5-7 本章の整理
本章では、
キュゥべえを中心として
魔法少女システムの運用構造を解析した。
第4章までの稿では、
少女側の装置と挙動のみを材料としていたため、
契約および変換工程を担う窓口ユニットについての解析が
欠けている状態であった。
本章の解析により、
以下の事項が
TV版および劇場版の描写のみから
確定的に整理された。
・キュゥべえは魔法少女システムの前線に配置されたユニットである
・キュゥべえは意思主体ではなく役割主体として設計されている
・魔法少女化の開始条件は少女本人の明確な同意である
・同意が拒否された場合、キュゥべえはそれ以上の介入を行わない
・同意後、人格情報はキュゥべえ側の手順によってソウルジェムへ変換される
・キュゥべえは感情および善悪概念を持たない設計である
・質問に対して虚偽の説明を行わない
・説明は人間に理解可能な比喩へ翻訳提示されている
・キュゥべえ個体の喪失はシステム破綻の原因とならない
・エネルギー回収という目的関数のみが行動原理として存在する
以上より、
キュゥべえは
少女の感情を評価する存在でも、
悪役として断罪される対象でもなく、
魔法少女システムを人間社会へ接続するために設計された
誠実な運用インターフェース装置として理解される。
これにより本稿は、
ソウルジェム、グリーフシード、契約工程という
すべての要素を
欠番なく扱う構造解析論文として
一体化された。
次章では、
本章で確定した前提を材料として、
時間遡行および神化現象を含む
より高次の運用モデルの解析へと進む。




