31話 罰
遅れてすみません…
「にしても今日は疲れたな……」
午前中に学校が終わるわけだから、午後はのんびーりゲームしたり、ラノベ読んだりする予定だったんだけど……。完璧に予定狂ったな。
ま、新しいイラストレーターが柊なら安心できるな。なにせあのクオリティだ。今まで他のレーベルが拾わなかったのがもったいないと感じるくらいまである。
「すげえ個性的なやつだったけどな……」
今日1日でものすごく距離が近くなった気がするが、アイツは結構変わってる。急にキレるし、かと思ったら今度は悲しむし、ほんと読めないやつだった。そういうの見てて楽しかったけど。
「……でもアイツ、俺のこと嫌ってるような気が……」
何か言うと、すぐ罵倒される上にすぐ怒る。挙句の果てには携帯投げられたし……。まぁ、あれは俺の自業自得か……? にしても、もうちょいやり方があるだろ……。あの自由さとわがままさから察するにーー
「金持ちだな」
予想できるのは1つだった。ハーフの金髪美女だ。明らかに見た目から金持ちそうな感じがする。よくある庭がめっちゃ広いところとかに住んでそう。俺の高校も金がかかる私立だしな。
「これから関わっていけば分かるか」
「何が?」
「いや、だから柊が実際お金持ちなのかなってーーん?」
質問にうっかり答えてしまった。誰だと思い、声のした方へ向くとーー
「…………」
弓梨がしょんぼりしながら、体育座りで俺の家の前に座り込んでいた。
「……何やってんだお前」
「……むー」
弓梨はハムスターみたいに頬を膨らませた。可愛い。
「なんかあったのか?」
「なにかあったのかじゃないよ! 私ずっと月夜のこと待ってたんだよ!」
「え? お前クラスの奴らと遊んでたんじゃないのか?」
「遊んでないよ! ずっとここで月夜の帰りを待ってたの! 一緒に帰ろうかと思ったらクラスに居ないし、どこ探しても見つからないし……」
どうやら弓梨はあの現場を見ていなかったらしい。良かった。弓梨にも誤解されちゃもうすべがないからな。
「ごめんな。ちょっと色々あって」
「……もうっ、次からはちゃんと連絡するんだよ! 私も心配してるんだからね!」
「分かったよ」
なんかこのやりとり、弓梨が彼女みたいだな。いや、お母さんの方が近いかも。
「何笑ってんの月夜」
「いや、お前、俺の親みたいだなと思って」
さっきよりも大きく頬を膨らませる弓梨。
「そこは彼女とかって言ってくれた方が嬉しかったのに!」
「じゃあ俺の彼女みたいってことで」
「……反省してない月夜には罰を与えます!」
弓梨が不機嫌そうな顔で言い放つ。
「何するんだ?」
「今日、私は月夜の家に泊まります!」
今度は笑顔になってそう言った。




