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「サン・ジェルマン並行宇宙を行く」(セーラー服と雪女 第22巻)  作者: サナダムシオ


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⑳ 雪女の末裔

「実を言うとね…。」

「はい?」

「時々、アナタの様な私の末裔が、訪ねて来るのよ。で、その時の質問が、大体、今言ったような事なのよ。」


「…ああ、だから。」

「そういう事。他には?この際、訊いておきたい事は?」


「一体、何がきっかけで、私の直接の先祖は、ニンゲンと暮らす事になったんでしょうか?」

「それは…ワタシには、分かりかねるわ。顔がタイプだったんじゃない?」


「…そんなあ。」

「そうかしら。結構、重要でしょ?顔。アナタのパートナーも、見たところ、中々のイケオジじゃないの?」


「…そりゃあ、どうも。」

 言われた伯爵は、悪い気はしなかった。


「さあもう、いいかしら?こう見えてもワタシたち、結構忙しいのよ?"地球温暖化"を、少しでも遅らせなければ、オチオチ昼寝も出来やしないわ。」


「…えっ!?その話を、もう少し詳しく…。」

「だめよ。これ以上は、トップシークレット。後は自分たちのチカラで、未来を勝ち取りなさい!」


 その言葉を最後に、日本の雪女ユキメは、その場からまるで煙のように、フッと消え去ってしまった。

 ふと気がつくと、周りにあんなに居た世界中の雪女たちも、一人残らず姿を消していた。


「帰りますか?京子さん。」

 サン・ジェルマンに促され、彼女も同意した。


 30分後、二人は、テレビ塔の亜空間レストランで、向き合う席に座り、コーヒーブレイクしていた。


「自分のルーツを知ったところで、大した収穫にはならなかったわね?」

「…でも、知りたかったんですよね?」

「そうね。納得したわ…でも、そんな事より…"地球温暖化"って何よ?」


「…21世紀に、大きなモンダイになる事ですよ。ニンゲンが、長年の歴史を重ねる内に、地球環境を破壊し続けて来たツケが、とうとうやって来るのです。」


「…ソレ、何とか解決できるの?」

「今、この時代に存在している、全てのニンゲン次第ですね。」


「…そうなのね。」

「この件は、個人のチカラでは、いかんともし難い事なのです。例え我々のチームが、不老不死と超能力者の集団だとしてもね。」


「…アナタ、本当は、この先の人類の運命を知っているんじゃないの?」

「だとしても、それはあくまでも可能性の一つに過ぎない。観測済みの未来は、直ぐにウソになってしまう。移ろいやすいモノなのですよ。人物画を描くのと同じ事ですよ。」


「…それは、どういう?」

「"未来は、今、ここに居る我々が、切り拓くべきモノ"だと言う事です。」


「…ああ、成る程。アナタが好きなそのセリフに行き着くわけね?」

「そういう事です。それこそが、タイムマシンを駆使した人生を経た私の、行き着いた答えなのです。」


 最後にサン・ジェルマンは、"我が意を得たり"という顔で頷いたのだった。

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