要注意人物
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馬車に乗りながら、一覧をみる。信用していい人は、あと一人。
―ええと、アルバート・アトワーフ・アトワテス5年生。これは知らない家名だね。家名3つは王族か。宮廷魔術師団長の甥。この人関係には関わった事はないな。デインお兄様の上司の甥か。この宮廷魔術師団長はどんな王族なんだろう?ま、それは後にしよう。
次は要注意人物ね。キャローリン・スペロニル1年生。スペロニル子爵の次女。スペロニル子爵はガラファド公爵派。
…ダレソレ??
「ねぇ、テス。ガラファド公爵ってご存知?」
「ああ…ガラファド公爵でございますね。父から注意する様に言われています。ガラファド公爵は先王妹の長男です。現王の従兄弟に当たります。ただ、先王妹はガラファド公爵が幼い頃に儚くなっておられるので、現王の流れは殆どございません。第二王子推進派の中でも、特に第一王子を廃嫡させようとしていた一派がありまして、ガラファド公爵はその中のトップです」
…要するに、アルベティウス様の天敵って事ね。覚えたぞ。ガラファド公爵&スペロニル子爵
「第二王子推進派の中でもガラファド公爵達は、第二王子が預かり知らぬ所で、色々画策していた様です。幼いアルベティウス様に対して、酷い態度だったとか。ルサルジウス殿下が、立太子して一見鳴りを潜めていますが、虎視眈々と第一派閥を狙っているそうです」
「なるほどね。私は、ガラファド公爵関係を警戒すればいいのね?」
「ガラファド公爵一派は勿論警戒対象ですが、それだけではありません。中立派でも野心の強い人達は危ないですし、下位の貴族は殆ど危険です」
「下位の貴族はどうして?」
「下位の貴族で高位貴族と繋がりの薄い者達は、繋がろうと必死です。万が一失敗したら、誘拐して監禁される恐れもあります」
―なにそれ。マジ怖いんですけど。
私の顔が引き攣る。
「もう少し目を通すわね」
―続きを見てみよう。ジキスハルト・カーヴァー1年生。カーヴァー辺境伯の三男。ガラファド公爵派。ふむふむ。次、アドルフォス・アトワーフ・ガラファド5年生。ガラファド公爵次男。やベェのがいた。ギルデロイ・ボスコン1年生。ボスコン侯爵長男。中立派だがガラファド公爵を追い落とそうと急進してきた一派。少しでも多くの高位王族を取り込もうとしている。なるほどねぇ。しかし、セレスティナ母様が、大人しく傀儡になるとでも、思ってるのかな?
んで、次。エスメラルダ・アトワーフ・アトワジール1年生。中立派のトップ、アトワジール公爵の長女。
後は、全体的に下位の貴族は注意。覚えきれるか心配だ。
私が不安げな表情をしていると、テスが言った。
「貴族院でシスティーナ様は最も高貴な御方です。物怖じする事なく、堂々となさってください。要注意人物は、家名だけ何となく頭に入れて下されば、私がお手伝い致します」
真っ直ぐな瞳で、テスが私を見た。頼もしい目だ。
「有り難うね。とても頼りになるわ。テスが一緒で本当に良かった」
二人で話していると、馬車への入室を求められる声がした。
「少々お待ちください」
テスが扉へ近付く。私はテスが淹れてくれたお茶を一口飲んだ。
すると、テスと一緒にやって来たのは、フェリオルフだ。フェリオルフの後にも1人居るようだ。
「フェリオルフ、お久しぶりです。如何かなさったの?」
フェリオルフって呼び捨て何だかむず痒い。
「システィーナ様、失礼致します。貴族院の間、システィーナ様を警護致します、騎士見習いをご紹介いたします」
フェリオルフに促され、一人の少女が進み出た。
「カロリーネ・ユニスヴェール・ルスツと申します。シュラーリア様の身心と共に」
…あ、さっきの信用していい人欄にあった名前。
「カロリーネ、システィーナです。宜しくね。カインの姪なのね」
「はい。カインバルド叔父様には幼い頃からお世話になっております」
「…と言う事は、テスの従姉妹?」
「はい。リーネは私の妹の様な存在です。しかし私と違い、剣術も魔法も中々にございます」
テスが姉の顔になっている。
「フェリオルフ、カロリーネはどうなの?」
「はっ。まだ幼くはございますが、この年齢にしては腕の立つ者でございます。カロリーネは女性ですので、基本的にシスティーナ様のお側を離れません。貴族院にて、男性の警護も一人付けます」
「貴族院では従者は一人だけなのでは?」
「安全を守るためなら必要ですので。彼等が貴族院を卒業してからも専属になるかは、本人とシスティーナ様次第ですので」
…使える人物に育つか見極めろって事ね。
「…そうなってくれる事を願いますわ」
カロリーネは、少し赤味がかった茶色の瞳と髪に、ダークレッドの翼だ。制服もダークレッドのノースリーブワンピースに刺繍が、入っている。騎士らしく羽根鎧も着けている。
「では、私はこれにて。システィーナ様、貴族院を楽しんでくださいね」
「ええ。有り難う」
フェリオルフがニッコリ笑って、挨拶し馬車から出ていった。
―さて、これからどんな学校生活が始まるやら
カロリーネに何か説明しているテスと、真剣に聞くカロリーネを見ながら、貴族院生活に思いを馳せた。
投稿忘れてました…。




