5-6 運用思想と結果
本節では、
魔法少女システムの運用過程において確認できる
キュゥべえの行動原理とその結果を、
思想モデルとして整理する。
キュゥべえは、
呪いのエネルギーの蓄積と回収を前提として設計された
運用装置である。
その目的は一貫しており、
魔法少女が日常的に安定運用されることが
システム上の成功条件として扱われている。
この運用モデルでは、
少女は消耗品的遷移を内包する存在として想定されている。
・魔法少女の運用は濁りの発生を前提とする
・濁りは時間とともに内部へ蓄積する
・一定条件で魔女化が発生する
・魔女化はシステム内部で想定された工程である
という挙動が、
これまでの章で解析した通り有限プロセスとして成立する。
したがって、
キュゥべえ自身は
個体としての保存や生存を目的としていない。
個別のキュゥべえが失われたとしても
運用上の破綻は起こらず、
システム継続が最も優先される思想である。
また作中描写から確認できる通り、
・キュゥべえは虚偽の目的を持たない
・質問された内容には応答する
・同意を越えた介入はしない
という運用結果が一貫している。
以上より、
キュゥべえへの攻撃は
倫理的な報復対象としては意味を持たない。
なぜならキュゥべえは
意思主体ではなく、
あくまで魔法少女システムを遂行するために設計された
役割主体であるからである。
本稿では以上の事項を
運用思想に基づく確定前提として扱い、
次節では
キュゥべえの機能全体像をまとめ、
本章の結論へと到達する。




