30枚目 異世界の女子どもが俺のぱんつを狙ってる ~後編~
「貴方がやる気を出してくれて、本当に嬉しいわ!」
「へいへい……」
満面の笑顔で喜ぶスイーツを尻目に、俺は適当に返事をした。
返事をした、と言っても、人目があるから、心の中でそう呟いただけだが。
しっかし、ノメジハの街を出ただけで喜ぶとか、俺ってどんだけ怠け者に見えてたんだよって話なんだが……
ソロでノギーツに行くにあたって、野宿とかモンスターの対処とか、いろいろと不安はあったが、そこは何とかなった。
幸いなことに、俺はノギーツの街へ行く商人の団体に混ぜてもらうことに成功した。
護衛として。
そんな話を、この異世界に来たばかりの頃の俺を知っている人が聞いたら、こんな俺が護衛なんて「大丈夫か?」と聞いてくるかもしれないが……
大丈夫だ、問題ない。
つまりは、あの腐れ竜王との『挿しつ挿されつの戦い』で得た、あの『レッドドラゴンを裸で撃退した男』という不名誉極まりない称号が役に立ったというわけだ。
「いやあ! レッドドラゴンと渡り合った人が護衛とは心強い!」
商人はそんなことを言って、俺の護衛の申し出を二つ返事で了承した。
でも、おっさん、俺が言うのも何だけど……
商人なんだから、もうちょっと情報はキチンと調べた方がいいと思うぞ?
まあ、俺は助かるけど。
俺としては、自分にそんな戦闘力があるわけじゃないし、誇大広告みたいで申し訳ない気持ちもあるが、もうノジメハの街からは一刻も早く出たかったから、背に腹は替えられなかった。
まあ、実際は、俺の他に何人か中級クラス以上の優秀な冒険者が護衛に就いていたので、全然問題なかったのだが。
護衛対象は、商人のおっさん1人……とその背中に背負った荷物か。
荷馬車でも使えれば、こんな手間はないんだろうが、ノギーツの街までは道が舗装されておらず、途中森を抜けなければいけないので、馬車ではいけないのだ。
なので、どうしても徒歩で行かなければいけないのだが……
そうなると、今度はモンスターの遭遇がネックとなる。
そこで冒険者の登場だ。
冒険者が護衛して……サバイバル技術を使って様々な移動中の問題を解決して、商人・旅人は安心して移動できる。
こうして、ノジメハ~ノギーツ間の一般人の移動は、中級以上の冒険者の良い稼ぎになっているんだと。
全部、他所の冒険者に聞いた話だけど。
商人のおっさんは、恰幅のいい中年だ。
名前は聞いたが忘れた。
まあ、どうせ覚えたところで、これから先、お世話になることはないだろうし。
フフ、こんなこと言って、ギャグ小説だったら、絶対フラグ立ってるとこだな!
実は、おっさんが超重要人物で、今ここで仲良くしなかったせいで、後に困ったことになったりして!
「ああ! あの時、商人のおっさんと仲良くしていれば、3人の天空の花嫁のうち一人を選べたのにぃ!」
な~んつって!
って! てへてへ!
え? ないよね? ないよね?
・・・・・・
まあ、そんなこんなで、俺は何度か野宿を繰り返して、他の冒険者ともいくらか打ち解けて、旅の話など聞かせてもらったりした。
遭遇したモンスターも大したことなく、大体の場合、同行した他の冒険者がすぐに片づけてしまった。
俺も、ぱんつを被ってスタンバったが……むしろ、モンスターよりも味方の人間達の方にドン引きされた……
常識は投げ捨てるものッ!
そして、取り立てて目立ったこともなく、出発して4日目にはノギーツに到着した。
レッドドラゴン騒動の時、Aランク冒険者が3日で移動してくるって話だったけど、それより遅かったのは、それとも交易の安全のためにルートが変えたとか慎重になっていたせいか?
よくわからないが、理由はその辺だろう。
とにかく、今、俺は新天地にいる!
「ああ、ここから俺の冒険は再スタートするんだ!」
誰も、俺のことを知らない街で、一からやり直すことの何と晴々しいことか!
