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異世界の女子どもが俺のぱんつを狙ってる  作者: シャイン樽画
第一章 旅立ち ~俺のぱんつを狙ってる~
32/33

 30枚目 異世界の女子どもが俺のぱんつを狙ってる ~前編~

「ハァハァ……お、終わった……のか?」


 俺は肩で息をしながら、やっとの思いで言葉を紡ぎ出した。

 意識が朦朧とする。

 もはや、自分が何でこの場所に居て、何をしていたのか、それすら分からなくなりそうなぐらい自己に対する意識が薄れる……


「くっ……」


 身体が重い……

 悲鳴を上げている……

 身体、というか、主に尻が……その穴から悲鳴が……


 レッドドラゴン戦が終わった……

 長く……

 そして、苦しい戦いだった……



 結果だけ言うと、俺はレッドドラゴンを撤退させるのに成功した。


 まあ、そう言うと聞こえはいいが……

 何のことはない。

 ただ単純に、レッドドラゴンは満足して帰って行ったのだ。


 レッドドラゴンが何を以って満足して帰っていったのか……

 それを言うのは……最後に残った俺のなけなしの名誉のために、言及することは勘弁して欲しい……


 ともあれ、マッチョマンの人間形態だったレッドドラゴンは、竜の姿に戻ると、その翼でどこかへ……恐らくは巣穴へ……飛んで行ったのだ。


 レッドドラゴンとの戦い……

 簡単に言うと、『挿しつ挿されつ』の大乱闘だった……


 挿すだけでもこっちにとって精神的ダメージは大きいというのに、あの野郎、いらんというのに、お返しとかするんだものなぁ……


「痛つつ……」


 俺がぱんつの中に手をやって直接自分の尻をさすると、ドロリと手の先に何やら液体のような感触がした。


「うわ……血が出てるじゃないか……」


 ぱんつから出した手を見て、俺は呟いた。

 そこには、真っ赤な血が付着していた。


 これだけでも如何にレッドドラゴン戦が熾烈であったか、想像できるだろう……


 本当なら傷口をクレアさんにヒールをかけてもらいたいところだが……


 どうやら、俺とレッドドラゴンの行為は、清廉潔白なシスターには刺激が強すぎたようだ……


 今、クレアさんは失神して、マールさんに介抱されている……


 仕方ない……

 大体、この辺かな?

 尻は自分で見えないので、触って傷口っぽいところにヒールをかける。

 ふん!



 俺は……今回の戦いで……

 色んな意味で『初めて』を失った……

 思い出すと涙が出て来る……


 自分で自分の肩を抑える。

 体が震えてしょうがない……

 それは恐怖であったり、安堵であったり、色んなことから来る複雑なものであったが……


「とにかく俺はやったんだ……」


 レッドドラゴンに勝ったという栄誉だけが、俺の最後に残った誇りであり、自我を崩壊させないための楔となった……


・・・・・・


 やがてクレアさんも失神から立ち直り、全員無事なのを確認すると、俺は、ケツのところに穴の空いたぱんつ一丁のまま、リュックを背負って、無言のまま森を後にした。


 え? 何故、パンいちなのかって?


 レッドドラゴンの野郎……服を脱がすのが面倒だったらしく、俺の服をビリビリに破いて裸に剥いたんだ……


 俺は、ただひたすらに、下を向きながら歩いていた……

 その後ろを、マールさん以下、女子達がトボトボ歩いている。


 そうして皆無言のまま歩き続けていたのだが……

 30分もした頃だろうか、ついに耐えきれなくなったのか、女子どもが声をかけてきた。


「で、でも、レッドドラゴンを追い払ったのは事実ですよ!」

「そうよ! 何事も経験でしょ?」

「うむ、なかなかできることじゃないぞ」


 クレアさん達女子どもが、三者三様になぐさめて言葉をかける。


「ありがとう。でも、その台詞を言うのなら、5メートルも離れて言わないで欲しかった……」


 嫌味のつもりはなかったが、ついそんな言葉が口から出ると、女子どもは黙ってしまう……


 いや、それでいい。

 下手に慰められると、余計に涙が出て来るから……

 うぅ……


・・・・・・


 でも、まあ、終わり良ければ全て良しと言う。

 レッドドラゴンを撃退したことは、過程がどうであれ、結果だけ見れば、大いに人に誇れるものだろう。


 そんな感じで気持ちを切り替えて、俺はギルドに事の顛末を報告をする……


「バッカモーン!」


 ギルド長に物凄い怒られた。


「何故、Aランク冒険者を待たなかった! 今回は良かったものの、君の無謀な行動で、余計な被害が出るかもしれなかったのだぞ!」


 ギルド長曰く「もしレッドドラゴンの逆鱗に触れて、暴れ回れたら大変なことになっていた」とのこと。


 いや?

