19話 誤解
それにしてもコイツ、初対面で友達も居ないのに良く俺とこんな馴れ馴れしくできるよな……。普通友達ずっと居なかったら99%コミュ障になってると思うのだが。俺みたいな友達が居るのにコミュ障な奴だってごろごろ居るだろうに。
「あー、美味しかった」
「早いなおい」
柊がどら焼きの1口目を食べようとしたのはほんの数十秒前だ。女子はもっとゆっくりと行儀よく食べると思ってたのに、イメージがぶち壊しだ。
「お腹空いてたんだもん」
「こんな時間まで待たせてすみませんね……」
「ほんとよ。……ところでアンタ、その、用は済んだの?」
柊が少し恥じらいを含めた顔でボソボソと喋る。
「用ってなんのこーー」
ーーあ、そうだ。俺コイツにオ○ニーするって言ってここから出たんだっけ。良く考えるとすげぇやばいヤツだな俺。学校でオ○ニーとかエロを極めた俺でも引くわ。
「……おう」
「そ、そう」
なんか気まずくなっちゃたああぁぁ! でも今頃いろいろ言ってもなんか必死こいて言い訳してるようにしか見えなさそうだから辞めとこう
「ところで、お前この後予定とかあるか?」
「別に無いけど……」
「良かった。腹減ったし、喫茶店行かないか? そこで話もしたい」
「それは無理よ」
柊がキッパリ断った。
「え、なんで?」
「怪しい男にはついて行っちゃダメって厳しく言われてるから」
「俺クラスメイトだよね!? 怪しくも何とも無いだろ!」
「何言ってるのよ。充分怪しいじゃない。私に話しかけてきたかと思ったら何故か私の写真持ってたし、その上追いかけてきて挙句の果てには変なこと言い出したし……。怪しくないところを探す方が難しいわよ!」
「だからそれについてもちゃんと話すって! 星野さんもその喫茶店に行くから安心して大丈夫だ」
「……分かったわよ。そこまで言うなら行くわ」
「おう」
こうなったのも全部星野さんのせいだ。あの人がちゃんとしてれば俺は今頃家でアニメやらラノベやらに時間を費やせたのに……。なんか考えてたらイライラしてきた。あー、早く二次元の可愛い娘達の元へ行きたい。そしてキャッキャウフフしてーー
「ーーえ! ねえってば!」
「ん、ごめん。ぼーっとしてた」
いけないけない。ついそっちの世界へ行ってしまいそうになってしまった。
「まったくもう、アンタって人は……。ほら早速行くわよ。早く済ませたいし」
柊はもうカバンを持って早くしろと言わんばかりに不機嫌そうに立っている。
「よし。じゃあ行くか」
長らく過ごしていた保健室を後にし、俺と柊は学校の外へと出た。




