7-2 通常進行と再配置の違い
本節では、
世界状態がどのように変化していくかについて、
通常の進行と、
作中で観測される再配置とを区別して整理する。
通常の時間進行において、
世界の状態は一方向に変化し続ける。
人物の行動や出来事の発生に伴い、
世界の構成は更新され、
直前の状態へ戻ることはない。
この進行は連続的であり、
取り消しや巻き戻しを前提としない。
一方、作中では、
この進行とは異なる挙動が繰り返し観測される。
ある時点まで進行した世界が、
突如として過去の状態へ戻されたとしか
説明できない現象が発生している。
このとき重要なのは、
世界が新たに生成された形跡や、
複数の世界が並行して存在している兆候が
確認できない点である。
観測されるのは常に、
単一の世界が、
過去の構成へ戻されているという挙動のみである。
また、この再配置は、
部分的な修正として現れていない。
特定の人物や出来事のみが
過去の状態に戻るのではなく、
世界全体が一括して
過去の配置へ移行している。
以上の点から、
作中で描かれる現象は、
時間の流れに逆行して移動するものではなく、
進行していた世界状態を破棄し、
過去の状態を再び採用する操作として
整理することができる。
以後の節では、
この再配置において、
どの情報が保持され、
どの情報が失われているのかを
さらに詳しく見ていく。