ここには俺のことを「腐れぱんつ魔」とか言って、養豚場の豚を見るような目で見て来る女子も……
いきなり「しね! 女の敵!」とか言ってツバ吐きかけてくる女史も……
問答無用で、石を投げつけて来る(しかも妙にコントロールが良い)幼女も……
ここにはいないんだぁ!
「自由だぁ!」
早速とばかりに、ここの冒険者ギルドに挨拶に行くことにし、ギルドに赴く。
さあ、新天地ではどんな冒険が待ち受けているのだろうか?
カワイイ子がいるといいなあ!
んで、異世界テンプレ展開で、その子と恋仲になったりして……
その子とは別の女の子が俺に横恋慕して、ヒロインの座をめぐって女同士の争いを繰り広げたり……
ふと道をすれ違った悪役令嬢に因縁つけられて、政争に巻き込まれたり……
かと思ったら、その令嬢が婚約破棄してまで、俺と駆け落ちしたいと申し込んで来たり……
ああ、ワクテカで夢が広がりんぐ!
「たのもう!」
俺は期待を胸に、ギルドの扉を開けた!
「よお……」
ん?
何か、ギルドの扉を開けてすぐに、金髪巨乳エルフのお姉さんが親しげに挨拶して来たんだけど?
やだ、何コレ?
新手の客引き?
ん? んー……
おっぱいが大きいから多分そうだな。
やれやれ、こんな真昼間から客引きなんてやるなよ……
てか、水商売は間に合ってるよ! しっし!
俺は純なる愛を求めてるんだ!
お前らのような、金で買える愛なんぞに興味はねぇ!
そして俺は、そのエルフの横を素通りしようとして……
ん? 金髪巨乳エルフ?
振り返って、エルフの顔を見る。
実は、さっきはおっぱいにしか目がいってなくて顔を見てなかったのだ、てへ。
「あ……」
「よお、意外に時間かかったな。事故に巻き込まれたんじゃないかと心配していたところだ」
エルフが笑顔でそう言った。
俺はエルフの顔を確認すると、何も言わずギルドを出ようとする。
「おい、どこへ行く気だ?」
エルフのお姉さんに、ガシッと肩を掴まれ呼び止められた。
「人違イ、ジャナイ、デスカ? ボク、アナタ、シラナイアルヨ」
俺は片言でそんな風にしらばっくれるが……
「は? どっからどう見ても、お前、ユータだろうが!」
そう……
どっからどう見ても、その金髪巨乳エルフは、マールさんだった……
・・・・・・
ここだと、誰が聞いてるかわからないから「場所を変えたい」とマールさんが言うので、俺はマールさんに連れられて路地裏に来た。
うーん……
いかにもチンピラが出そうなとこだなぁ……
今回は相手がマールさんだからいいけど、これが毛むくじゃらのおっさんに連れて来られてだったりしたら、色々なことして警戒しちゃうとこだね。
俺は、尻(特に尻の穴)をガッチリとガードしながら、そんなことを考えた。
「ところで、マールさん……」
「何だよ?」
「ストーカーって犯罪なんですよ、知ってました?」
「は? 何がストーカーだ? 君は鏡を見たことないのか?」
「ぐっ! だって、おかしいじゃないですか! 俺は誰にも言わないでノジメハ出たのに、何で先回りしてギノーツにマールさんいるんだよ!」
すると、マールさんは、やれやれといった感じで「はぁ……」と溜め息をつくと突然、俺に背中を向けて……そして、背中越しに話し始める。
「あー、これは私の独り言なんだが……」
ん? 何だ?
気のせいか、何やら声に真剣な感じが……
「これはギルドの機密にあたることだから、うっかり誰かの耳に入ったら大変だ。ユータの命に関わることだから、教えておきたいが、ギルドは裏切れないしなあ……」
マールさんはわざとらしく、そう言った。
え? 何コレ?
何か、聞くの怖いんですけど……
「今回の件で、ギルドはユータという人物に監視をつけることを決めた。ギルドでは、お前のことを『色欲の勇者マサオの再来』ではないかと疑っているんだ……」
あれ? マサオ?
何かつい最近どっかで聞いたことがあるような?
何か白い空間で……モザイクがかかったような感じで……
う~ん……
やっぱ思い出せないわ。
まあ、いいか。
それより今聞き捨てならないこと聞いたぞ!
