第4回 コーヒー味見実験でひゃあっ!
研究室。
コーヒーのいい香りが漂っている。
「…いい匂いですけど……。なんで…私なんでしょうか…。」
ラボちゃんが不思議そうな顔をしながらコーヒーカップを見つめている。
みんながラボちゃんの周りに立っている。
「…今回はコーヒーの味覚データを収集します。ラボが適任と判断しました。」
データちゃんで趣旨を説明する。
「…え、えっと…私じゃないと…いけないんですか…?」
ラボちゃんがみんなの方をキョロキョロと振り向く。
妹たち3人は目を輝かせながら、
「そりゃそうだよ!だって他に誰がいるの!?」
エキスちゃんがニヤニヤと笑っている。
「いいじゃない〜、コーヒーの飲み比べ。」
オブちゃんはにこにこと微笑んでいる。
「…ココアが好きならコーヒーもいけるはずです。」
データちゃんはコンソールを開いている。
「承認、承認!」
アール所長は水晶のような体が点滅している。
——そして、実験が始まった。
ラボちゃんが1つ目のコーヒーを口に当てた。
「え、えっと…これは少し酸味が…」
3人は横で嬉しそうにニコニコしている。
データちゃんが味覚を記録していく。
「これが酸味強めのコーヒーのデータですね。次行きましょう。」
「はい、つぎこれね!」
小さめのカップをエキスちゃんが持ってくる。
ラボちゃんが2つ目のコーヒーに視線を移す。
「…あれ、これは…カップが小さい…です…。」
「…それはエスプレッソですね。まずはそのままいきましょうか。」
「ラボさん、苦いから少しだけにしてね〜♡」
ラボちゃんがほんの少しだけ口に入れる。
重さと苦みが口の中に広がる。
「…ひゃあ……苦い……です…。」
オブちゃんがカップの近くに砂糖を置く。
「ラボさん、エスプレッソは砂糖を入れて飲むの〜。」
と、オブちゃんが横から砂糖をカップに入れる。
「さあ、混ぜて混ぜて〜。」
「…は、はい……。」
カチャカチャと音を立てながら混ざり合っていく。
「そろそろいいんじゃない!?」
時間を見ていたエキスちゃんが横から声をかける。
もう一度そっと口に運ぶ。
「…ひゃ…あ、あれ?…おいしい…です…。」
「砂糖を入れると苦みが抑えられて美味しいのよ〜♡」
「…残った砂糖はスプーンですくって食べられます。」
コンソールを見ていたデータちゃんが促す。
茶色く光った砂糖をスプーンで運び上げる。
「…これ、あまくて、スイーツみたい……。ちょっと気に入りました…」
「…エスプレッソはいいデータになりましたね。」
「じゃあ最後!これ!」
3つ目のカップが運ばれてくる。
「実はこれエキスちゃんブレンドなのだ!!」
エキスちゃんが腰に手をあて、胸を張っている。
「…エキスちゃんのオリジナル?…ありがとう…。」
ゆっくりと口に含んでいく。
「…これも美味しい……。」
すると、コンソールを見ていたデータちゃんからパンケーキが運ばれてくる。
「…パンケーキ?…これは……?」
「…コーヒーに合うと判断しました。」
照れたようにコンソールに視線を戻す。
「…パンケーキ…も…コーヒーに合う……。おいしいです。」
気づくとパンケーキが半分ほどなくなっている。
——そして
今度はエキスちゃんがラボちゃんの肩を揉んでいる。
「ラボ姉、肩凝ってない!?」
「…え、あ、ありがとう……。」
「本とかよく読んでるから、ここ凝ってるっぽいよ?」
「…そんなに…固まってる…かな…?」
さらにオブちゃんがそっとラボちゃんの手を握る。
「…ひゃあ…。」
「ラボさん、手のひらも揉むと気持ちいいんですよ〜?」
「…え、えっと…なんか…痛気持ちいい…です…。」
「…あれ、コーヒー…の実験では…ないんですか…?」
「…実験、継続中です。」
「うんうん!継続中だよー!!」
「まだ継続ですね〜♡」
「…なんか…よくわからないけど…気持ちいいから…いいかな……」
データちゃんがアロマオイルを焚きはじめている。
——しばらくして
「…あの…なかなか、終わらないのですが……実験じゃ…。」
終わらないマッサージに困惑している。
ただ心地良いので終わりを言い出せない。
「あ!凝っているとこ見つけた!」
エキスちゃんはラボちゃんの肩こり探しで大忙し。
「…ひあっ!…変な声出ちゃい…ました…。」
「うふふふ〜♡楽しいわね〜これ〜。」
オブちゃんはにこにこしながら手のひらを揉み続けている。
「…これはもう接待です。」
端的に答えるがデータちゃんの顔が赤く染まっている。
ラボちゃんの顔が真っ赤に変わった。
【ブオオオオーーーー】
「接待承認!接待承認!」
アール所長の体がイルミネーションのように光っている。
「…接待のデータも取れました。これを次に活かしましょう。」
「えー!今日はもう終わりなのー?まだやりたい—!」
「はやく接待するの楽しみね〜。」
三人の接待はもう少し続きそうである。
「…あ、あの、いつまで……。」
「寝るまでだよー!」
「…まだ眠くなりませんね。」
「もう少しさわらせてくださいね〜。」
「ひゃあっ!!!!」




