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インスタントヒーロー  作者: 豚足演算
3/15

どうせいつもの事だと思ってた

現実でのヒーローモノは少し難しいなぁと感じたので前振りです。

そしてその夜スーツアクターである「金沢 万里」と久し振りに飲みに行ったのである。

金沢くん、いやいつも通り呼ぶなら「万里」は俺と一緒にこの番組のオーディションを受けた時からの友人である。

一つ違うことと言えば俺は主人公の、万里は怪人のオーディションを受けたくらいである。

監督の意向でこの番組では「既存の俳優は使わず全くの新人からダイアの原石を探し出す」というコンセプトで動き出したのである。

なのでお互い年も近いということもあってオーディション時から現在まで仲良くしてもらっている。

ただ、万里は少し変わっていて「怪人にも地球を襲う理由がある」というである。

なので二人で飲みに行くと大体がこの話題でお互いが熱くなり店を出るときはほぼ喧嘩別れ状態になるのだが、次の日になればお互いいつも通りというのが定番になっている。

この日も万里は怪人は人類の新たな種であり生きるために戦っているのだと持論を展開していた。

この話題ももう何度目になるのか分からないので流石に俺も大人の対応ができるようになってきて彼の話を上手く受け流しながら聞いている。

そんな俺の態度が気に食わないのか万里が俺に突っかかってくるがこうなった時の万里の面倒臭さは堪ったものじゃない。

ついに我慢の限界に達し言ってはいけない言葉を言ってしまった

「お前の仕事ぶりはとても評価しているし俺には真似ができないと思っている。けれど、いくらお前が怪人の事を考えても所詮これはテレビ番組だ。現実ではない。自分を満足させたいのなら自分で番組を作ればいい。それが出来ずに持論を暴力の様に使うのは間違っている。」

そう言った瞬間万里の目の奥に黒いモノを感じ寒気がした。

こんな感じになるのは初めてで寒気はいつしか恐怖に変わり万里の目の奥の黒いモノは憎しみへと変わっていくのが分かった。

これ以上この話をしても無駄だし寧ろこの場には居たくなかったので適当な理由を付けてその場を後にした。

こんな感じで店を出るのは初めてのことで胸の鼓動が速くなり腋からは変な汗が滴るのを感じた。

だが、次の日になれば今まで通り全てがいつも通りになる。今日のはただ酒に酔ったからだと言い聞かせ自宅へ帰り明日の撮影に向けて台本のチェックを程々にして就寝した。




この時はまだあんなことが起こるなんて思ってもいなかった。

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