勇者がどうとか……
ついに、ギルドに『勇者』じゃないかと疑われるようになったか……
うわぁ……これから迂闊なことできないぞ……
「まあ、当然だろう。レッドドラゴンを裸で倒してしまったのだからな……」
「と、とにかく、教えて下さってありがとうございます。助かります……あれ?もしかして、マールさんはその監視で?」
「おい、独り言に質問するな。独り言でなくなるだろうが!」
「あ、ごめんない」
そんなことをやっていると……
「マールさんだけじゃありません……」
誰か、この路地裏に入って来たのだろうか?
すぐ後ろから声がした。
「え? クレアさん?」
俺が振り返って確認すると、そこにいたのはシスター・クレアだった。
「ユータさん、あのぱんつは危険です……」
クレアさんは、俺の目を真剣に見ながらそう言った。
ぱんつが危険?
「私は、ユータさんと、あのレッドドラゴンが……その……えーと……あんなホ……ホ……ホモ……ックス……」
ふぅ……
「え? 何? 聞こえない?」
意地悪く、わざとそんなことを言ってみた。
だって聞きたくない?
クレアさんみたいな純情な人の口から『ホモ●ックス』って!
シスターの口から聞きたいよぉ!
「あんな不道徳なことをしているのを見て確信しました! あれには人を狂わせるものです!」
あ、くそ!
うまく逃れたな……残念。
「そして、私がユータさんと出会ったことが、神の意志であるのならば……あんなものを持つユータさんが、いつか道を踏み外さぬよう正してあげるのが私の使命と心得ました!」
ああ……そういう結論に達したのかぁ……
ん? あれ?
でも、確か、シスター・クレアは……
「で、でも、教会の仕事とか良いんですか? シスターが抜けると皆困るんじゃないですか?」
アニエスさんによると、シスター・クレアによって教会の財政は何とかなってるらしいし。
「その点は、メリーさんがやってくれることになっています」
「メリーさん?」
「ええ、彼女、実は前々から教会の仕事に憧れていたんです。でも、父親のヴォルマルさんが大変でしたから、お父様の療養を優先して、自分の夢を諦めていたのですよ……」
ああ、そうだったのか……
メリーさん……あの人には幸せになって欲しいなあ……
ちょっと……いや、かなり、俺をぱんつ魔として警戒してて、すごく悲しい思いもしたけど、あの子はいい子だよ、きっと。
「ユータさん、先ほどはああ言いましたが、貴方の力は、正しく使えば、困った人の役に立つものなのです」
「いや、まあ……」
「だから、約束して下さい! 悪用しないって!」
「いや、そもそも悪用するも何も……あんなもの悪用にしようがないような?」
俺が、そんな歯切れの悪いことを言っていると、クレアさんの後ろから誰かがやってくるのが見えた。
「話はまとまった?」
黒いローブに赤髪の美少女だった。
その顔は整っていて、とても美少女……
ただ、残念なことに、その胸は平坦であった。
「ターニア!」
俺がそう呼び掛けると、ターニアは片手でVサインをつくる。
「私は単純に興味があってね、あんたのぱんつに!」
うわぁ……ターニアも来たのか……
これで、竜王戦の時の女子ども皆揃っちゃったな。
「少しの間だったけど、ぱんつのお陰で胸が大きくなった……きっとこれは、あのぱんつをキチンと研究すれば、貧乳改善薬ができるに違いない……そう思ったわけ!」
ビシッと俺の方を指さして、ターニアは言った。
「びっくりするほどユートピアは? あれでも大きくなるんだろ?」
「あんたねぇ……やるわけないでしょ? あんたに……その……あんなこと言われて……」
「あんなこと?」
「レッドドラゴン戦で、あんた、私のユートピア体操を見て、私のお尻を……その……」
途端に、もじもじし始める。
うん、カワイイじゃないか。
「もう、とにかく私をエロい目で見るな! ぱんつ寄こせ! 私の言いたいことはそれだけよ! 以上!」
見もフタもねぇなあ……
「でも、お前いいのかよ?」
「何が?」
「マナとイータは? 置いていくのか?」
「いやいや、その辺はあの子達とちゃんと話がついてるわ。あの子達はあの子達でユートピア体操を極めて貧乳を改善するだって!」
何だか、話を聞いてみると、ターニアはユートピア体操に抵抗があるのに対して、マナとイータは俺のぱんつに抵抗があって、そのせいで袂を分かつことになったそうな。
「じゃあ、そういうことで、早速あんたのぱんつを寄こしなさい!」
「は?」
「は、じゃない! 貧乳改善は毎日やるのよ! 今日の分寄こせ!」
「おい、ちょっと待て。そういうことなら、私にもぱんつを寄こせ!」
「マールさん?」
「それで、あのぱんつを被って、オークどもを根絶やしにしてやるんだ……フフフ……」
「こ、怖いんですけど?」
「ああ、やっぱり、ユータさんのぱんつは、人心を乱すものなのですね! 私が導いてあげないと! というわけで、ユータさん?」
「はい?」
「ユータさんのぱんつは全部没収して、私が管理します! さあ、寄こして下さい!」
「ちょ、ちょ、ちょ!」
女子どもが俺に迫って来る……
何だ、この状況?