 そんなことは無かったよ?

 終始あいつ機嫌が良かったし。

 ターゲットは俺だけだったし。


 てか、暴れ回ったところで、被害は俺だけだったよ、多分……

 ユーシャの尻に拘っていたようだし……くそ……


 口には絶対に出さないが、心の中でそう呟く。

 俺がどれ程の犠牲を払ったか、このおっさんにはわかるまい……


「その態度……反省してるのかね!」


 どうも心の中に留めたつもりが、態度に出ていたらしい。

 俺もまだまだだね……


 だが、ギルド長よ……

 そうは言うが、こちらにも色々事情があったんじゃ、ボケ!

 お前に、尻を掘られる男の気持ちがわかるか!

 その事の顛末を詳しく聞かれ、セカンドレイプになってまう男の気持ちが!


 そんなことを考えていると、つい目に力が入って、相手を睨みつけてしまう。


「まあまあ、お二人とも! 何はともあれ、被害が少なくて良かったじゃないですか!」


 危うく喧嘩になりそうだったが、アニエスさんが間に入ってくれて事なきを得た。


「ま、まあ、そうだな。勝手な行動をしたのは許せんが、レッドドラゴンを撃退したことは事実であるし、ノジメハのギルド長として、例だけは言っておこうか……ユータ君、ありがとう……ふんっ!」


 は? 何それ?

 ツンデレのつもりかよ!

 おっさんのツンデレなんて、誰も求めてねーよ! ボケ!


 文句つけてやろうかと思ったが、アニエスさんが俺の耳元で、


「まあまあ! ユータさん、後で何かご褒美あげますから、ここは抑えて、抑えて……」


 というものだから、大人しく引き下がった。

 ふむ……ご褒美か……


 後で、ご褒美として、ジョークのつもりで『アニエスさんのぱんつ』をねだったら、ぱんつの代わりにパンチが来た。


 ん?


 あ、おわかりになられませんでした?

 今のは、ですねぇ?

 『ぱんつ』と『パンチ』をかけた高度なダジャレで……


・・・・・・


 まあ、ギルドでの扱いはそんな感じだったが、俺がレッドドラゴンを追っ払ったのは事実だ。

 その噂は瞬く間に街中に広がった。


 もはや、男も女も、この街で俺のことを知らない者はいない。


「おお! レッドドラゴン退治の英雄・ユータじゃねーか!」

「ホントだ! お前の武勇伝、今度聞かせてくれよ!」


 もっとも……

 男と女で、俺に対する評価は全く逆のものだが……


「キャァ! ユータよ! 私、目が合っちゃった! キモ……」

「しぃー! 聞こえるわよ! 相手は変質者なんだから何されるか!」


 男からは『最高に勇気のある者』……つまり、英雄だとして褒めたたえられた。

 一方、逆に、女からは、前にも増して、汚いものを見るかのような目で見られた……


 早い話が……



『全裸でレッドドラゴンを撤退させた英雄・ユータ』


 とか


『鬼神マールをカンチョー責めした鬼畜魔・ユータ』


 とか噂されるようになったのだ。



 男の方は、それを酒のサカナに、よく俺を酒の席に誘っては、俺の武勇伝(?)を聞きたがった。

 特に、マールさんにカンチョーした時の話は、事細かに求められた。


 で、一方、女の方は……


 時折、女子どもが俺の方をチラ見しながら、ヒソヒソと「ぱんつ魔」とか「カンチョー」がどうとか言っているので、何の話をしているのかは、容易に想像できた。



「もう、この街から出よう……」


 ただ目が合っただけの見知らぬ幼女達から石を投げられ、俺は決意した。


 俺はもう、ノメジハの街にいられない。


「げ、元気出しなさいよ。ほら? も、もともと出ていくつもりだったでしょ?」


 スイーツが慰めのつもりか、優しい声をかけてきた……

 やめてくれ……その同情が余計にキツイ……


 でも、本当にもう出よう。


 考えてみれば、もともと、次の街・ノギーツまでの道中に生息するモンスターが、今の俺のレベルでは厳しいという話だったから、適性レベルまで修行するだけの間いる予定だったもんな。


 この街に留まる理由なんてない。


 惜しむらくは、マールさん、アニエスさん、クレアさん、ターニア、この街で出会った美女美少女達との別れだが……


 どうせこちらは不細工デブ……

 俺が出ていったところで気にも留めないさ……


 ああ、陰キャが加速していく……


 そんなわけで俺は、次の街・ノギーツまでの道中で、使うだけのぱんつを確保すると、誰にも挨拶をせずに……街を抜けた……

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