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DRUG TREATMENT~神魔大戦・聖ナル決断ノ刻~  作者: 波 七海


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第14話 結局、喧嘩の原因ってナニ?

よろしくお願いします。

 無事に家に辿り着いて自分の部屋に入ると、そこにはルージュが腕組みして仁王立ちしていた。



「やっと帰ってきたわね。待ちくたびれちゃったわ」


「ん? 何かあったのか?」


「おおありのありよッ! 神器《セイクリッド・アームズ》のことをスカーレット様に話したら怒られちゃったじゃない!」


「それは気づかなかったお前が悪いんじゃあ……」


「そんなことはよろしい」



 あ、誤魔化した。



「ってお兄ちゃん、神人《しんじん》になっちゃったのね」


「ああ、鬼の大軍に襲われたもんでな」



 その言葉にルージュはハーーーーーーッとわざとらしい大きなため息をつく。



「お兄ちゃんの光子力《ルメス》じゃ、たいして力を振るえないでしょ。神人《しんじん》よりも魔人《まじん》になった方がいいって言ったじゃない……」


「ゆーても咄嗟だったからなぁ……」



 単に流されてしまっただけなのだが、もしあの時神人になっていなければ死んでいたかも知れない。

 俺はルージュの話を聞きながら部屋に上がるとソファに腰掛ける。



「そんな違うもんなのか?」


「もうゾウとミジンコくらい違うわよ。お兄ちゃんはそれだけすごい黒子力《ダルク》を持ってるの」


「でもお前ら魔神《デヴィル》って神に叛逆した悪い奴なんだろ?」


「そんなこと、誰が言ったのよ?」


「セピアの上司の天使だな」



 それを聞いてルージュは再び大きなため息をつくと呆れたような目を向けて言った。



「そりゃ、そう言うでしょうよ」



 確かに正義の反対は悪ではなくもう一方の正義だ。俺が今話したことは神や天使側の一方的な言い分である。魔神《デヴィル》には魔神《デヴィル》の言い分があるのは当然だろう。


 俺は魔神《デヴィル》であるルージュの話を聞く義務がある。

 俺のモットーは公明正大なのだ。



「で、魔神《デヴィル》はなんで神様と敵対してんだ?」


「まぁ、かつての大戦で敗北して宇宙の覇権を神《マザー》に握られたんだけど、最上級魔神の方々がそれを良しとせずに抵抗しているだけだよ。要は向こうが躍起になってあたしたちを滅ぼそうとしているって訳。滅ぼされないために戦っている魔神《デヴィル》が多いんじゃないかな」



 それを聞いて俺は神話のことに頭を巡らせる。

 魔神《デヴィル》って天使が堕ちた存在なんだよな?

 所謂《いわゆる》、堕天使《だてんし》ってヤツだ。

 ってことは最初は魔神《デヴィル》なんて存在しなかったんじゃないのか?



「その大戦?ってヤツ以前はどうなんだよ。最初から魔神《デヴィル》が存在した訳じゃないんだろ?」


「流石に昔話過ぎて分かんない。原初の魔神《デヴィル》――魔神《デヴィル》の中の魔神《デヴィル》のルシファー様が神に叛逆したと言うことしか知らない。あたしなんてまだまだ弱輩者だしね」


「へぇ……。何か気に喰わないことがあったのかな? それに神様ってーのも随分と不寛容なんだな」


「器が小さいわね。確かに最上級魔神の中には単に宇宙の覇権を握ろうと言う野望だけで動いている方もいるみたいなんだけど……」


「なんだ。徹底抗戦派もいるんだな。そういやセピアも言ってたぞ。最近、魔神《デヴィル》が世界の理を改変したって」


「あれは、今の世界に存在するバグを攻撃しただけよ。宇宙の脆弱性をついただけ。そしたら結果的に鬼が大量発生する事になったの。そんな事になるとは思わなかったんじゃないかな」


「なんだ。狙った訳じゃなくて、藪をつついたら蛇が出たってだけか」



 俺の印象では、魔神《デヴィル》の多くが神に盾突いているって感じだったんだが、そうでもないのかも知れないな。平和を望んでいる魔神《デヴィル》も中にはいるのかも知れない。でも神がそれを許さないのなら、もう戦う道しか残っていないように思える。俺が腕組みをして何やら考え始めたのを見たルージュは何やら思い出したように口を開いた。



「そんなことより、ご飯食べるでしょ? 今用意するね」



 てか魔神《デヴィル》がそんなこと呼ばわりしていいのか……?

 俺の飯《めし》よりどうでもいい神と魔神《デヴィル》の対立って一体……。



「ああ、ありがとう」



 俺は、何だか複雑な気分で頷いた。なんか主婦業が板についてきたな。ルージュ。

 見た感じ、部屋の掃除もしてくれているようだし、俺のいない間もしっかり家事をこなしているのか。俺はソファに座って、お昼の情報番組を見るルージュの姿を幻視した。


 もう主婦だろ。これはもう分かんねぇな。

 ルージュがテーブルに料理が並べていく。


 見た感じ、お店でお惣菜を買って並べただけとかそう言うものではなく、手料理感が満載の晩御飯であった。

 なんだかんだ、ありがたい存在である。

 世話になりっぱなしで、もう完全に情が移っちゃったな。

 ルージュが今後、俺をどうするかは分からないが、今のところ実害はない分、逆に申し訳ない気持ちが勝る。



「さぁ、召し上がれ!」



 その言葉を合図に俺は料理に手を伸ばした。


 さてセピアの話では大事な用件があると言う事だが果たして。

お読み頂きありがとうございました。

引き続きお付き合い下さいませ。

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