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21話 侵入

更新遅れてすみません…


「着いたわね」


「なんとかな」


 目の前の建物には昨日見た看板が置いてあった。洒落てて俺みたいな奴が入るにはちょっと抵抗があるような店だ。


「私が居て良かったわね。アンタ1人じゃ来れなかったわよ」


「いや、お前が居なかったら俺今頃家に居たから」


「ちっちゃいこと気にしてたら嫌われるわよ。もう私はアンタのこと嫌いだけど」


「……一言余計だ」


 喫茶店の扉を開ける。席に座っているのは昼食休憩中なのだろうか、コーヒーをすすりながらパソコンとにらめっこをしているサラリーマンらしき人や、楽しそうに会話をする女性など、それぞれ憩いの時を過ごしていた。


「結構人居るのね」


「まぁ、この時間帯だからな」


 そう言いながら俺はその人達をゆっくりと見回した。


「よし、居ないな」


 確認した上で、ほっと胸を撫で下ろした。同じ学校の人は居ない。良かった。

 何故俺がこんなにも同じ学校の奴と遭遇するのが嫌か。もし、こんなオタクみたいな俺がクラスメイトと喫茶店に来ているなんてことをあのチャラ男とかに見られたら、「何あいつ地味男のくせに女の子と仲良くなってんだよ」とか言われそうで怖い。それに、星野さんと話しているところを見られたら、なんで大人の女性と話してるんだろうと疑問を持たれるかもしれない。それを根拠に俺が作家だということが学校中に知られたら、俺は人生のゲームオーバーである。


 作家ということは、それなりに名が知れているということになる。つまりちょっとした有名人だ。そうなると、俺が作家だと知った時に、SNSやらなにやらに「俺/私のクラスメイトラノベ作家なんだけどw」とか写真付きで投稿するやつが絶対、100%出てくる。そうすることによって身バレし、ネットで騒がれ、事件の元となる。これも嫌だが、もっと嫌なことがもう1つある。それはラノベの作家だと軽蔑されることだ。基本、小説の中のラノベというジャンルのイメージは、実際のところは偏見でオタクが読むもの。2次元にしか興味がない人が読むもの、などと正直言ってあまりいい印象が無い。

 俺はそういう考え方は大っ嫌いだが、思うことは人それぞれだ。ラノベが好きな人もいれば、嫌だという人もいる。だからこそ、好きな人が楽しめればいいと俺は思っている。俺は普通の学校生活を送っていきたい。だから、できればあまりラノベ作家だということは知られたくない。


「何か言った?」


「いや、なにも。それより、星野さんはどこだろ」


 見た限り、星野さんの姿は見当たらない。またしても周りを見回すと、柊も同じことをしだした。


「んー……。あ、いた! あそこ!」


 柊は指した先には、1番端っこの席でタバコを吸って何かの資料を見ている星野さんな居た。


「あんなとこに居たのか……」


 ここで星野さんを呼ぶのは周りに迷惑なので、こちらから彼女の方へ近づいた。


「来ましたよ星野さん」


「おっ、来たか来たか」


 星野さんは吸っていたタバコを灰皿に入れ、俺の方を向いた。



 


 


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