマギカっ!」

自身最強の攻撃魔法を繰り出した。


天よりの光がダイダラボッチに降りそそぐ。


だが光に押しつぶされそうになりながらもダイダラボッチは咆哮を止めない。


『グガアアアァァァ!!』


エネルギー弾が眼前に迫ってくる。


今度は避けられない。

避けたらまた被害が大きくなってしまう。どうする?

とその時、


「ホーリーバリアっ!」


マリアが杖を前に出しバリアを張った。

エネルギー弾がバリアに衝突する。


「ぅぐっ……」

エネルギー弾ははじけ飛んで消滅したがバリアも消える。


「マリア大丈夫か?」

「な、何度もは無理ですっ」

俺の腕の中でマリアは顔をゆがめながら答える。

攻撃タイプではないマリアではダイダラボッチを倒すのは難しそうだ。


『で、結局最後はわたしがやるしかないわけね』

エクスカリバーがやれやれといった感じでつぶやいた。

……ああ、そうみたいだな。


またお前の力を借りるぞ、エクスカリバー。

『はいはい』


俺はテレポートで地面に下りると、

「マリア、ここにいてくれ」

マリアを放した。


そして再び飛び上がりエクスカリバーを振りかぶる。


「いくぞ、ダイダラボッチ」


俺が持ち手部分の金色のボタンを押すとエクスカリバーから光が伸びて大きくなっていく。

そして金色に輝く大きな剣の形になる。

その大きな光の剣を俺は力いっぱい振り下ろす。


「エクスカリバーっ!!」


ズズ……。


ダイダラボッチが光の剣を腕で受け止めた。


しかし受け止めたはずの腕は光に飲み込まれ蒸発していく。


『グガアアアァァァ!!』


ダイダラボッチはエネルギー弾を光の剣に向かって放つが光の剣はそれさえも飲み込んだ。


ズズズ……。


ダイダラボッチの巨体を光の剣が押しつぶす。


『いっけえぇー!!』

「いっけえぇー!!」


ズズ……ン。


エクスカリバーと俺の声が一つになった瞬間光の剣がさらに大きくなりダイダラボッチを飲み込んだ。


目も開けられない光があふれ「うあっ」ととっさに顔をそむける。



……そして――



次に目を開けた時ダイダラボッチの姿は跡形もなく消えていて、その場には大きな剣の形にえぐられた地面だけが残されていたのだった。

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