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「サン・ジェルマン並行宇宙を行く」(セーラー服と雪女 第22巻)  作者: サナダムシオ


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31/31

㉛ テレビ塔にて

 二人が亜空間レストランに戻ると、そこでは、村田京子と真田雪子が、揃ってお茶を飲んでいた。

 珍しい組み合わせである。


「あら、お帰りなさい。お疲れ様ね?」

 そう声をかけて来たのは、京子だった。


 もしもの時に備えて、カウンターの内側に、今回の呼び出しの件について、簡単に書いた貼り紙を、しておいたからかな。サン・ジェルマンはそう思った。 


「いつも言ってるでしょ。困った事が有るなら、相談してねって?」

 雪子が言った。

「私たちはもう、運命共同体なんだからね!」

 京子が言って笑った。


「ホントにそうなんだから〜。」

 奥のテーブルからも声が聞こえて来た。

 それは真田由理子だった。

 酒井弓子も居た。

 そして杉浦鷹志も。

 真田香子まで居た。


「なんだ、結局、皆さん来ちゃったんですね?」

 サン・ジェルマンがそう言った。

「そりゃあ、あんな気になる貼り紙があったら、そうなるでしょうよ。」

 雪子が言った。


「もうちょっとでも遅かったら、リングでミケーネ君に、呼び出しをかけるところだったんだからね!」

 と由理子。


「ああ、ソレは不味い手だな。評議会の最中にそんな事されたら、ますます彼の立場が危うくなるよ。」

 雪村が気の毒そうにそう言った。


「でも、無事に帰って来てくれて、ホントに嬉しい!」

 弓子が言った。

「いつも心配かけてゴメン。」

 反省モードの雪村。


「少しは私にも頼ってよね?お兄ちゃん。あんまり心配だったから、有給とって来ちゃったわよ。」

 珍しく香子がそう言った。

 雪村は更に反省した。


「さあ、反省会はそれぐらいにして、みんなでランチにしませんか?今日は特別に、朝からボクが、スパイシーなカレーを仕込んでるんですよ?」

 これまた珍しい事を、鷹志が言った。


「それは何よりの驚きですねえ。是非、美味しくいただかなくては。」

 滅多な事ではビックリしないサン・ジェルマンが、本当に驚いているようだった。


「じゃあ、ユリちゃん、盛り付けを手伝ってくれるかな?」

 鷹志に言われて、いそいそと進み出る由理子。

 そういえば、彼女のメイド服が、本来の役割を果たすシーンも、久しぶりであった。


 そんな訳でその後は、チーム・サン・ジェルマンが全員揃っての、昼食会とあいなったのである。


「私は、良いメンバーに恵まれて、幸せ者です。他所の時空のサン・ジェルマンは、サン・ジェルマンとしか、手を組みませんから…。」 

 食事をしながら、つい伯爵は口を滑らせた。


「…その話、初耳ね。詳しく聞かせていただけるかしら?」

 鋭い目をした京子が尋ねた。

 伯爵は観念して、例の超時空サン・ジェルマン会議について、皆に話をしたのだった。


 こうして、伯爵と雪村の並行宇宙騒動は、幕を閉じた。犬族・猫族からの監視の目は、これからまた強くなるだろうが、このメンバーが協力し合えば、何一つ困ることは無かろう。


 サン・ジェルマンは、満足気に皆を見つめて、そう思うのであった。

 これが西暦1992年6月2日の火曜日、13時の事である。


挿絵(By みてみん)

 これにて第22巻は完結です。

 引き続き、第23巻にもご期待下さい(>ω<)

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