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エピソード25 決着

 猪妖魔が、「何だかわからねえが、好きなようにはやらせねえよ」と言いながら斧を振りかぶった。セイマはその動きが目に入っていないように、つぶやいた。


 「己懸流退魔剣… 瞬」


 その瞬間、残像を残してセイマの体が消えた。そしてダダダとかズババとかいう音が鳴り響き、気付くとセイマは剣を振り下ろしたような姿勢で妖魔たちの向こう側に立っていた。


 一瞬、全ての時間が停止した感覚がした。そして、猪妖魔と木の化け物が崩れ落ちた。よく見ると、2匹とも袈裟懸けに切り裂かれている。


 僕は少し寒気がした。すさまじい技だ。あの技はセイマの得意技だが、ここまでの圧倒的な強さはなかったはずだ。


 セイマは肩で息をして、しばらくその場に立っていたが、やがて僕の方に歩いてきて言った。


 「大丈夫だったか?」


 「ああ… お前、炎身の魔石を使ったな?」


 「知っているのか。豊富な知識があるっていうのはあながち出まかせじゃないようだな」


 炎身の魔石は、地下室にあった僕のコレクションの1つで、膨大な魔力を使うことで身体能力を爆発的に向上させることが出来るアイテムだ。見た目は小さな赤黒い石で、首からかけられるようにチェーンがついている。さっき、セイマの胸のあたりが薄く光って見えたが、あれがそうだろう。


 このアイテムは以前に僕が手に入れたものだが、使い勝手が悪く死蔵していた。使用回数は限られているし、魔力効率は悪いし、なにより反動が大きい。そもそも頑強な体を持たなければ、使ったとたんに体中が動かなくなって戦闘どころではなくなってしまうだろう。


 僕も、以前に試しに使った時には、一応は使えたものの使用直後から数日は筋肉痛でろくに歩くこともできない有様だった。それに、僕の場合、退魔術で戦うのがメインだから魔力を使って身体能力を強化しても仕方ないということで、使わないことにしたのだった。


 だが、目の前のセイマは特に痛みも見せずにいる。僕に耐えられないものがセイマには大丈夫ということがあるだろうか?

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