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エピソード18 優しい奴

 急に温度が下がるような感覚がした。だけど、僕はセイマの事なら良く知っている。心がねじ曲がってしまったとはいえ、善良な人間を斬れるような奴じゃない。本当は、心優しい奴なんだ。


 僕は、お前の事なら何でも分かっていると言わんばかりの笑顔を浮かべて言った。


 「まあそう言うな。少なくとも僕は妖魔の味方じゃない。むしろ、被害者の側だ。とはいっても、いずれ思い知らせてやるつもりだがな。お前の邪魔はしないから、そう邪険にしないでくれ」


 セイマはその言葉を無視するように剣の柄に手を置き、僕を睨みつけていたが、やがて、僕にはそんな脅しは通用しないと悟ったのか、小さく息を吐いて言った。


 「ちっ。だが、絶対に邪魔をするなよ。俺の指示に従わない場合、敵とみなす。いいな」


 「ああ、それでいいよ」と僕は余裕の笑顔で答えた。セイマもまだまだ甘いな。まあ、1人前の退魔士のつもりなんだろうが、僕にかかればまだまだ可愛いひよっこといったところかな。


 セイマは、もう一度僕を睨みつけたが、こんなことをしていても埒が明かないと思ったのだろう、扉に向き直ると、僕に「ちょっとあっちを向いていろ」と言った。残念、扉を開けるやり方は見る事ができなさそうだ。まあ、それぐらいはどうにでもなるだろう。


 僕が後ろを向きしばらくすると、甲高い音が聞こえた。扉の開いた音だ。僕が振り向いて扉の方に向かうと、地下に降りかけていたセイマが怖い顔をして「中には入るな、ここにいろ」と言われた。


 「はいはい、了解」と言ったら、セイマが僕をひと睨みした後で、地下へと降りて行った。

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