女子に迫られてるのに、嬉しくない……だとッ?
「皆さん、ちょ、ちょっと落ち着きましょう? ね?」
「「「良いから! ぱんつを寄こせ!」」」
女子どもは、俺の腰に手をかけようと伸ばしてくる。
俺はそれを必死の思いで避けて……全速力で走って逃げた!
「あ、逃げるな、こら!」
「風の魔法でスピードアップしましょう! 今唱えますから!」
「さっすが、シスター・クレア! 頼りになる!」
「よし、じゃあ、あたしが走って追いついたら、ユータを羽交い締めにしよう! ターニアはズボンを下ろしてくれ!」
「了解! さあ、皆? いっくわよぉ!」
何でこの女達、連携いいんだよ!
「ひぃ! 犯~さ~れ~るッ!」
「「「待ちなさ~い!」」」
異世界の!
女子どもが!
俺のぱんつを狙ってるッ!
<第一章・完>
作者「終わったぁぁあああ!」
作者「異世界の女子どもが俺のぱんつを狙ってる・第一章、ここに完成です!」
作者「いやあ、感無量……こんな糞ミソな作品だけど、終わってみると感慨深いものがありますな……うぅ、涙出て来た……」
作者「ちなみに、お気付きの方もいるかと思いますが、『30枚目』ちょうどで第一章・完としたかったので、『30枚目』を全編・後編に分けました!」
スイーツ「あのさぁ……」
作者「ん? なに?」
スイーツ「何か、貴方、エンディングが終わったようなノリになってるけど、まだ一章・完なのよね? まだ続くのよね?」
作者「え……まあ、そうだな。続く予定はあるよ?」
スイーツ「うんうん。それで?」
作者「予定はあるが、第二章以降は、ぶっちゃけ、ほとんどプロットとかも考えてない! てへ!」
作者「充電期間を設けて……その間に他の作品投稿したりして……腕磨いて、プロット出来あがったら、第二章スタートしようと思ってる」
スイーツ「ああそう。ぶっちゃけ、エタらないのよね?」
作者「うん……まあね……」
マール「よし! 頑張るんだぞ!」
作者「うわ! びっくりした! 急に出て来ないで下さいよ! ボラ●ノールのマールさんじゃないですか!」
マール「変なあだ名つけるな! それに、急にじゃない、私はさっきから居たぞ?」
作者「いや、ラジオと同じなんだから、いるなら発言して下さいよ……声出さない人はいないことになるんで……」
マール「そうなのか……」
クレア「そうなんですね。じゃあ、私も声出した方が良かったですかね?」
作者「うん、まあね……てか、クレアさん、貴女もどこかボケてるんだよなあ……まあ、いいや」
作者「というわけで、この作品は一旦完結とします!」
作者「第二章はいつになるか、まだ未定ですが、再開する時にまたお会いしましょう! それでは!」
作者(一度完結した作品を再び再開できるように変更できるか知らないが、多分大丈夫だろう……まあ、ダメだったら、別の手を考えよう!)
ターニア「とお!」
ターニア「ここで満を持して、究極美少女ヒロイン・ターニアちゃん登場!
真のヒーロー・ヒロインは遅れて登場するもの! さあ、初登場を祝して今日は喋りまくるわよぉ! って、こら! 何で幕が下がってきてるのよ! あたしはこれかr




